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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
5章 マネーマネーマネー編

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72話目 「○様」な女

 グラマーな悪魔ちゃん(中の人は男)と話し終わったあたしは、【開始】して再び喫茶店を訪れた。


「どもー」

「おう、遅かったな」

「実はね、ちょっぴりツンデレ女王様とチャットしてたの」

「何? というか、ツンデレ?」


 アイスの顔に、疑問がいっぱい浮かんでるわね。

 そこへ、マスター・カゲがコーヒーカップを持ってやってきた。


「はいカゲ、シャボン。サイフォンで淹れたカゲよ」

「おおー。ありがとう、マスター」


 砂糖とミルクを入れてからゆっくり飲むと、甘くてコクがある。


「ん~。指パッチンで出たものより、断然コッチの方が美味しい!」

「良かったカゲ。銘柄はグアテマラだカゲよ」


 マスターってば、全身灰色なんだけど、スゴく嬉しそう。


「アイスや銀狐は、出しても全然感動がないカゲ」

「あー、なんか分かる」

「おい、ヒドイ言い草だな」


 おっちゃんもコーヒーカップに口をつけてた。


「で、シャボン。さっきの女王の話だが」

「うん。えっとね、『ここに来ない?』って勧誘したんだけど、振られちゃったわ」

「あー……まあ、立場が違うしな」


 銀髪をかくおっちゃん。――てか、やっぱ当然のように女王の背景も知ってるのね。


「おっちゃん達は、女王がざまぁ団だからって排除しないの?」

「お前、俺たちをなんだと思ってるんだ」


 おっちゃんが呆れた顔であたしを見た。


「ストレーションのチームは例外だ。むしろ、あんなふうに追放できる奴が少ないぜ。――みんな、色んな事情があってマホロバをやってるからな」

「そうカゲ。ちなみにボクは、珈琲を淹れれたらそれで幸せカゲ」


 みんなで笑ったあと、あたしはエラッタについて聞いて、日が変わる頃においとました。




 その後、あたしはプライベートルームで再びBotモードとなり、【死の群れ】を買い漁ることにした。


 ふんふ~ん、この前は50円ぐらいまでのを買い集めてたもんね。今日はハッピーな気分だし、100円までにしましょっか……って。


「アレ……? 500円?」


 あらヤダ、もしかして「値段が高い方から」でサーチしちゃってた? ――うぅん、違うわね。やっぱ「安い方から」よ。

 何の気なしに、「高い方から」に変えてみた。


 30000円。


「エェーッ! さんまんえん!?」


 サンマじゃないわよ!? 三万円って、あーた!!


 すぐ次の価格を見ると、流石にケタが違ったから、ネタで売り出してたんでしょうね。――けど、その後も、5000円とか4000円とかいう値段がゴロゴロ出てくる。


「あ、あばばばばばば……」


 恐ろしいけど、見ないのもコワいわ。


 次々ページをめくって、なんとか最終ページまで辿り着いた。そこの【死の群れ】は大体600円で、最後の値段は550円になってる。――ん?


「さっきの売れてるし!!」


 ウソッ! 500円って安かったの!? たった数日で浦島太郎じゃない!

 えーい、何があったのよ!? いったい、何が……!




「あ」





 あたしは、ゆっくりと部屋の天井を仰いで、ふーっと息を吐いた。


 ――ねえ、エイホウさん。


『はい』


 この24時間以内に出来た掲示板のスレッドで、【死の群れ】と、「あたし」について話してるのを調べて。


『検索中……該当するものを発見しました』


 うん。ありがとう、エイホウさん。


 あたしはその掲示板を開いた。



 ◆



【女王バチと】天使様を愛でるスレ5【お呼び】


 全壊のあらすじ

「芝の女王に勝っちゃったよ、○様」



球体

やっぱヤバいな、○様……

〖オーメン〗で振る直前に刺してるし


あの御方の実力がこれほどとは、この李白の目をもってしても(ry


妖精

うるせーよFUSHIANA

つ【閃光】


目が、目がぁああああ!

【目つぶし治療】⊂


エルフ

じゃけん、【中止呪文】させてもらいますねー


2対1とは卑怯なりー!

うごごごごご


球体

つーか、木が目つぶし食らうなとw


妖精

○様、コエーわ

【死の群れ】の操作がキレッキレ


エルフ

《麻痺》、100発100中だっけ?


球体

だな

女王が【絶滅】撃ったから、まず確実


妖精

その後の32戦も、刺すたびに《麻痺》させてたもんな


どういうことなの……?(困惑


エルフ

当たるとほぼ詰みのファン○ル×4


球体

ユニット改造もスゴすぎる


妖精

誰がやったんだ?

女王みたいに、本人か?


イヤ~、喫茶「火トカゲ」の、人影でしょ


球体

(審議)


エルフ

(有罪)


無念ー!(切腹


妖精

はよ伐採されろw


エルフ

○様なら、めるぽ行ってる所を見たぞ


ガッ


球体

めるてぃんぐぽっとだよw


知ってるw 言いたかった


妖精

うるせーな、この木はw


エルフ

多分、そこで製作してもらったと思われ


流石だな、○様


球体

もしそれで合ってるなら、持ってる【死の群れ】をメリッサに変えてもらうか


妖精

さっき価格見たら、【死の群れ】値上がりしてたぞ


mjd?


エルフ

あー、そりゃあの戦いぶり見たら、そうもなるか



 ◆



 あたしの名前が巧妙に伏せられてたけど、芝の女王を倒したってところで確定ね。

 そして……案の定というべきかしら。価格高騰の原因は、誰あろう、あたしだったわ。


「あはははは……。こんなに騰がるなら、もっと買っとけばよかったわね」


 なーんて言ってられるのも、最初のうちだけだった。


 ジリッ、ジリッと安い【死の群れ】が買われていき、次第に売り値が吊り上がっていく。


「あれ……? なんかコレ、人気化してる……?」


 ふと思いついて、イーちゃんが使ってた呪文価格を調べてみた。【絶滅】やら【魔力制御:黒】やら、どれも値段が上がってる。〖オーメン〗は売り出されてないけど、代わりに【パラメデス】がゴリゴリと買われてる。


「うわ~……。まるっきり、株だわ……」


 ――そう。これって、株とおんなじなのよ。


 いいなあと思った呪文カードが、買われる。そうでもないカードは、売られる。


 で、芝の女王とか、あるいはあたしが使ってて結果を残したカードは、人気になる。そりゃあもう、エグいぐらいに。


 ひととおり調べて、再び【死の群れ】をチェックしてみた。


「ひぇ~……1000円」


 いやいやいやいや。でもコレ、アンコモンよ? レアじゃないし。

 流石にあたしは、この値段じゃ買わないわ。スルー決定よ。


 朝になったので、ネットで鮭定食を取り寄せることにした。――ん、インベントリにランチョンマットがあって、広げたら「食事にしますか? YES/NO」って出てくるのね。すごいわ文明の利器~。ほい、イエスっと。


「では、いただきます」


 おはしで鮭を切り分けて、パクリ。


「美味しい!」


 50円とは思えないハイクオリティ! 太らないし、ここってコスパ最強じゃない? ちゃんと味もするし。

 しっかし……マホロバ・ライトでコレってことは、リアルだとどんだけ再現してるのやら。怖いわ。


 もぐもぐタイムでパクパク食べて、見事完食!


「ごちそうさまでした」


 ランチョンマットを畳むと、「食事を終えますか? YES/NO」の文字が。はい、大変おいしゅうございました。――おお、マットごと消えたわ。


「さて、と」


 朝食もいただいたし、Eクンの様子が知りたいわね。今日は休日だし、誰かいるかもしれない。――そうそう、あの掲示板の4人もいるかもね、ふふふ。


 あたしは新宿西口から【開始】すると、東口の工房「メルティングポット」へと飛んでいった。


 はてさて、何人いるかな~っと。


「――え」


 そこには、メチャクチャ大勢の人が押し寄せていた。

 多分だけど、100人ぐらいはいそう。


「ええ~!?」


 ヤッバ……。人気の度合いをナメてたわ。

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