第03話 冒険者ギルド
これからは不定期に掲載していこうと思いますが、時間は常に朝の06時と考えています。
街についていきなりトラブルに見舞われたが、何とか冒険者ギルドにたどり着いた。
冒険者ギルドは、3階建てで結構大きい。
「でかいな。よし、入るか、いよいよだな」
子供頃からの夢であった冒険者に今なることができる、俺は胸を躍らせながら扉を開けた。
中に入ると、まず目につくのは目の前にある受付だろう、そこには‘冒険者受付’と書かれたプレートと、‘依頼者受付’と書かれたプレート、‘買い取り’と書かれたプレートが並び、そこにはそれぞれ美女が座っていた。
俺は少し緊張しながら‘冒険者受付‘と書かれた受付へと向かった。
「どうされました」
俺が前までくると美女が声をかけてきた。おそらく初めて見る顔だからそういう聞き方をしてきたんだろう。
「えっと、冒険者になりたいんだけど」
「はい、冒険者ですね。では、こちらに必要事項を記入してください」
そういって受付嬢が紙を一枚近くにあった棚から出してきた。
「こちらをどうぞ」
俺が受け取ると今度はペンとインクツボを出してきた。
「ああ、ありがとう」
俺はそれも受け取ると受け取った用紙に記入を開始する。
「えっと、名前は、ノーラン、年齢は15歳、出身はカルム村、えっと、それから、特技?」
「お得意の武技などをお書きください」
俺が少し悩んでいるとそういわれた。
「ああ、そういうことか、えっと、魔術かな」
「魔術? ですか?」
俺がそう書くと受付嬢がそう尋ねてきた。
「うん、まぁ」
俺は少しあいまいな返事をしてしまった。
「ああ、すみません、その、槍をお持ちでしたので、てっきり槍遣いの方かと」
受付嬢も思わず不思議に思って尋ねてきたらしい、俺の返事を聞いてすぐに謝ってきた。
「いや、気にしないでいいよ、俺もおかしいと思うし」
そりゃぁ、こんな立派な槍を背負っておいて、得意な武技が魔術じゃ驚く。
「えっと、こんなものかな」
俺はそういって記入した紙とペンを渡した。
「はい……えっと、問題ありませんね。では、カードをおつくりしますので少々お待ちください」
そういって、受付嬢はその場を離れ、奥に引っ込んでいった。
それから少ししてから受付嬢が何やら水晶玉をもって帰ってきた。
多分魔道具だろう。
「お待たせしました、それでは、まずはこちらの水晶に手をかざして頂けますか」
「わかった」
言われた通り水晶に手をかざした。すると、水晶が若干光を放ち、その下に置いてあったカードに何やらを刻み込んでいった。
「以上で登録は完了です。では、簡単にですが、説明をさせていただきます」
その後、受付嬢は冒険者について説明してくれた。
それによると、冒険者にはランクがFからSと存在しており、最初つまり俺のランクはFだそうだ。また、依頼に関しても、同じくランクがあり、受けられるのは同じランクかそれよりも低いランクのみ、しかも、1つ下だけだそうだ。その理由としては、例えば俺がランクCとかになって、ランクFの依頼を受けたりすると、それしか受けられないFランクの人が仕事ができなくなるというものだそうだ。まぁ、実際にそんなことをする人間はいない、何せ、ランクFとランクCでは報酬が全く違う、わざわざ低報酬の仕事を受けるやつはいないからだ。
また、ギルドカードを失くした場合、2度までは無料で再発行できるが、3度目からは1万バルトかかるそうだ。かなりの高額だから失くさないようにしないといけないだろう。
「簡単にですが、説明は以上です。なお、素材などの買い取りはそちらの窓口ですので、お間違えの無いようにお願いします。また、詳しくはこちらの冊子に書いてありますので、よくお読みください」
「わかった、ありがとう。ああ、そうだ、どこかおすすめの宿とかあるかな、この街初めてでよくわからなくて」
「おすすめですか、そうですね、でしたら、ギルドを出て右に行ったところにある銀狼亭はいかがです。ノーランさんのような新人冒険者たちにも良心的なお宿ですよ」
「ほんとに、助かるよ」
それから俺はその受付嬢、名前をヒナリさんにお礼を言ってから、買い取り受付に向かった。
「えっと、買い取りはここでいいんだよね」
「はいー、そうですよー、買い取りの量はどのくらいですかー」
なんとも間延びした言葉遣いの受付嬢だった。
「確か、ゴブリンが40匹で、スライムが25匹、後はグレイバットが50匹かな」
「ずいぶん多いですねー。解体はどうですかー」
「一応、している」
「でしたらー、こっちに来てくださいー」
別の場所で、出してほしいそうだ。
「わかった」
それから、俺は買い取りの受付嬢の後について左の扉に入っていった。
入るとそこには、1人の職人風の男が立っていた。
「おう、ターナか、なんだ、そいつは、買い取りか」
「はいー、少し多いみたいなので、こちらに出してもらおうと思って―」
「そうか、じゃぁ、後は俺がやっておくから、お前は受付に戻っていろ」
「はいー、わかりましたー、それじゃぁ、えっと、ノーランさん、このグレンさんに素材を渡してくださいー」
「ああ、わかったよえっと、ターナさん」
「ターナでいいですよー。それでは―」
そういってターナは部屋を出て行った。
「おう、ターナが言ったが、俺はグレン、ギルド専属の解体屋だ」
「解体屋?」
「ああ、まぁ、お前さんは自分でしてきたそうだが、冒険者の中には自分じゃ解体できないやつらも多いからな、俺が代わりにしてやっているってわけだ。それで、さっそく出してくれ」
「ああ」
俺はそう返事してから異空間収納から素材を次々に取り出していった。
「なっ、異空間収納だと!」
俺が、何もない空間から、素材を次々に取り出したことでグレンが驚愕に目を見開いた。
実は、俺が今使った異空間収納というスキルは、かなり珍しい、このスキルが使える人間は、過去においても数人しかいないとされているそうだ。
ちなみに一般的に使われている異空間ポーチという魔道具があるが、これは、スキル異空間収納を模したものだ。
一見すると、この両者は同じものに感じるが、実際には全く違う、異空間ポーチは、魔道具であるために誰でも扱うことができる。そのため多くの商人や冒険者たち必須のアイテムだ。そして、その容量は、大体一般的な倉庫1つと同じぐらいで、時間経過が小さいとはいえあることはある。それに対して、異空間収納は、このスキルを持つものしか当然使えないし、容量は無制限、時間経過もないと来ている。
これは相当に便利なものだ。
「まぁね。よくうらやましがられるよ」
「そうだろうな。俺もうらやましいぜ。俺なんてポーチすら買えないっていうのによ」
そう、魔道具たるポーチは高い、1つ、2万バルトもするというのだ。
これを聞くとほんとにこのスキルがあってよかったと思う。
「まぁ、いい、それで、素材だが、ほぉ、意外と解体はうまいようだな、どれも合格ラインを大幅に超えているぜ。これなら高値で買い取れるだろう」
そういいながらグレンは素早く素材の確認をしていって、何やら紙に数字を書き入れて行った。
「……よし、それじゃ、これをターナに渡してくれ」
「わかった」
俺はいいのかと思い紙を見たら、何書いてあるのかわからない。
「えっと、これは?」
「それは、暗号だ、そうすりゃぁ、冒険者が勝手に改ざんしないだろう」
なるほど、納得の答えだった。
それから、グレンに別れを告げて、再びターナのところに向かった。
「これ、グレンさんから」
「はいー、えっと、わぁ、すごいですねー……えっと、それでは、これ、どうぞ、全部で、9910バルトですー」
結構な値段になった。
そのあとは、いい時間になったということもあるので、今日はこれで、宿に向かおうと思う。




