ソフィア様は頼るのが苦手なのに【ノア視点】
ソフィア様は私に軽く頭を下げてから寝室に入っていく。
扉が完全に閉まるのを見届けてから息をつく。
不意にソフィア様の「調べて……貰えますか?」という言葉を思い出して、嬉しくて顔が歪んでしまう。
ソフィア様は元々人に頼るとか、相談事が苦手な子でしたが、頑張って不慣れな相談とかしてくれてたりしてました。
ですが今回は頼まれごとですが、人に頼るのを無理に頑張っているというよりもーー信頼しているから頼みます。という意味が込められているように感じて嬉しくなってしまいます。
「ノアよ。顔がニヤケとるぞ。そんなに頼られたのが嬉しいのかのぉ? 普段から頼られとると思うが」
小型ドラゴンの姿でいる師は、私の肩にちょこんと座って青く長い髪を掻き分けながら私の顔を見る。
師であるシーアさんを見ながらも嬉しさのあまり、私は声に出して笑ってしまった。
「ふふっ。嬉しいに決まってますよ。ソフィア様は……頼るのが苦手なんですから。結構頑張って頼るように努力していたみたいですが、その姿があまりにも痛々しくて、私自身不安に思ってたんです。本当は頼りたくないんじゃないかって、そしたら……今回は私を信頼して頼ってくれたんです」
「何を、人みたいなことを」
「……人らしい感情が私にあるとは思いませんでしたけど。不思議ですよね。色んな人と関わってきましたけど、ソフィア様みたいなタイプははじめてです」
「確かにのぉ。つつけばすぐに壊れそうなのに、壊れる直前で堪え、ヒビが入った場所を別の温もりで塞いでいくのじゃ。闇属性を持って産まれた子は闇堕ちしてもおかしくないのに、一体、彼女の心を突き動かしているのは何なのか……知りたいものじゃな」
闇の力はとても強く、今まで闇属性を持って産まれた子は全員闇堕ちして闇に喰われている。喰われた子は、魔力暴走させたり精神崩壊したり……それは周りにも影響を及ぼしていきます。
繰り返すうちにいつしか、闇属性を持って産まれた子は厳重に管理するようになりました。処刑をしてしまうと魔力暴走をしてしまい、国……いや、世界が滅ぶので。
ですが、今回は……悲惨な結末が想像つかないほどソフィア様の心は強い。私はその心にかけてみようと思います。
どん底に沈んでいる闇に手を差し伸ばし、一点の光を見つけられると願って。
そのことはシーアさんも薄々気付いているんでしょう。ソフィア様を見守る瞳が温かいのだから。まぁ、本人に言ったら怒りそうなので言いませんが。
寝室の扉が開き、ソフィア様が出てきた。
そっとアイリスさんから貰ったらしき手紙と宝石を渡されました。
私はソフィア様に優しく微笑み、軽くお辞儀した後、早速調べるために寝泊まりに使っている客間に急いだ。
ソフィア様には私が護衛しなくても大丈夫なように身の危険を感じたら防御魔法が発動するように呪文をかけました。
学園外での守護魔はアテにならないので。




