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【完結】乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった私は、全力で死亡フラグを回避したいのに、なぜか空回りしてしまうんです(涙)  作者: 藤原 柚月
第二十一章 悪魔は嗤う

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探してみるしかない

 見渡せないほどの霧。


 真っ直ぐ進むと大きな樹がある。幻影樹と呼ばれているその樹はとても懐かしく、温かい気持ちにさせてくれる。


 周りには光が私を警戒しながらもふよふよと飛んでいた。


 私は、この空間を知っていた。


「良かった……無事に元気になったようで」


 人影が見えたのでその人物に話しかける。その人物は私の方に向かって歩いてくる。姿がはっきりと見えた時に「無事に元気かは分からんよ」と、シーアさんは苦笑した。


「元気ですよ。だって魔力が安定してるんだから」


 私がそう言うと、シーアさんは嬉しそうに目を細める。


 姿勢を正して、真剣な表情になる私を見るシーアさんは何かを察したような顔付きになる。


「悪魔を封印する円盤ってご存知ですか?」

「知っている。それがなんじゃ?」

「……その円盤に悪魔だと間違えられて襲われました。私の中にある闇属性が悪魔に近いんだとか。それに……悪魔ってなんなのですか?」


 単純に負の感情が好物ってだけではなさそうな気もする。


 悪魔にしか分からない何かがあるのかも知れないけど、私は知りたいと思った。クロエ様に聞いても良かったんだけど……、悩みどころよね。アイリスの件でお世話になったばっかりなのに。


 それを言うならシーアさんもそうなんだけど……。


 シーアさんに相談しようと思ったのはクロエ様はゲームでしか悪魔を知らない。けど、シーアさんはゲームでは知らされてない事を知ってそうな気がしたんだ。


 シーアさんは私の質問に悩んでから答えた。


「闇は負の塊みたいなものじゃ。気を張らないと闇に呑み込まれる程の。悪魔も負なのじゃよ。人の負の感情から生まれた。だからこそ、人の感情に触れたいと常に願っておる。それが……人の心を蝕む結果となっても」

「負の感情があるからといって、何故触れたいと願うんですか? 普通なら心を閉じてもいいと思います」


 負には色んな感情があると思う。怒りや憎しみ、寂しさや孤独感……その現実から目を逸らし自分で逃げ道を作ったり。人嫌いになったりしてもおかしくないと私は思う。


「寂しさが強いのじゃ。愛情を常に求めている赤子と同じ」

「寂しさ、ですか。私は以前に悪魔に会いました。ただ……本当の姿ではありませんでしたが」

「うむ。本来、悪魔は異界にいる存在じゃ。それが何故か現れるというのは異例じゃな」

「誰かが呼び寄せた……とか?」

「……その可能性があるのぉ」


 ふと、マテオ様の顔が浮かんだが、きっとマテオ様では無いと思うのでその考えを否定するように首を左右に振った。


 マテオ様は悪魔に魅入られた人だと思う。けど、悪魔を呼び寄せる……つまり召喚だとすれば、強い恨みの念が必要になる。


 禍々しいオーラは見えたけど、まだ弱かった。召喚した人物ならばもっとオーラに呑み込まれてもおかしくはないのよ。


 多分、マテオ様は……悪魔の放つ負の気に当てられた……だけ。


「探してみるしかない、かぁ」


 呼び寄せた人がいるのなら、探してみるしかない。そう思って呟いた何気ない一言だったけど、シーアさんは険しい表情になった。


「ワシの力を少しだけ貸す。無茶だけはするでないぞ」


 諦めたようにため息を吐かれ、シーアさんの手が伸び私の手を握る。


 ゆっくりと目を閉じる。


 次に目を開けると、辺りは明るくなっており、ベッドに横になっていた。


 もう朝になっていたんだ。私は夢から覚めた憂鬱感になりながらも上半身を起こした。












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― 新着の感想 ―
∀・)お久しぶりですね。忘れてないですか?いでっちでございます。いや、忘れるワケないか(笑)たまに絡んでいるものね(笑) ∀・)最新話まで一気読みを致しました。やはり異世界転生モノとして特筆すべきは…
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