81話目 妨害しない? あ~あ、言っちゃったよ
あたしとペガススさん達がダンジョンから出てくると、アカマタのチーム30人がお出迎えしてくれた。
「何よ、あんた達。またやる気?」
「へっへっへ……いいや。サボテンの邪魔はしねえよ」
「え?」
なんか変なこと企んでるわね。
「あんた達、今まで散々妨害しといて、何言ってるのよ」
「別におかしかねえだろ? お前は邪魔しないっつってるんだ」
あたしはゆかいな仲間達を見た。
「彼らはどうなるの?」
「お前抜きでダンジョンに来たら、もっと人数増やしてツブす」
「ふーん。んじゃ、今のところはパーティ組んでるから襲わないのね」
「そうだな」
スッゴくニヤニヤしてるわね。鼻っ柱にレーヴァテイン叩き込んでやろうかしら。んでも、あちこちで【衛星球】が飛んでるし。何もしてない状態でこっちから仕掛けたら、切り取って流されそうだわ。
こっちも、ペガススさんが【衛星球】飛ばしてるけど、流石に「邪魔はしない」とか言った相手にあたしから襲うのは、シックリ来ないもんね。むう、気分悪し。
「ハッハー!」
そんな陰鬱さを、タイガさんが鉤爪をガチャガチャ鳴らして吹き飛ばした。
「早ぇ話、30人も雁首そろえたクセに、シャボンと俺らを止められなかったダケだろ? だからスルーしか出来ねえってワケだ。なっさけねーなー、お前ら!」
「グッ……!」
「おう、行こうぜ」
タイガさんは、ワザと奴らの真ん中を突っ切っていった。モーセの水のごとく、ザコが両脇に退いていく。
(うちの切り込み隊長です)
(カッコいいですね)
すっかり気分を良くしたあたしは、ペガススさん達とともに後をついていった。
「それじゃあシャボンさん。僕のフレンドに声かけしましたんで、スグに来ると思いますよ」
「はーい。あ、カードの交換もありがとうございます」
「いえ、僕たちの方こそ。シャボンさんのおかげで、5人で【箱庭】なしの最速タイム出せましたよ」
「おおー」
【瓦礫の竜】ってば、人数が変わるとガラッと印象が違う敵だったわねえ。
「本当に、何から何までお世話になりました」
「いえいえ」
アキバでペガススさん達とあたしは、他の「社長の被害者友の会」のメンバーを募ってた。
んでもって。
「あ、どもー」
吸血鬼に悪魔に牛男に球体という、どー見てもワルモノなパーティから、朗らかに声を掛けられた。ペガススさん達によって本人確認もOKだし、これにて引き継ぎ完了。
「では、シャボンさんの作戦が上手くいくことを祈ってます」
「ふふふ、守護天使にお任せあれ」
ペガススさん達とお別れしたあたしは、吸血鬼さんのパーティを連れて上野に引き返した。
「ハロー、アカマタ。また会ったわね」
「サ、サボテン……!」
「今度は彼らとパーティ組んだから。まさか、今更ダメとは言わないわよね?」
「へ、へっへっへ……」
アカマタは先割れ舌でチロチロしてみせた。
「いや、いいぜ。イキがってられるのも今のうちだ。そんなに続くわけねえさ」
ほほー。侮っちゃったわね?
そんじゃま、遠慮無く。
ダンジョンに潜って、道中もサクサク。鉄巨人を倒して、滑り台へ突入。球体さんが「おあ~」ってゴロゴロ転がるのが面白かったわ。う~ん、体張ってたわね(ピヨ介も見習うべし。べしべし)。
錆のジェリー&マザージェリーも倒して、いよいよラブちゃん戦。
「あのー」
吸血鬼のリーダーさんが手を挙げた。
「シャボンさん。実は僕たち、そんなに強くないんで……」
「あ、大丈夫ですよ。【箱庭】でいきます」
「どーもでーす」
悪魔さんが【マザージェリー】のカードを取って、部屋が下降。鉄クズがガシャガシャ組み上がって、『ギャギャー』と瓦礫の竜が登場!
んでも……ごめんねー、ラブちゃん。
あたしは、すでにペガススさんから【箱庭】のカードをトレードしてもらってた。早速デッキに突っ込んでたから、今はもう準備万端。
「【箱庭】」
『ギャギャー……!』
哀れ、ラブちゃんは、1回も攻撃することなく倒されてしまったのでした。合掌。――うーん、脱法ユニット封じのために出された【箱庭】の影響を、もろに食らった竜よねー。それもこれも、緑を素通しなのが悪い、うん。
吸血鬼さん達に【瓦礫の竜】のカードをプレゼントして、ダンジョンから脱出。お次のフレンドを紹介してもらい、本人確認が出来たら、吸血鬼さん達とはお別れ。また次のパーティとダンジョンアタックへGO。
ふふふ……そう! あたしを防がないのなら、トコトンまで活用してやるわよ、え~え。




