第34話 カルムの真実1
王都に向かい歩いている道中、突如聞こえた剣戟、それを追って見うるとそこにいたのは目がくりっと大きく、肩まで伸ばした髪を後ろでまとめ白く細りとしつつも長い手足。身長は俺より低い感じだが、低いわけでもない。その体のどこにあんな力があるんだろうと思わせるほどに細く引き締まったからだ。にもかかわらずスタイルは結構いいようだ。
そんな美少女としか言いようのない少女。
そして、そんな少女と戦っているこれまた珍しい女型の悪魔族。
まぁ、最初は俺も様子を見ていたが、途中少女の槍が壊れたために俺も参戦、悪魔族を討伐した。
また、どうやらこの出会いはタダの出会いではないようだ。
何せ、この少女俺とレーヴェが探している人物のようだった。
「どうしたの?」
「いや、まぁ、気にしないでくれ。ああそうだ。1つ聞きたいんだけど、カルミナ、とかエレナっていう名前に覚えはないか」
「カルミナ? エレナ? いえ、知らないけど、誰なのそれ」
どうやら記憶はないようだ。
「まぁ、知らないなら、今はいいよ。ああ、そうそう、俺はノーラン、Dランク冒険者だ」
俺はごまかしながら自己紹介を簡単にした。
「ふーん、まぁ、いいわ、私はカイナよ、同じくDランクよ」
どうやら、同じランクらしい。
「へぇ、同じランクか、それで、カイナはどこに行こうとしていたんだ」
「王都よ」
どうやら目的地も同じだらしい。
「同じか」
「へぇ、そうなの。だったら、これも何かの縁だし、一緒に行かない」
「そうだな。それがいいだろうな」
こうして、俺はカイナとともに王都に行くことになった。
そうして、その日の夕方となり、俺たちは近くの宿場町にやってきていた。
「2部屋空いているか」
宿をとることになり2部屋あるか確認した。
「申し訳ありません、2人部屋なら1つ空いているのですが、2部屋となると……」
まじか、この町にはここしか宿しかないというのに部屋が1つって、仕方ない俺はそこらへんで野宿するか。
と、俺がそんなことを考えているとカイナがとんでもないことを言い出した。
「だったら、その部屋をお願い、いいでしょ、ノーラン」
「んっ、ああ、俺としては、カイナが使えばいいと思うけど、俺だったら、その辺でいいし」
カイナも俺と同意見かと思った。
「違うわよ、せっかく2人部屋なのに私1人じゃなくて、2人で泊まりましょうってことよ」
カイナは少し顔を赤らめながら、何を言わせるんだといわんばかりに詰め寄りながらそう言ってきた。
「い、いいのか?」
「ええ」
ということで、俺はカイナと2人部屋に泊まることになった。
部屋に案内されて数分、俺は部屋をいきなり追い出されて廊下に1人たたずんでいた。
それというのも、部屋に入るなり、カイナが体を拭きたいと言い出したからだ。
まぁ、俺としては気持ちはわかるし、特に気にするわけでもなく部屋を出たというわけだ。
そして、俺はそんな時間を使ってレーヴェと念話で話をしていた。
ちなみにレーヴェは部屋の中、念話に距離は関係ないので問題なくできるというわけだ。
『それで、レーヴェ、どう思う』
『そうね、間違いはないと思うわよ』
『だよな。俺もそう思う。ということは話した方がいいよな』
『そうね。その方が協力もしてもらえると思うわよ』
『だな。それじゃ、話すか』
俺とレーヴェはこの時決意した。
それからさらに数分が立ち、カイナから入出の許可が出た。
「もう入ってもいいわよ」
「おう」
俺は許可が出た通り部屋の扉を開けて中に入った。
すると、部屋の中はお湯を使っただけあって多少の湯気があり、わずかに石鹸の香りもしていた。
その匂いに少し鼻孔をくすぐられながらカイナを見た。
するとカイナも少しさっぱりしたような、上気した表情が色香を誘い、なんともいたたまれない気分となった。
「え、えっと……」
「なに、どうしたの?」
俺がしどろもどろになっているとカイナが訝しみながら聞いてきた。
「いや、悪い。ちょっと、な。えっと、それで、実は、カイナに話さなければならないことがあるんだけど、いいか」
「話? いいけど、なに?」
「そうだな。まずは、その槍についてだけど」
「これね。私も不思議なんだけどこれ妙に手に馴染むし、懐かしい感じがするのよね。まるで、昔から使っていたみたい。でも、間違いなくあの時初めて持ったはずよ」
それはそうだろう、この槍は俺の一族がずっと持っており、俺がそれを受け継いだものなんだからな。
だが、カイナの言っているこことは正しい。
「それは、そうだよ。おそらく、というか、間違いなくそれはカイナの物だからだ。といっても正確にはカイナの前世だけどな」
「? 私の前世、どういうこと、ノーランは私の前世を知っているの」
カイナは驚愕した、そうれはそうだろういきなり自身の前世を知っているといわれれば驚くというものだろう。
「まぁな。なんといっても、俺の先祖だし」
「えっ、先祖?」
「そう、カイナも槍遣いだし、聞いたことあるだろ、カルムって槍遣い」
実は俺の先祖であり、村の名前の由来にもなった先祖カルムは世界的にも有名な冒険者だった。
「ええ、もちろん、知っているわ!! えっ、それじゃ、ノーランは槍遣いカルムの子孫ってこと」
「一応直系だよ。といっても俺は槍を全く使えないけど……」
事実である。
「そ、そうなんだ。あれ、でも、それと私の前世はどういう関係が、もしかして、カルムの奥さんとかだったの」
ここでカイナが言ったことは間違いだ。でも、この話の流れではそう思っても仕方ない。何せ、カルムとは世間的には男で通っているし、何より生まれ変わりの常識として、生まれ変わっても種族や性別は変わらない言うものがあるからだ。
でも、だからこそ、俺は言わなければならない。
「いや、本人だよ」
「えっ!!!!」




