表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった私は、全力で死亡フラグを回避したいのに、なぜか空回りしてしまうんです(涙)  作者: 藤原 柚月
第二十二章 前を向く為にも

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

235/263

死んだら……悲しいじゃないですか

 お城の地下にある牢屋に私とジョセフさんは入れられた。


 魔力封じの枷をつけられない代わりに牢屋の鉄格子には結界を張られた。


 ジョセフさんはちゃんと手当てされてるのがなによりも救いかも。


 傷だらけで放置なんてされたらどうしようかと。私の方も一応手当てしてくれたし……。


 見張り番の騎士が結界を張り終わるのを見届けたアレン様はその場から立ち去ろうとした。


 私はアレン様に声をかける。


「あの!」


 背中を向いたまま立ち止まった。


「なんで……助けてくださったのですか?」

「最初こそ、気が動転してしまったが、キースが殺す勢いだったんだ。おまえらには聞きたいことが山ほどある。死なれては困る」

「殺すって……そんなことしませんよお。聞きたいことがあるからってちゃんと手加減してたのは見てたでしゃ?」

「そう言って、拷問をかけた侍女を殺したのは誰だ。キースの手加減は手加減じゃないから信用出来ない」


 私の方を見て言わないアレン様は幼いながらも警戒しているのだと全身で言っていた。


 私の知ってるアレン様も警戒心強くて、感情を表に出さない人ではあるけど……、やっぱりどことなく雰囲気似てるのよね。


 私が初めてアレン様と会ったのは十歳ぐらいだから、それよりも童顔で背も低い。


 十歳よりも下ってことね。


 ただ、口調が多少荒っぽい所は私の知っているアレン様じゃないけど。


 立ち去る後ろ姿を見て、深いため息をした。


 見張り番の騎士はアレン様が見えなくなるまでずっとお辞儀をしている。


 完全に見えなくなってからお辞儀を止め、テーブルと椅子が置かれてある場所に移動して腰を下ろす。


 その位置は一番私とジョセフさんがいる牢屋を見渡せる場所にあった。


 まさか私が牢屋に入れられる日が来ようとは。


 人生、何があるか分からないものよね。


 ゲームのシナリオ上でも牢屋イベントはなかったみたいだし(悪役令嬢の幽閉はあるけど)。


「あっ……痛みますか?」


 子狐の姿のまま、ジョセフさんは牢屋の端っこで丸まって唸っていた。


 私はジョセフさんの元に近付く。


「平気。数日もあれば良くなる……。魔力もそのぐらいには回復してると思う」

「そう、ですか。良かった」

「数日もあれば牢屋は何とか耐えられるかもしれないからね。戻って呪いを解呪してほしいだろうが、今は……」

「呪いとはか今はどうでもいいです。ジョセフさんが生きてて良かった」


 私はジョセフさんの背中を撫でる。もふもふしているが包帯が巻かれてるので罪悪感がある。


 ジョセフさんは不思議そうに首を傾げたが、何か納得したような表情になって言う。


「……ああ、死んだら元の場所にはいけないからね」

「なんでそんな皮肉を言うんですか!? 違いますよ。死んだら……悲しいじゃないですか」

「悲しい?」

「そうですよー」


 ムゥっと頬を膨らませて言うと、ジョセフさんは「分からない」と独り言を言っていた。


 私からしたら、分からないのはジョセフさんだ。私なんかを助けた代わりに深手を負ったのだから。


 私はジョセフさんの毛並みが思っていたよりも温かくてもふもふしていて、うとうとし始める。


 今までの緊張が解けたのと、疲れが溜まってたので急に眠くなってしまった。


 パフっとジョセフさんのお腹に倒れた。微かな意識の中、ジョセフさんの鈍い呻き声が聞こえた気がしたが、起きられそうにないので、そのまま深い眠りについた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ