【1】テーマとキャラクターメイキング
ある文章読本を読んで、自分とは違う点が多かったので、私が小説を書く手順について、自分語りをしてみることにしました。
自分語りですから「こういう方法の人間もいるんだな」と、書き方の一つとして受け止めていただければいいのですが、参考になる部分があるかは、正直わかりません。
1.テーマを決める
まず、作品のテーマを決めます。
読んでくれる方に伝えたいことは何か? というと、ちょっと堅苦しいのですが、「派手なアクションで楽しませる」とか「かわいい女の子がたくさん出てくるキャッキャウフフな作品を書きたい!」といったもので十分です。
それは「こういう要素を伝えることで、読者の喜怒哀楽を刺激する」という立派なテーマの一つなのですから。
作者が小説を書く動機、発端にあたる部分ですね。
2.主人公や登場人物を決める
テーマを伝えるのに最適な主人公を考えると、うっすらと出来上がっていることが大半です。
主人公が何を考え、物語の中でどういう行動をとるのか? という、人物としての動機付けを考えます。
たとえばアクションなら、主人公が戦う動機が必要になるでしょう。
かわいい女の子がキャッキャウフフする話なら、主人公が何をしたからモテているのか? ですね。
そういった人物の心の動きにフォーカスします。
この段階では、ざっくりとした人物設定で構いません。
主人公は、読み手が感情移入しやすいタイプに設定しておくのが無難ではあります。
感情移入しにくいタイプを主人公にするなら、なぜその行動をとったのか? という理由や動機付け、感情の導線を設定する必要があります。
知らないものやわからないことを知ることは知的好奇心を刺激しますが、その興奮や好奇心を、読んでいる間中ずっと経験すると、読み手も疲れてしまいます。なにより書き手も大変です(笑)。
ジェットコースターも、ずっと高い場所や低い場所を走っているだけでは、つまらないですよね。
これは主人公の感情の揺れ幅と考えてください。
喜怒哀楽をどれくらい表現するのか? を考えておくといいでしょう。
もちろん例外もあって、テーマを浮き立たせるため、感情移入させるために、わざと感情の揺れ幅を抑えた主人公に設定する手法もあります。
さっき感情移入させるために主人公の感情をわかりやすく設定するって言うてたやん! と思われるかもしれませんが、文章にはさまざまな手法があるのです。
たとえば『ドラクエ』などの主人公は、あまりしゃべらないし、感情を表に出しません。
これはおそらく、「主人公と同じように考えない人」も感情移入しやすくするための設計でしょう。
その代わり、周りの登場人物が代弁する仕組みになっています。
その場合に何が起こるか?
映画の『アナと雪の女王』序盤のワンシーン……アナが王子と恋に落ちるシーンを思い出してみてください。
「おんなじだね!」「私もそう思ってた!」……これです。
周りの登場人物が代弁した分、その人物が、ぐっと身近に感じられませんか?
そのキャラクターが、読み手の理解者になるのですね。
もしも周りにいるキャラクターが多くて、さまざまな考え方や反応を見せたら?
……そのうちの誰かが、読み手の感情の代弁者になり、理解者になります。「豊富なバリエーションをご用意しました!」というやつですね。
さらに、その全員に共通の敵がいたとしたら?
「私の大切なこの子に!」と、義憤に駆られる人が多いのではないでしょうか。
つまり、主人公の感情の振れ幅を減らすというのは、周りのキャラクターの魅力を見せる、関係性を構築する……という手法です。
ハーレム系作品などをみていると、この手法が使われているなと思うことがあります。
感情移入しやすい主人公を作る上で、「多く読まれたい!」と考えるのなら、マーケティング的な要素も使いましょう。
作品を発表する場所には、どんな人が多いのか? 読者層は男性? 女性? どういった作品や要素が人気?
想定読者層……マーケティングではペルソナといいます……を設定すると、さらに主人公の設定ができあがっていきます。
この部分で、主人公の履歴書を作る方もいますね。
私も長編作品を書く際には、用意することがあります。
>続きは翌日に更新します




