第42話 明かされた真実1
ついにデリタルダンジョン最奥の部屋にたどり着いた。
『ここに……お姉さまが』
レーヴェが感慨にふけっているが、見た感じレーヴェがいたあの場所と全く同じ造りをしていた。
「あれが、エレナの墓ね」
そんな中、カイナは全体を見渡した後エレナと書かれた墓を見つめていた。
「そうみたいだな。さっそく花を供えるか」
といっても、エレナの魂はすでに転生しカイナとなっているが……。
「そうね」
それから俺とカイナはエレナの墓に向かい花を供えた。
「エレナは、悔しかったでしょうね。こんなところで……」
カイナからそんな言葉とともに本当に悔しそうな表情となていた。
自分の前世だけあってありありと想像出来たんだろう。
『それは、お姉さまも同じね。まさか、目の前で会えなかったんですもの』
「だよな」
俺も、何となく勇者王に怒りが芽生えてきた。
まさにその時だった。
『あら、なにかしら』
突然レーヴェが後ろの台座を見た。
その台座は、レーヴェの姉たる剣が刺さっていた場所のようで、ミルダンジョンでレーヴェが刺さっていた台座とほんとよく似ていた。
「どうした。レーヴェ」
カイナが祈っていたので俺は少し小声で尋ねた。
『ノーラン、私をお姉さまの台座に刺してくれない』
台座? どういうことだ。
『わからないわ。でも、なぜかそうしなきゃいけないような気がするのよ』
「んっ、まぁ、いいけど」
よくわからないがレーヴェが言うのだし、台座に刺すぐらいは特に問題ないので刺すことにした。
そして、レーヴェを抜き片手剣に変化したのち台座に刺し込んでみた。
「うぉ、なんだ」
「えっ、なに」
俺が差し込んだその瞬間レーヴェが台座ごととてつもない光に包まれて、俺とカイナは思わず目をつむってしまった。
俺が目を閉じたその瞬間、突如俺の意識がここではない別の場所に飛ばされるような、そんな錯覚を覚えた。
「なんだ、いったい」
「何が起きたの」
ふと隣を見るとカイナがいた。
「わからない、レーヴェを台座に刺しただけなんだけど、ここは一体」
場所についてはすぐにわかった。
なぜならそこはつい先ほどまで俺たちがいた、レーヴェの姉たる剣が安置されていた場所だ。
しかし、おかしい、なぜなら台座には剣が1本刺さっている。しかし、その剣はレーヴェではない、よく似ているが、その刀身に入っている色が青だった。
レーヴェは赤のはず、ということはあれがレーヴェの姉たる剣ということだろうか。
「ねぇ、もしかして、あの剣が、私の……」
カイナもそう感じたようだ。
「おそらく」
ドゴッ
俺たちがそんなことを話していると不意に壁が壊された。
そういえば、何か変だと思ったら、今俺たちがいる場所は入り口が全くない、それが今まさに壁が破壊された。
「もしかして、過去か」
俺はまさかと思いつつそういってみた。
「たぶん、あっ、人が来た」
カイナがそういうのでそっちを見たら確かに人が入ってきた。
その人物は、カイナそっくりの美女だった。といっても、カイナよりもずいぶんと年上で、たぶん30代後半ぐらいだろうか。
「もしかして、あの人がエレナ?」
「だろうな。カイナそっくりだ」
「そうかな。私、あんなに美人じゃないと思うけど」
いやいや、カイナはそういうがほんとにそっくりだ。どう見てもエレナが若返ったらカイナになるとしか思えない。
とまぁ、そんなことはいい、それより気になったのはそのあとに続いて入ってきた男だろう。
『師匠、なんで急にこんな壁をぶち抜いたんですか』
『何となくよ。ここを開けないといけない気がしたのよ』
エレナを師匠と呼んだ男、その姿は俺も絵姿で見たことがある。
「あれって、勇者王だよな」
「ええ、私も絵姿でしか知らないけど間違いないわ」
カイナに確認したが間違いなくあれは勇者王のようだ。
『何となくとは、いかにも師匠らしいが、って、なんかあるぜ』
『あっ、こら、ガイ、少しは警戒しなさい』
『ちっ、了解』
ガイと呼ばれた勇者王は舌打ちをつきながらも従っている。
それにしても、今気が付いたんだが、俺たち思いっきりここにいるんだけど、向こうは気にしないんだな。
『それはそうよ、今あなたが見ているのは過去の映像なんだから』
俺がそう思っていると不意にレーヴェの声がした。
「レーヴェ?」
『これは、台座に刻まれている過去を私を通してあなたたちに見せているの。ほら、続きを見てみなさい』
そういわれ俺は続きを見た。
すると、勇者王が下がったのを見たエレナが、一歩前に出て警戒しながら台座の前に立った。
そして、剣を取ろうと手を伸ばそうとしたその瞬間。
「あっ」
「……」
『なっ、何を……』
勇者王がおもむろに自身の剣を抜き放ち、それをエレナの心臓めがけて突き刺したのだった。
『師匠、いや、エレナ、それは王族たる俺にこそふさわしい。貴様には不釣り合いだ』
『王族? 何を言って……る。ガ、イ……』
それがエレナの最期の言葉だった。
『フハハッ、これは素晴らしい、素晴らしい剣だ。これからはこのガイナル・ダート・ダ・ナンバルが使ってやろう』
その言葉を聞いてエレナはゆっくりと悔しそうな涙を流しながらこと切れたのだった。
「……」
「……」
それを見ていた、俺とカイナも無言だった。
同時に勇者王にとてつもない怒りを覚えた。




