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剣と少年  作者: 敦
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第05話 初めてのパーティー

 俺が冒険者になって数日が経った。

 あれから、いくつかの採取依頼を受けたり討伐依頼を受けたりしている。

 まぁ、採取は、前回とほぼ同じだし、討伐依頼もゴブリンやスライムなどが多く、俺としては慣れ親しんだ魔物だ。特筆することでもないだろう、ということで割愛し数日が経った今というわけだ。

「昨日は討伐だったし、今日は採取あたりにしておくかな、でもなぁ、そろそろ、飽きてきたよなぁ」

 採取に関しては子供の頃からやってきている、すでに飽きてきていた。

 だからこそ、そろそろ別の依頼を受けてもいいような気がする。

「なぁ、ちょっといいかな」

 そんなことを考えていたからだろうか、不意に後ろから声をかけられた。

「ん、何か用か」

 俺が振り向くとそこには、3人の男女がいた。剣を腰に差した剣士の男と武闘家の男に盗賊職と思われる女が1人という組み合わせだ。

 どことなく3人は似ているような気がする、兄弟かな。

「ああ、俺は、グロウ、あとは、ゴラスと、ケイト」

 グロウが自己紹介をした後、ほかの2人も紹介してくれた。

「俺たちは、カプレス兄妹っていうパーティーを組んでいるんだ」

 どうやら、本当に兄妹だったらしい。

「俺は、ノーランだ。それで、どんな用件なんだ」

 相手が自己紹介をしてきたので俺も礼儀として自己紹介をした。

「単刀直入に言うと、俺たちのパーティーに入ってくれないか」

「パーティーに?」

 実は今までもこういった誘いはあった。しかし、そいつらはどう見ても新人冒険者を食い物にしようとしているとしか思えない風貌だったことで拒否してきたが、この兄弟は何となく信用できそうな気がする。

「私たち、ヒナリさんにあなたを紹介してもらったのよ」

 とここで、ケイトが話に加わってきた。

「ヒナリに、なるほどね」

 ヒナリが紹介したのなら、安心できる。これまでまだ短い付き合いだが、彼女は信用するに値することは俺もわかっていたし、どうやら俺は彼女のお気に入りらしいからな、下手な連中は紹介しないだろう。

「でも、なんで俺を加えようとしているんだ」

 それは気になった、せっかく兄妹水入らずでやっているのに俺みたいな他人が入ってはやりづらいだろう。

「ああ、えっと、それなんだが、俺たちが受けようとしている依頼は、Fランクだと4人以上のパーティーじゃないと受けることすらできないんだ」

「へぇ、どんな依頼なんだ」

「オーク討伐だ」

 オーク、豚の顔を持った知能は低いが巨大な人型の魔物だ。村を襲い住人は皆殺しにし、食料を根こそぎ奪う凶悪な魔物だ。しかも、ゴブリンと同じく集団で行動しているため本来ならDランク冒険者パーティーに依頼が来る相手だが、時々群れからはぐれた、はぐれオークという個体が出る。単体であればFランクパーティーでも、討伐できるというわけだ。

 そういえば、パーティー向けの掲示板にそういったものが張ってあったような気がするな。

 それにしても、Fランク冒険者が進んで討伐したい魔物ではないはずだ。

「何か、理由でもあるのか」

 オーク討伐を成し遂げたい理由があるかと思って尋ねた。

「私たちの村は以前オークに襲われたのよ」

 なるほど、復讐か。

「あの時、俺たちはまだ幼く親に連れられて逃げたんだけど」

「逃げ遅れた人たちが殺されてしまったんだ」

 ゴラスが悔しそうに言った。

「その中には、私たち兄弟の面倒をよく見てくれたお兄さんがいてね」

 ケイトがそういって哀しそうな眼をした。

「ケイトは、ずいぶんとなついていたからな」

 3人の空気が若干重くなった。

「そうか、でも、グロウたちが無事でよかったじゃないか」

 俺としてはこれしかいうことはできないだろう。

「ああ、それだけはよかったよ。それで俺たちは大人になったら冒険者になってオークを討伐するんだって復讐を誓ったんだ」

 それで、Fランクでも討伐できるはぐれオーク討伐依頼を見つけ、いてもたってもいられなくなったということだ。

「わかった、いいぜ、俺もちょうど、採取とかゴブリンとかに飽きてきたところだし、オークみたいな大物と戦うのも悪くない」

「おお。助かる。それじゃ、さっそく受けに行こう」

「ああ」

 こうして、俺たちはさっそくパーティー登録とオーク討伐依頼を受けにヒナリのもとへと向かった。


「ヒナリさん、ノーランが了承してくれました」

 ケイトがヒナリにそういった。

「そうですか、それはよかったです、それでは、ノーランさんをカプレス兄妹に加入ということでよろしいですか」

「ああ、そうしてください、ああ、でも、名前どうするか決めていなかったな」

 ここでグロウがそんなことを言ってきた。確かに、今までは本当に兄妹だったから問題ない名前だったが、俺が加わると違ってくる。

「いいんじゃないか、それに今回は、臨時みたいなものだし、もし今後も組むのであればその時に考えればいいだろう」

 俺としては、何となく今後もこの3人と組むような気がするんだよな。

「それもそうだな、今急に決めても変な名前になりそうだし」

「うん、確かに、ちゃんと考えたいし、それでも大丈夫ですよね」

「はい、パーティー名の変更はいつでも可能です」

「じゃぁ、そういうことで、さっそく依頼を受けてしまおう」

「そうだな」

 俺たちはそれで同意した。するとそれを待っていたかのようにヒナリが言ってきた。

「それでは、皆さんカードをお出しください」

 そういわれて俺たちはそれぞれギルドカードをヒナリに渡した。

 受け取った、ヒナリは隣に置いてあった魔道具に俺たちのカードを差し込み、何やら操作をしていった。

「お待たせしました。それではオーク討伐頑張ってください」

 そういってカードを返してくれた。

「ありがとう」

「頑張ります」

「必ず、倒してきます」

「行ってきます」

 俺がお礼を言うと、ケイト、グロウ、ゴラスの3人もそれぞれヒナリそういってカードを受け取っていた。


 ギルドを出た俺たちは、いったん集まっていた。

「ノーラン、改めて、俺たちのパーティーに入ってくれてありがとう」

 グロウが改めて礼を言ってきた。

「なに、俺もちょうど、ソロの依頼に飽きてきたところだったからな、いいタイミングだったよ」

「そうか、まぁ、それでもありがとう」

「うん、ほんとに、ありがと、ノーラン、よろしくね」

 ケイトもそう言ってきた。

「ああ、よろしく」

「よろしく、ノーラン」

「ああ、ゴラスもよろしくな」

 俺たちはそこで握手を交わした。

「それで、さっそく出るか」

「ああ、俺たちとしては準備はできているが、ノーランはまだだろ、だから、準備をして、そうだな、1時間後に北門に集合でどうだ」

「わかった」

 それから、俺たちはいったん別れることになった。

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