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剣と少年  作者: 敦
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第24話 はぐれオーク再び

 グルベイズにやって来ていきなり、なぜかいちゃもんをつけてきた大男ブロスと模擬戦をやる羽目になったが、特に問題なくこれに勝利。

 それに伴い、俺の剣術スキルレベルが5であるということ、まぁ、これは自ら言ったことだからいい。しかし、ギルドマスターであるザガンにより、俺が悪魔族を討伐したことまで周囲に知られてしまった。

 おかげでこのグルベイズにいる間、多くの冒険者たちからパーティーに入ってくれといわれまくるんだろうと、少し憂鬱な気分となっていた。

『まぁ、仕方ないんじゃない。遅かれ早かれそうなることになっていたわよ』

 レーヴェにそういって慰められていると、少し興奮したサニマが話しかけてきた。

「ほんと、すごいですね。ノーランさん」

 サニマがそういって褒めてくれるが、俺はすでにレーヴェから聞いていたことがある。

 それは、サニマなら問題なくブロスを倒すことができるだろうと……。

 まぁ、ここはあえてこの場では言わないが、実はサニマ、こう見えて短剣スキルを持っていて、しかも俺と同じく5だった。

 ブロスの大剣とサニマの短剣、たとえ4と5の違いがあるとはいえ、どう考えても大剣のブロスが有利かと思うが、このスキルレベルの4と5の差というものは、この武器の差をも埋めるほど違う。

 ちなみに、俺の剣術スキルとの違いは、簡単、短剣スキルは短剣に特化したスキルで短剣以外は使えない、そして、大剣スキルも同様で、大剣以外が使えないのだ。まぁ、ブロスの場合は片手剣スキルも持っていたけどな。そして、俺の剣術スキルだが、これは、その名の通り、剣とつくものならどんなものでも扱えるスキルとなる。つまり、俺の剣術スキル5には、当然短剣はおろか大剣、片手剣とすべて扱えるという剣系の上位スキルとなる。


 とまぁ、そんなわけで模擬戦を終えた俺たちは、周囲の目を避けるためにギルドマスター室にやってきていた。

「ご苦労だったな、ノーラン」

「ほんとにな。それで、このはぐれオークはどうするんだ」

 ブロスを倒したことで、ザガンが確かめたかった俺の実力はすでに見せている。

「ああ、そいつは受けてくれると助かる」

 なんでも、今このグルベイズにははぐれオークを討伐できる人間がほとんどおらず、できる者たちも別の依頼をさせている最中なんだという。

「わかった、それで出発は?」

「こいつは出されてからだいぶたつからな、早い方がいいだろう、明日にでも発ってくれ」

「了解」

 それから、明日のための準備を整えてから、サニマに聞いた宿に向かったのだった。


 次の日、街の西門にやってきていた。

「よう、お前さんが、ノーランか」

 俺を見るなり、1人の老人が声をかけてきた。

「そうだけど、もしかしてゴードン爺さん?」

「ああ、そうだ。準備が良ければ乗りな」

「わかった、よろしく頼む」

 俺はそういって、ゴードン爺さんが指さした馬車に乗り込んだ。

 実は俺が受けたはぐれオーク討伐は、グルベイズから西に位置するサラナスという街で出されたものだ。まぁ、だからこそFランクであったブロスは受けることができなかったわけだ。

 また、このように別の街の依頼を受けた場合、場合によってはギルドが用意した馬車に乗って現地に向かうことができる。

 その場合っていうのが今回のような、ギルドから直接名指しで依頼を出された場合となる。

 というわけで、これからはのんびりとした馬車での移動となる。

 快適な旅となりそうだ。


 馬車でののんびりとした旅路の数日、道中何度か魔物や盗賊に襲われたが、とくに問題もなくこれを撃退。俺としては魔物の素材や、盗賊から得た戦利品で潤うばかりだ。

 ゴードン爺さんもさすがに冒険者ギルドが確保した御者だけあって特に慌てるわけでもなく、これらに対処してくれたのもありがたい。

 まぁ、苦労したことといえば、せいぜい、レーヴェが背中で馬車から見える景色と揺れ具合にはしゃいでおり、頭の中でうるさかったことぐらいだろう。

 と、まぁそんなわけで、俺たちはグルベイズの北西に位置する街、サラナスにたどり着いた。

「今日は、ここで泊まりだ。明日の朝またここに来な」

「ああ、わかった」

 ゴードン爺さんと別れた俺は1人サラナスの街に足を運んだが、この街は特に特色があるわけではない普通の街なので、ここでは割愛させてもらう。


 というわけで、次の日ゴードン爺さんと合流した俺は再び馬車の旅、依頼のあったゴライスト村にたどり着いた。

「ふぅ、やっと着いたか」

 グルベイズから数日馬車に揺られてようやく目的地に着いた。馬車で快適な旅だったとはいえ疲れはある。それでも、今の俺ならはぐれオークぐらいならすぐにでも討伐に行けるだろう。

「今日は、もう遅いし、村長に挨拶したら宿に向かうか」

 そう、やる気あっても時間がなかった、現在すでに夜のとばりがおり始めていた。

「俺は宿にいるからな、帰るときは声をかけてくれ」

「了解」

 村の入り口で馬の面倒を見ていたゴードン爺さんと別れ、1人村長宅へと向かった。


「……あー、あ、あなたがオークを?」

 俺を見るなり村長が明らかに落胆の声で俺にそう言ってきた。

 気持ちはわかる。

 はぐれオークは1匹しかいないといっても、オークであることに変わりない。そして、その強さは普通の村人にとっては脅威以外の何物でもない。それの討伐に俺のような冒険者になりたてのような若い者が来ればそれは不安にもなるというものだった。

「そうです。一応グルベイズのギルドから指名で来ています」

「グルベイズから! 指名! ああ、そ、そうですか、それは失礼しました」

「いえ、気にしないでください」

 それからは、はぐれオークの出現場所やその時期などの情報を聞き出し、明日討伐に向かうことを告げ宿に向かうことにした。


 次の日、俺は朝からはぐれオーク討伐のために目撃情報の場所に向かうことにした。

 その場所は、村から西に数時間という場所にある洞窟。

「ここがその場所だけど、話によるとずいぶんと前だからな、おそらくここにはいない可能性が……」

「グォォゥワァ」

 そう思っていると洞窟内からオークの者と思わしきうなり声が聞こえてきた。

「おっ、中にいるみたいだな」

『そうみたいね。それにしても、何か不快な雄叫びね』

 レーヴェはオークの声を聴いて顔はないが眉をひそめたような声を出した。

 まぁ、でも、オークがまだここにいてくれたことで、すぐに終わりそうだと思いながら俺は洞窟の中に入っていった。


 洞窟内に入って少しすると、開けた場所に出た。そして、そこにオークが1匹と数匹のゴブリンが対峙していた。

 どうやら、俺が来る前にゴブリンがうっかりこの洞窟内に入り込んでしまったようだ。

『どうするの』

そうだなぁ、とりあえず、ゴブリンが片付くのを待つか」

 そう思って、通路の陰に身を潜めながら見ていると、すぐにゴブリンが全滅した。

 もちろん、オークはほぼ無傷だった。

 そんじゃ、行くか。

『ええ』

 そこからの戦いは1言でいうなら圧倒した。以前倒した時の苦戦がまるで嘘みたいだ。

 「思ったより一瞬だったな。まさか、レーヴェを手に入れて、剣術スキルを得ただけでここまで強くなれるんだな」

 俺は真っ二つになったオークを解体しながら、自身のこの短時間で得た力に驚愕していた。

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