表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】乙女ゲームの悪役令嬢に転生してしまった私は、全力で死亡フラグを回避したいのに、なぜか空回りしてしまうんです(涙)  作者: 藤原 柚月
第十二章 動き始めた……○○フラグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

115/263

ゲームのヒロインなんだなって改めて実感する

 女子寮の前に一人の女性が立っていた。


 女性の姿をしたクロエ様なのだが、目立っているようで通り過ぎる令嬢や令息はチラチラと見てきている。


 頬を染めて話しかける令息までいる。が、クロエ様はやんわりと交わしているように見える。


「お待たせしました!」


 私はクロエ様に声をかける。


 待ち合わせは寮前にした。朝から体調が優れない私のためにクロエ様が気遣って寮を選んでくれた。


 本当に有難い。


「気にしないでください。それよりも入りましょう」


 クロエ様は嬉しそうに私の両手を握ると歩き出した。


 さっきまで話しかけていた令息はガン無視して、だ。

 良いのだろうか……そんなことを思っていたらクロエ様は少し困った顔をした。


「心配しないでください。もう話は終わってますので」


 そう言われても……。


 令息の顔を見ると悲しげな表現をしていて話が終わってるようには見えなかった。


「……男に好意を持たれても困りますからね」

「? 男性の友情がお嫌いなのですか?」

「そういう意味ではないんですよ。恋愛としてです」


 ああ、そういう。でもなんで恋愛感情としてなんてわかったのだろう。


 勘なのかな。やっぱり。


「なんで恋愛感情としてなんてわかったんですか?」

「簡単なことです。付き合ってくださいって言われましたので」

「それでも、()()()にかも知れませんよね?」

「そうでした。あなたはそういう人でしたね」


 クロエ様は呆れたようにため息をつきながら頭を抱える仕草をした。


 私、変なこと言った!?


 不快なことだったかな。


 なぜ呆れたのか私には分からないけど、不快にさせたという事実は変わらない。


 謝ろうと口を開くと、アイリスの声が聞こえた。


「ソフィア様……と、クロエ様も御一緒でしたか」


 寮のエントランスに足を踏み入れたのとほぼ同時にアイリスがエントランスに来ていた。


 きっと私の帰りを寮の外で待とうとしていたんだ。


 アイリスだけじゃなく、他の侍女も自分が仕えてる貴族を()()()()している。


「お疲れ様です、ソフィア様」


 アイリスは私に労いの言葉をかけた後、クロエ様を見て不思議に思ったのか首を傾げた。


「クロエ様の侍女が見当たりませんが……まだいらしてないんですね」

「侍女はいません。田舎育ちなもので、雇えるお金がありません」


 アイリスは慌てて頭を下げる。「申し訳ございません」と、謝罪もして。

 クロエ様は恭謙(きょうけん)な態度で接した。


「謝らないでください。侍女が付き添ってないと不思議に思いますから」


 フォローした言葉なのだろうが、アイリスは申し訳なさそうに再度謝罪した。


「多大なご無礼をお詫び申し上げます」

「大丈夫ですよ。だからもう自分を責めないでくださいね」

「は、はい」


 アイリスは頭をあげるとクロエ様は笑いかけた。


 転生者だけども主人公(ヒロイン)なんだなって改めて実感してしまった。


 見てよ、相手に慎む姿勢が全てを物語っているわ。


 横で聞いてただけでも心に響いたもん。ホッとしたというか、胸の奥が温かく感じた。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ