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【書籍発売中!】ライブラリアン〜本が読めるだけのスキルは無能ですか!?  作者: 南の月
第一章 底辺スキルの貴族令嬢

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プリン

最近私はよく厨房に遊びに行っている。

私の活動範囲は自室以外は庭と孤児院だけだったので、活動範囲が広がって地味に嬉しい。

ちなみに厨房通いのきっかけはじゃがいもパーティだ。

パーティの前にじゃがいも饅頭の皮を作れるように試行錯誤してたからだ。


料理人のラッシュは、初めての料理に興味津々でまた本で新しい料理を見たら教えてくれと頼まれてる。


この世界は(いや我が家だけなのかしら?)お茶会という社交場があるというのに、デザートはケーキ、クッキーばかりだし、ケーキも生クリームを使ったものでなくて、パウンドケーキ。

とても美味しい。

とても美味しいが、たまには…焼き菓子以外が食べたい。


思い立ったら吉日ということで、焼き菓子以外のお菓子が食べたい!そんな欲求に気づいた日から、夜寝る前の読書は、あらゆるデザートのレシピ本になった。


けれど読んでも読んでも、味が想像できずに食べたい気持ちにならなかった。

仕方ない。

なんとなくしか作り方はわからないが…作ってみよう。


厨房にて。

「プリンを作ろうと思います。」


「プリン…ですか?

どういうものでしょう?」


「卵と牛乳、砂糖を混ぜたものを石窯で蒸し焼きにするデザートですわ。

ただ、私詳細なレシピは知りませんの。

だから何度か失敗すると思うのですが、作るの手伝ってくださる?」


「そりゃ面白い。

ライブラリアンで読んだ情報ですか?」


「えぇ。でも詳しいレシピまでは載っていなかったの」


嘘だ。こちらの世界のレシピ本に載っているデザートは味が想像出来ず、作りたいと思わなかったのだ。

だからプリンは前世の知識。

詳しいレシピがわからないところを見ると、それほどお菓子作りは得意じゃなかったんだろうな。


「さて、何からしましょうか。」


「あとで焼きますから、ラッシュは石窯に火を入れてください。

使う材料は砂糖、牛乳、卵ですね。

分量が分からないので、まずは卵1個と牛乳1カップで作ってみましょ。

砂糖も…わからないからこのスプーンで5杯くらいから始めましょう」


私は、砂糖、牛乳を計量して、卵と一緒にボウルへ。

火をつけたラッシュが戻ってきて、泡立て器で混ぜる。

あらかた混ざったら濾し器で濾しながら、ココットへ。

小さめの器で4つできた。

お湯を張った天板の上にココットを並べて、いざ石窯へ!


工程だけは簡単だから出来そうな気がするのだけど…


ラッシュは火魔法使い。

石窯の管理はお手のものだ。

厨房に甘い香りが立ち込める。


ん〜いい匂い!

これはいい感じじゃない?


そう思っていたのだけど、結果としてはゆるゆるで、甘々。

失敗だ。

とろんとした食感と甘さにラッシュは衝撃を受けてたけど…まだ失敗だからね!


ゆるいのは…卵が少ないのかしら?それとももうちょっと焼けば大丈夫かな?


「ラッシュ。残りの3つをもう10分焼いてみましょ。

焼き時間が少ないのかもしれないわ。」


しかし、10分経って出てきたものはやっぱりゆるゆるだった。


「では、次は卵を増やしてみましょ。

甘かったから砂糖も3杯に減らして、焼き時間は最初と同じで。

もう一回。」


そして出てきたプリンは…ちゃんと固まってた!


「んんん!味は美味しい!

一応は成功かな。

でも、この表面のボコボコが食感と見た目を悪くしていますね…

本来は滑らかなはずです。

焼き過ぎか…それとも何か別の理由が…」


今日は急に厨房で試作を始めたからこれで終わりだ。

今から厨房は夕飯に向けて忙しくなるのだ。


「お嬢様!俺これ研究してみます。」とラッシュが言ってくれたので、一度任せることにした。

スが入ってボソボソしていたが、久しぶりのプリンに大満足だった。

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