第10話 報告
思っていたよりも苦戦したが、ようやくオークを討伐することができた。
「とりあえず解体するか」
「そうだな」
それから俺たちはみんなで手分けしてオークを解体し、売れる素材と売れない素材に分けて行った。
そして、売れる素材を俺の異空間収納に収めてから、残りをどうするかという話となった。
「これ、どうする」
「このままってわけにはいかないよね」
「そりゃぁ、そうだろ、下手したらアンデット化するからな」
「オークのアンデットとかって、笑えない」
ケイトは、顔を引きつらせながらそういった。
「だからって、ここで燃やすわけにはいかないしな」
「そんなことしたら一気に森林火災だ」
それは目も当てられない惨状となるだろう。
「この辺りってどこか燃やす場所があったか」
俺がグロウにそう尋ねると、グロウは少し考えてから答えを出した。
「確か、ここから北に岩場があったはずだ」
グロウは事前にこの辺りの地形などを村人から聞いていた。
俺はどうかって、俺も聞いていたけど、そこまで詳しくは無理だ。
こういったことはグロウの方が得意だそうだから任せることにしている。
「それじゃ、そこまで異空間収納に収めて持っていって、そこで焼くか」
「そうだな。それがいいだろう」
こうして、俺たちはオークの死骸を異空間収納に収めて、グロウの案内で北の岩場に向かった。
「ここなら、燃やしても大丈夫そうだ」
岩場にやってきた。
「さっそくやるか」
そういってから俺は異空間収納に収めているオークの死骸を取り出した。
そうだ、ついでにほかにも燃やしておきたいものでも出しておくか。
そう思ってさらに異空間収納から、いろいろ取り出した。
「そ、そんなに、燃やすの」
俺が取り出した、量を見てみケイトが若干引いていた。
「まぁな、これまで処理しきれなかったものがたまっていたんだよ」
俺は言い訳気味にそういってから、炎属性の魔法を放った。
「……ファイア」
呪文を唱えた瞬間突き出した右手から炎が飛び出してオークなどの残骸に燃え移った。
「クサッ」
当然のことだが、今俺たちはオークなどの死骸などを燃やしているわけで、ものすごく臭い、思わずみんなでその場で飛び退った。
「いろいろ、いっぺんに燃やし過ぎたか……」
「臭いわね」
「これ、何とかならない」
「悪い、無理だ。もっとスキルが高ければ一瞬で燃やし尽くせるような魔法もできるかもしれないけど、今は無理だな」
俺たちはみんな鼻をつまみながら燃やし尽くされるのを持った。
しばらくしてようやく死骸が燃え尽きた。
「はぁ、臭かったぁ」
「今後は、気を付けてやろう」
俺はここで1つ反省した。
こうして、オークの処理を終えた俺たちは一路、サエス村に報告するために戻ることにしたのだった。
村まで帰ってきた俺たちはまず依頼人でもある村長に報告に向かった。
ちなみに、村に帰ってきた時点で村人に見つかり、すでに話しているので、村長も当然耳に入っていたが、形だけでも必要なことなので報告に来たのだった。
「おー、おー、よくぞ、ご無事で、戻られました」
村長は、ものすごく嬉しそうにもろ手を挙げて歓迎してくれた。
「ご心配をおかけしました。まずは、報告です。こちらを見てください」
グロウがそういうと俺は自身のギルドカードを提示した。
このギルドカードには以前も言ったが進行中の依頼などの情報や、討伐した魔物の情報などが記載される。
つまり、オークにとどめを刺した、俺のカードを見せればオークの討伐が一番最近の討伐として表示され、オーク討伐の依頼は完了となる。これを見せればオークを討伐したことがまるわかり、だからこそカードを見せたということだ。
「確かに、オークを討伐されたようですな。ありがとうございます」
「いえ、それで、そのオークについてですが……」
そういって、グロウは村長にオーク討伐についての詳細を話した。もちろん、この時事前に得ていた情報も開示した。
「……なるほどのぉ。ナンバルでのうち漏らしですか」
「そのようです。また、オークがいたことで、現在東側には動物などがおりませんので問題ないかと思いますが、再びオークが現れるとも知れません、ですから、東側への立ち入りは控えてください、それと、我々がギルドに報告してからとなるかと存じますが、この村に騎士が数名駐在することになるかと」
グロウは、若干申し訳なさそうにそういった。
その理由は、その派遣されてくる騎士が村にとってはよそ者であり、中には騎士であることをいいことにやりたい放題するような奴がたまにいるからだ。
「そうですか、それは仕方ないことですな」
「あっ、でも、村長さん、この村出身の騎士とかいますか」
すると突然ケイトが村長にそう尋ねた。俺は何のことかと思ったがグロウとゴラスははっとなっている。
「んっ、ああ、確か、何人かおるが、どうかしたのかのぉ」
村長もよくわからないといった感じだ。
「それなら、もしかしたら、その人たちが派遣されてくるかもしれないですよ」
「えっ」
「実は私たち、3人は兄弟なんですけど」
そういって、ケイトが俺以外を指した。
「私たちの村は以前オークに襲われて、その時も騎士がやってきました。その時にやってきたのが村の出身者ばかりで、聞けば希望者を募ったら、そうなったんだということでしたから、今回も、領主様は同じ方ですし、もしかしたら、そうなるかもしれません」
「ほぉ、それはまた、朗報ですな」
村長も少し嬉しそうだ。
「はい、といっても、確証はありませんけど」
「いえいえ、その可能性を聞けただけでもありがたいことです」
そういって村長も笑っていた。
「さて、皆さま、本日はオーク討伐、本当にありがとうございました。ささやかながら宴を用意いたしますので、どうぞご参加ください」
「はい、ありがとうございます」
それから、村の広場で宴会が開かれ、大人たちは飲んで騒いで、次々に俺たちに礼を言って来たり、子供たちもそんな大人たちに交じって大いに楽しんでいた。
そんな光景を見て、ほんとにオークを討伐出来てよかったと思う。




