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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
5章 マネーマネーマネー編

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78話目 落ち着いていこう

 あたしと銀ちゃんとマスターの3人は、ダンジョンの入り口まで戻ってきた。途中の道はスロープだったから戻るの大変とか思ってたら、魔法陣に乗って戻れるんだって。あー、ボス倒したら機能が変わるのね。


「気をつけるカゲよ、シャボン? カードを取り忘れたまま魔法陣に乗ったら、カードが消えるカゲ」

「あー、社長あるあるだわ」


 むしろ、利点ダケだったら悪い物食べたのか疑うトコね。


 んで、外に出るや。


「よおー、サボテン。出てきやがったな」


 また蛇たちのお出迎え。うえー、ホンットしつこいわねぇ……って、あら?


「あんた、さっき青服だったでしょ。なんで赤服に変えたの?」

「別人だよ、ボケ」


 はぁ、左様で。

 あんたたちモブ敵に割く労力なんて無いケド、一応スキャンするわ。――ん、「レッド・マータ」だって。はいはい。


(ふむふむカゲ。アカマタだカゲね)

(え? マスター、何それ)

(蛇の種類だカゲよ。さっきのがアオダイショウで、今度はアカマタだカゲ。服に合わせてるカゲね)

(へぇー)


 分かりやすいトコだけサンキューよ、蛇さんたち。


 あたしは、アカマタを指差した。


「人が違うってことは、また懲りずに挑んでくるんでしょ?」

「おう、お前は1人だからな」


 ははっ、笑っちゃうわね。影モードの銀ちゃんとマスターには、やっぱり気付いてないし。


「くたばれ、サボテン!」


 んで、1対20のバトル開始。


 ボコスカボコスカ。


「くそっ、覚えてろよ!」

「オッケー、忘れとく」


 はー、サイコロの炎が、春の陽気に適度なぽかぽか具合だわー。


「軽口言ってられるのも今のうちだぞ! お前にずっと張り付いてやるからな!」

「へー。なら、なんか株買ったら、ストップ高に張り付いてほしいわ」

「フザけんな!」


 あらあら、願望すら否定される世の中ね。とりあえず殴って退治しときましょ。ボカッとな。


(いやー、また撮影できちゃったよ)

(姿は見えないけど、超朗らかな顔が目に浮かぶわ、銀ちゃん)

(ははは。ありがとう、シャボン)

(どういたしまして。でも、正直、【瓦礫の竜】のラブちゃん戦のほうが見応えあると思うわ)

(うん、私も同感だよ。だけど、彼らの姿を余すところなく映せてるからね)

(あー)


 指名手配犯みたいに使うのね。「この顔に、ピンときたら、ざまぁ団!」って感じで。


(シャボンの無双動画は視聴者が多いからね。みんなのチェックで、「この人物はざまぁ団だ」というデータを1人ずつ蓄積していけば、上野の森の封鎖はそのうち瓦解すると睨んでるよ)

(流石ですわ、お稲荷様)

(いやいや。このぐらいは片手間だよ)


 桜の影にいた「2次元モード」の銀ちゃんは、片手だけ出してヒラヒラしてくれた。――うわー、マジでヨユーだわ、こりゃ。


 隣の桜の影からは、うれしい【完全回復】も飛んでくる。


(はいカゲ、ボクたちはこれで引き上げるカゲよ)

(マスターもありがとう。回復能力は結構メンドいから、パーティーが必須だったわ)

(そうカゲね。戦闘中のライフ回復は、大変カゲ)

(ね~)


 【完全回復】は準備30秒で、その間、あたしはダメージを負わないことが条件とかね。もっと弱い回復魔法は回復量もショッパイし、社長ってば、ゼッタイ使わせる気ないわ。


(んじゃ、銀ちゃんにマスター、お疲れさま)

(うん、それじゃあね)

(お疲れカゲ~)


 あたしたちは、再びアカマタのチームが現れる前に、現地解散をしたのでした。




 そしてもちろん、あたしの行き先は。


「みなさん! 退治しましたよ~!」


 工房「メルティングポット」への凱旋でした。いえーい!


「はい、リスリスさん。【魔化】をお返しします」

「えっ? シャボンさん、ダンジョンで手に入れたんですか?」

「エヘヘ……。リアルラックが炸裂しました」


 んでも、そのおかげで借りてた【魔化】がスグ返せたから、超ラッキーだったわ。


 その後、銀ちゃんによって動画が投稿されたみたい。コメント欄に、「なんで【パラメデス】で焼かれないの!?」とか、「武具に【防火】の【魔化】はダメだったハズだが……」とか寄せられてる。


「リスリスさん。この分だと、じきにみんな気付きますね」

「はい。量産しておきます」


 ウィンクがチャーミングですわ、リスリスさん。――おぉ、工房のみなさんも頼もしくうなずいてる。


 ならば……コチラも、張り切っちゃうわよ?






 そして、しばらくしたのち。


「ヒヒーン! シャボンさーん、僕達のパーティーを誘ってくれて、ありがとうございまーす!」

「いえいえ、ペガススさん達こそ、よくいらしてくれました」


 上野駅にて、“馬ヘッド”のペガススさん、“猪武者”のイノさん、“ぴよよ~ん”の蝶介さん、“盾張り職人”のタイガさんと合流したのでした。


「あたしの動画を見て、誰か声かけてくれるかな~って、待ってたんですよ」

「お、じゃあ僕たちがサラマンダーの夜以外では1番乗りですか」

「ですです」

「ぴよよ~ん、やったでぴよーん」


 フフフ……実は、動画の最後で、しばらくあたしは「ラブちゃん退治にハマりそう」って伝えてたの。


 この世界、同じダンジョンは1日1回しか潜れない。


 だけど、NPCは別。


「ヒヒーン、ダメ元で立候補してみて良かったです」

「こちらこそ」


 や、本来なら、あたし1人でも潜れるんだけどさ。

 ンでも、「誰かが潜ってる所に紛れ込んじゃう」のが問題なワケよ。現状だと、おそらく「ざまぁ団のパーティーが【魔化】目当てに入ってるダンジョン」に特攻しちゃうのね。

 そいつらをチマチマ潰した所で、他のざまぁ団は山ほどいるし。あたし1人じゃ、さすがにそれ全部の相手はムリ。


 そこで。


「実力がありつつ、ざまぁ団に封鎖されてても一緒に挑んでくれるパーティを期待してました。――つまり、みなさんです」

「ハッハー、照れるぜ!」


 タイガさんが豪快に笑ってた。


「だが、真っ正面から行く嬢ちゃんはスゲェな。俺らもよお、ブチかましに行くかって話をしてたんだが、報復がうっとうしそうで見合わせてたんだぜ?」

「ぴよよ~ん、言い訳乙だぴよーん」

「るせぇ!」


 タイガさんと蝶介さんによる、突発的追いかけっこ開始! ――んもー、仲の良さ見せつけるわねー、2人して。


「シャボン殿」


 あら、イノさん。


「済まなんだでござる」

「え……えっ?」


 あたしに深々と頭を下げたイノさんに、アタフタしちゃった。


「ど、どういうことですか?」

「拙者、『ざまぁ団』の悪行を知りつつ、勇気がなかったでござる。目を付けられるのが怖くて動けぬなど、武士の恥。このアバターも返上しようかと、思案していたでござる」

「あー、いや。あたしの場合、たまたま倒せるアイテムを託されたダケですし」

「されど、『倒せたあとの報復』をも乗り越えんとする気概。これがシャボン殿にはあったでござる」


 イノさんは、再び頭を下げた。


「拙者、己の不明を恥じたでござる。もっとも、ここでシャボン殿と共に挑んだとて、結局は、『シャボン殿がおらねば拙者は動けなんだ』となり申すが……」

「ん~ん、全然そんなコトないです」


 武士さんの中の人は、わりと重く考えちゃうタイプなのね。


「あたしってば、ケッコー考え無しに進むことありますし。あと、最近は慢心も反省してますから」

「シャボン殿……」

「単に、場面ごとの向き不向きですよ。――それと、こうやって挑んだときに、スグ手を挙げてくれたことって、スッゴク嬉しいです。1人で突っ込んでいって、後ろを見たら誰もいないとか、そーゆーのはツラいですから」


 ペガススさんが笑ってくれた。イノさんの鎧をポンポン叩いて、取りなしてくれる。――イノさんが時折うなずいてるから、念話を使ってるみたいね。


 ややあって、イノさんが念話を送ってくれた。


(すみませんでした、シャボンさん)

(いーえー。あ、イノさんの武士キャラ、好きですよ)

(ど……どうもでござる)


 イノさん、ペコペコ。――ヤバいわ。見た目は猪武者なんだけど、カワイイと思っちゃった。

 見た目と同じくらい、内面も重視するサボテンでございます、ハイ。






 んで。


 【防火】が掛かったペガススさんのパーティ(withシャボン)は、アカマタのチームと遭遇した。


「ざまぁ団たちに告ぐ!」


 ペガススさんが、ビシッとアカマタを指差した。


「私たちは、お前らのような悪行の集団になど、決して屈しない!」


 ――うん。もうホント、白馬ヘッドじゃなかったらキマり過ぎてるわ。魔法で顔を変えられた王子様ね。


 対するアカマタは、整った顔のハズなのに、ザコの雰囲気がプンプンするのよねー。やっぱ中身って大事だわ、ええ。


「うるせえ、かかれ!」


 敵はもっと数を増やして、30人ぐらいいた。ンでも。


「ハッハー! お前ら、俺に盾を使わせろよ!」


 タイガさんが、鉤爪でザクザク戦場を切り裂いていくかと思えば。


「ぬうん! 拙者も負けておられんでござる!」


 イノさんも、疾風怒濤の勢いでバッタバッタと敵をなぎ倒していく。――や、四肢をクリティカルで切ったら、そこが使えなくなるのね。んでもって、イノさんってば、ほぼ全員の足を切ってくんだけど。えーっと……なんか、エラソーに言ってたあたしの方こそ恐縮するわ。剣道勝負なら勝てる気しないわよ。


『クソッ! てめーら目ぇくらめ!』

「ぴよーん、ソレはダメだぴよよ~ん」


 敵のヤバい魔法は、蝶介さんが【中止呪文】でカット。雰囲気はゆるいケド、戦場全てに目配せしてるカットマンね。


「ぴよぴよ~ん? 【閃光】の前にセリフを吐くとか、青相手に笑わせるぴよん」

『フザけっ……ぐあー!』


 蝶介さんに煽られた敵は、タイガさんの爪さばきによって退治された。ドヤ顔のタイガさんに対し、蝶介さんはお澄まし顔。――なんやかや言って、コンビネーションがバッチリなのよねえ。


 あー、あたし? あたしは、ペガススさんを守って後衛にいました。

 ほとんどあたしの出る幕なく、敵は速やかに全滅。


「ヒヒーン。はい、みんなお疲れ様~」


 素早くダンジョンへ潜ったのち、入り口付近でペガススさんが、仲間1人ずつに【完全回復】。


「いやー、君たちが頑張る! 僕が癒やす! いいチームだよねー」

「待てオイ、なんか腑に落ちねえなァ!?」


 タイガさん、すっごいよく分かるわ。

 あれだけ大見得切ったチームリーダーが、後衛で回復オンリーだとか。


「うぇー? でもさあ、僕の役割は大事だよ? ――ですよね、シャボンさん」

「ん……ええ。トテモ大切ダト思イマス」

「ほらね?」

「腑に落ちねえんだよ!」


 ――このパーティー、オチはついてるわね。

春の陽気に変える呪文です。


【防火/Resist Fire】

レベル2・白魔法/コモン

分類:防御

効果:炎系のダメージを1にする。

「少し落ち着こう。大ヤケドをする前にね」

    ――ジャスティアの憂国の士

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