表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
5章 マネーマネーマネー編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/93

76話目 1人で倒せるもん(フラグ)

 銀ちゃんは、超高度から軽やかに降りてきた。


(それじゃ、私は撮影係に徹するよ)

(ボクも黒子に徹するカゲ)

(うわー、みんなしてあたしを前面に出すわね)

(いやいや。私は、シャボンがヘルプして欲しいのなら、ほどほどに手助けするよ)

(ボクも手伝うカゲ)

(ありがとー。でも大丈夫よ。ちょちょいのちょいで倒してみせるわ)


 あたし達3人は、銀竜のひそむ近未来的なダンジョンへと潜っていった。

 そもそも、あたしダケだとNPCだから、ヘタしたら「奴らが追ってこれちゃう」のよね。なので、誰かと一緒に入るのは超大事なの。


「そろそろカゲ、シャボン。敵が出てくるカゲよ」

「オッケー」


 いつの間にか《影形態》を解いてたマスターは、銀ちゃんと一緒に後ろを歩いてた。あたしが銀竜のダンジョンは初めてだから、極力情報をセーブするようお願いしてる。


「ハハハ。私が思うに、シャボンは苦労するよ」

「はい銀ちゃん、ウルさーい」


 こーゆーコト言うしねー。銀ちゃんってば、ゼッタイ推理小説で「あ、犯人コイツだよ」とか口出しするタイプだわ。


 人工的なクリーム色の通路を進んでると、ガチャガチャと金属音がしてきた。ふむふむ、ならばコチラも準備ね。


「カモン、【メリッサ】!」


 4体のハチ少女を召喚。シグマちゃんとタウちゃんを先行させて威力偵察よ。ふふふ……倒しちゃっても構わないのよ?


「む」


 稼働音が騒がしくなってきた。ほおほお、青銅のゴーレムね。なんかちょっと速いけど、このダンジョンの仕様なんでしょ。


「シグマちゃん、タウちゃん、かかれ!」


 2体で一気に膝関節を狙わせた。フフーン、これで《麻痺》発動……あれ?


「止まって、ない?」


 ガチャガチャガチャガチャ!


「ヤバッ!」


 こっち来た! うあー、レーヴァテイン準備!


 バコーン!


 寸前で用意して叩きのめせた。ふー、アブなかったー。

 見ると、通路の先から次々と高速ゴーレムがやってくる。うわーっ!


「ちょっとは手加減しなさいよー!」


 ゴガンゴガン叩いてると、後ろで呑気に銀ちゃんが話してた。


「ほらね、マスター。シャボンのことだから、【メリッサ】で刺そうとするって言っただろう?」

「駄目カゲよ、銀狐。彼女は初めて挑んでるカゲ。トライアンドエラーの最中に、揶揄するのはイケナイんだカゲ」


 あぁ~、マスターの優しさが身にしみるわ~……。あ、銀ちゃんはクソ。


 ともあれ、なんとか敵の猛攻を撃退できた。なおも通路を進むと、先で折れ曲がってる。そーっと顔を出してみたら、曇りガラスの自動ドアがあって、そこがシュッと開いてはゴーレムが出現してた。


「あの奥が広間ってトコね」


 ボコスカ叩いて、勢いよくドアを入っていく。


「ごめんくださーい! ――おおっと」


 そこは、中央に舞台のある、巨大なコンサートホールだった。


 ふむふむ、おっちゃんが好きそうな歌唱スポットね。周りの騒がしいギャラリーさえいなければだケド。

 客席に座っていた自動人形たちが、ガチャガチャ襲ってくる。座席を飛び越えて高速で迫ってくるけど、お生憎様。


「こっちは飛べるのよねー」


 ジャンプしてくる人形ズを、上空からポカポカ叩くことしばし。

 舞台中央が左右に割れて、バカデカい鉄の巨人が下からせり上がってきた。


『グモーッ!』


 両手でガッツポーズをしてるので、その間にスキャン! ――はーい、「鉄巨人」で確定ね。


「あら?」


 特徴で、《金剛無比》とかいうのが掛かってるわね。


(ねえ、マスター。金剛無比ってどんな効果?)

(防護点が10点つくカゲ。削れば0になって、ライフが減り始めるカゲよ)

(ふ~ん、少しカタいのね)


 ま、鉄だしイメージ通りだわ。


(それとだカゲ、コイツの《金剛無比》は、一定時間が過ぎるとまた復活するカゲよ)

(バリアーみたいなモンね)

(その理解でオッケーだカゲ)


 とか言ってる間に、鉄巨人の指先が、シュゴーッとミサイルのように飛んできた。ほおほお、指鉄砲ですか。


「んでも、ちょっとノロいのよね~」


 難なく回避よ。ひょい。


 ……とか思ってたら、あたしを器用に追尾してくる。


「あれ?」


 ドカーン。


 ふ、ふふふ……。ま、まあ、1発ぐらいは……アラ?


 近くに迫ってた他の指鉄砲も、次々と真っ赤に光る。


「え! ちょ、ま……!」





 ドドドドドドドドドカーン!





「ま、た、かー!!!!」


 1発ヒットしたら、連鎖爆発で10連発とかね! 【紅玉アリ】の巣で山ほど食らったわよ、ええ!

 【防火】のチョーカーがあったから、10点で済んだケド、メリッサ・シスターズは全滅しちゃった。うぐぐ、ちくせう……。


 見ると、巨人の指はスグ復活してた。自動人形ズも色々出てくるし……えーい、このポンコツ機械ドモめ!


「シャボン、怒りモード発動!」


 そりゃもー、天使だって不動明王になるわよ。くわっ!(目を見開く)


 片っ端から叩き壊して、鉄巨人に接近! 指鉄砲をドカドカ食らいつつも、《金剛無比》を剥がしてからレーヴァテインで殴って一撃! ふはー、ストレス解消! 【痛打】様々だわー。


「ところで、銀ちゃん。姿が見えないけど、ドコいったの?」

(マスターの隣だよ)


 ホールの隅で、腕だけ出して手をフリフリしてた。――あ、輪郭が白い。マスターの影より、場所が分かりやすいわ。


(私も【影形態】を入れてきたからね。しっかり観戦させてもらうよ)

(はいはい。カード回収お願いねー)


 たしかにあたしってば、「社長のアトラクションを全力で楽しみたいから、手出し無用!」とか言ってたもんね。

 1ステージ目では【メリッサ】が不発だったケド、立て直しはヨユーよ。この分なら、手助けナシで頑張れそうだわ。


 ホールの敵を片付けると、入ってきたのと反対側の自動ドアのランプが赤から緑に変わった。なるほど、これで通れるようになったみたいね。

 奥はスグ階段になってた。とりあえず一歩踏み出す。


 シュッ。


 段差が消えた。


「え」


 滑り台へ移行。


 シューッ!!!


「うわあああああーっ!」


 このダンジョン、何よーっ!?


(いやー、初見の人は、みんなコレ引っ掛かるよねー)

(んー、趣味に走ってるカゲねえ)


 ぐはあ、マスターまで楽しそうだし!


 すごい速さで滑り落ちていった先は、ゴミゴミした鉄くず置き場だった。


「ぎゃー!」


 叩きつけられそうになるのは飛んで回避! ――え~え、コレぐらいは分かったわ。ダテに何度も社長のワナ食らってないわよ? 自慢じゃないけど。


 広さは、さっきのホールほどあった。だけど、どことなく湿気てる。


「ん?」


 錆びた鉄の周りに、【ジェリー】に似た生き物がいた。ほおほお、赤くなった色違いかしら。とりあえずポコスカ殴る。


(あーあ。やってしまったね、シャボン)

「なによー、銀ちゃん」


 不穏なんだけど……って。


「うぎゃー! レーヴァテインがボロボロ!?」


 ウソッ、どーして!?


 パニック状態で赤い水玉をスキャンした。えーっと、「錆のジェリー」、4/4/4。特殊能力が……武具を錆びさせる!?


「いやー!!」


 錆のジェリーたちは、ズザザザザとあたしに向かってくる。


「ヤバい! やめてー!」


 ちょっと! コレ直るわよね!?


 これ以上レーヴァテインが朽ちたらコワすぎるから、インベントリに引っ込めた。そんでもって、【ヘパイストス】で頑張る! スグ朽ちちゃうから、さらに【ヘパイストス】!


「銀ちゃん! マスター! ヘルプミー!」

(おや、シャボン? 私は「ちょちょいのちょいで倒す」と聞いたよ?)

「悪かったわよー!!」


 でも、そーゆー揚げ足取りって、本性分かるわよ、銀ちゃん! 覚えときなさい!?


(ボクが直すカゲ)


 マスターは、素早く量産型の杖を【修理】してくれた。


(はいカゲ、これで上限値も復活したカゲよ)

「ありがとう、マスター!」

(レーヴァテインも修理するカゲか?)

「お願い!」


 はぁーん、癒やしの存在だわ、マスター!


 すぐにレーヴァテインも【修理】してもらった。もちろん、即行でインベントリへと収納ね。攻撃は量産型レーヴァ一択です!

 錆のジェリーを叩くたびに朽ちていって、ダメージが与えられなくなると【修理】のルーチン。


 しばらくしたら、巨大な水玉が出てきた。――ん、「マザージェリー」ですって。特殊能力は無しね。


 スパーン!


「はぁ……ボスの方が楽チンだわ」


 その後も、武器が朽ちては修理を繰り返したのち、なんとか敵を全滅させた。


「うえぇ……肩がスゴくこったわ」

(お疲れさまカゲ、シャボン)

「これは、1人じゃダメだったわね。ありがとう、マスター」

(どういたしましてだカゲ)

(おや、シャボン? 私へのお礼は?)

「はーい、ありがとう」


 こっそりと【治癒】を飛ばしてくれてたもんね、銀ちゃんも。


(だけどね、シャボン。撮影スタッフは、極力手助けをしないのが望ましいんだよ)

「あら。じゃあ、この回復は?」

(ステージの切り替わりだから、時間短縮のためだね)

「――ふふっ」


 本当にピンチなら、戦闘中も【治癒】してくれそうだけどね~。


(さあ、シャボン。次はいよいよ、銀竜がいるフロアだよ)

「ええ」


 思いあがるのはダメね。謙虚が大事だわ。


 あたしは、1枚だけ取らずに放置されてた【マザージェリー】のカードを手に取った。


 グゴゴゴゴ……。


「はいはい、お定まりの強制移動ね」


 フロア全体が下へとそのまま降りていく感じ。ここ自体が巨大なエレベーターだったのねー。


 ドズウウゥウン。


 下への重力を感じる。どうやら着いたみたい。


「さて、どんな竜かしら」


 すごい機械っぽい奴? それとも、まさか水銀みたいな液体の竜?


 その直後。


 単にオブジェだったハズの鉄くずが、ガシャンガシャンと組み上がっていく。


「おおー」


 始めっから見えてたというパターンね。フッフッフ……【骸骨竜】で経験済みよ!


『ギャギャー!!』


 禍々しい鉄の骨格と翼を揃えた竜は、激しい金切り声を上げた。

シャボン的に、ここまでのダンジョンで1番キツかった敵を載せておきます。


【錆のジェリー/Rust Jelly】

レベル3・赤魔法/コモン

分類:召喚(ジェリー)

攻1/速1/生1

サイズ:小

能力:武器に触れるたび、上限値を1ずつ下げる(上限値が0になると破壊される)。

能力:防具に触れるたび、防護点を1ずつ下げる(防護点が0になると破壊される)。

「体がサビついちまったら、錆のジェリーに取ってもらえ」

    ――ドワーフ鉱夫たちのジョーク

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ