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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
4章 悪魔との戯れ編

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69/93

66話目 666には∞をブツけよ

 その後は、女王様バスターズの悲鳴をBGMに、ペガススさん達の冒険譚を聞いてた。


「ふふふ……。実は僕たち、昨日は【大地の竜】がいるダンジョンに潜りましてね」

「え、見つけたんですか!?」

「ぴよよ~ん。お空の上にあったぴよーん」

「はぁ!?」


 の竜でしょ!? 社長、頭おかしい!


「拙者たちも、捜索隊のおかげで判明したでござる」

「オゥよ。つーか、巨大な雲の中にバカデカい城があってな? ソイツが、雲ごと動いてやがったんだ。分かるか、あんなモン!」


 はー、このビルも飛ばしてたし、なんとかと煙は高いところが好きよねー。――ってか、所在地が長野県の軽井沢とか! わっは~、スゴ~イ、軽井沢は浮遊都市だったんだ~。




 おバカ!!




 で、例のごとく、難易度は結構なオテマエだったもよう。


「僕たちが行ったら、兵士がわらわら出てきて大変でしたよ」

「オゥ。城内は呪文が使えねえとかでよお、ウゼェのなんのって! さらにウゼェのは、奴らの盾な! 盾使う人間とか、クソだ!」

「ぴよよーん、ブーメラン乙だぴよーん」


 そして始まる、蝶介さんとタイガさんの突発バトル。うわーい、仲いいわねー。


 ちなみに中ボスは、稲妻をまとった【雷の戦乙女】って天使だったとか。


「僕らの飛び道具は、ことごとく落とされましてね」

「拙者が刀で切ったら、電撃を食らったでござる」


 呪文を封じた上で、こーゆーユニットを配置。ん~、実に腐ってるわー。


「あ、じゃあ皆さん、色んなカードをゲットされました?」

「左様でござる」

「僕たちも、初見のカードがありましたよ」

「見せてください!」


 つい最近まで、みんな知らなかったダンジョンでしょ?

 女王様を打倒できるカードがあるかも!


 みんなの解説付きで、色々とテーブルに広げてもらった。ユニットが多かったけど、目を惹いたのはそれ以外の銀魔法2つね。



・【千里眼】:レベル2。スロットのカードを1枚見られる。

・【機敏】:レベル4。領土呪文。ユニットの速度を+2。



「ん~、とくに【機敏】! これ、強いですよね!」

「ええ、速いですもんね」


 うんうん、速さisパワー! あ、そうだ! 


「〖ナイン・エレメンタル〗と一緒に使ったら強いんじゃ!?」


 言った先から、次のチャレンジャーさんが実行してた。蛇ヘッドさんが、予め【機敏】を張って女王様とレッツ対戦。

 だけど、【絶滅】を撃たれて一気に退治されちゃった。すかさず【魔法霧散】で【機敏】も消される。


 んー、4体をなんとかバラバラに操作できればねえ。でも、精霊って丸っこい玉だし、ムズいのかも。


 蛇さんも、なんとか【機敏】を張り直すんだけど、そうすると、女王も【祝福】を張るのよねー。そして、〖オーメン〗炸裂。ぐふぅ、チャンピオン、防衛成功なり。


 お次は、盾張りを続けて、その合間に【千里眼】を撃ちまくるネズミさんだった。――ふむふむ。情報収集は大事よね。


 ネズミさんは負けちゃったけど、白馬ヘッドのペガススさんが、ニカッと笑ってみせた。


「実は彼、僕が【千里眼】をプレゼントしたフレンドでして。今、〖オーメン〗を見たって報告が来ました」

「おぉー!」


 スゴいわ、ペガススさん! ネタでリーダーやってるダケじゃなかったのね!


 ネズミさんから、『動画を投稿するまで公にしないのなら、OKですよ~』って条件で、一緒に教えてもらった。いや~、感謝しきりだわ~。

 そして得られた悪魔のヒミツが、これ!



・〖オーメン〗:黒のレベル6。ダイス3つを振って出た目の分だけダメージ。



 ほおほお、これが女王様の脱法呪文だったのね……って、アレ?


「ぴよよ~ん、どうしたでぴよ~ん?」

「あ、蝶介さん。――えっと、この〖オーメン〗ってカード、確かに強いですけど、でも、理不尽じゃあないなって」

「ぴよん?」

「例えば……〖ナイン・エレメンタル〗なんて、999が4体とかで、どー見ても正規に採用されるユニットじゃなかったですよね?」

「あー、確かにぴよん」

「だけど、この〖オーメン〗は……もうちょい正規呪文の強さがインフレしたら、出てくるかもな~って思える強さなんですよ」

「ぴよよ~ん、面白い視点だぴよーん」

「ハッハー! だが正論だ。単に勝つダケなら、ダイス30個振っちまえば楽勝だもんな!」

「ですよねー」


 ――でも、その場合は、絶対ここまで盛り上がらなかった。『呪文がスゴいだけ』って言われたと思う。


 あたしは、〖オーメン〗のレベルを指差した。


「この『6』も、かなりオカシイですよね」

「ですね」


 ペガススさんは白馬ヘッドでうなずいた。


「シャボンさんの言う通りです。【パラメデス】はレベル3だから、ソレより上のレベルならOKなハズですね」

「そうなんですよ! つまり、ゲーム的な有利さダケなら、絶対『4』にするべきなんです!」

「でも……6を選んだ」


 世界をブチ壊す呪文じゃなくて、世界の可能性を広げる呪文だわ、コレ。


 あたしは、ダイス3つで挑戦者を退ける女王様に目をやった。


「多分、彼女は……すっごい好きなんだわ。この世界が」




 ちなみに、肝心のイシュタール女王陛下だけど。


『ホホホ……。お主ら、今宵はお披露目の初日ゆえ、さしたる対策も出来なんだようじゃのぉ?』


 とうとう100連勝されちゃいました。ぐはぁ。


『戦いによって得た知識もあろう。妾への対策として、好きに活用せい』


 画面越しの女王様は、握り拳に黒いオーラをまとわせた。


『では、明日まで息災での。サラバじゃ』


 パッと手を開いて、〖オーメン〗炸裂。大画面の映像が、派手なクラッシュ音のあと真っ暗になった。スグに自動修復されたけど、そこに女王様の御姿は無し。――ンまー、オシャレな退場ですこと。(あ、〖迷宮〗の「【終了】させない」って効果だけど、オフにしてるからね? もしオンにしてたら、追放されたざまぁ団と同じだし。デメリットだけ享受してますわー、ハイ)


 観客さんたちは、興奮冷めやらぬ様子で去っていった。称賛する人、苦笑する人、そして……打倒に燃える人。つまりはあたし。

 チームのみんなは、用事があるとかで次々帰ってて、テーブルにはリーダーとあたしダケだった。


「ペガススさん。女王戦の映像データ、本当にいただいちゃっていいんですか?」

「ええ、もちろん」

「ありがとうございます!」


 【雄蜂の斥候】の録画データをコピーしてもらった。オマケに、女王様を想定したデッキレシピやら、さっき話し合ってたメモも込み。はー、ありがたやありがたや。


 あたしはもういっぺんお礼を言うと、早速自室にこもって特訓することにした。




「――うーむ、勝てそうで勝てないわ」


 〖デス・エレメンタル〗の代わりとして、あたしは【死の群れ】を喚びだし、自在な操作を練習してた。

 んで、折角《麻痺》とか持ってるから、これが決まれば優位に立てるかもと思って、自分を実験台にしてプスプス刺してたんだけど……。


「ビーちゃんズの動きが、ちょっと止まるのよねー」


 そう。

 蜂の針は、お尻にある。つまり、《麻痺》を使うなら、一旦お尻を前に向けるモーションが必要なの。

 その動作の遅れって、女王様が相手だと致命的。


「むー、《麻痺》の連続攻撃とか、イケると思ったのにー」


 現状だと、ヨユーで【絶滅】を撃たれる未来しか見えないわ。南無南無。




「気分転換!」


 落ち込むだけなら動くわ!


 ということで、Eクンのいる工房、メルティングポットへとやって来たのでした。新宿東口で近いしね。


「ハロー、Eクン」

「あ、シャボンさん!」


 嬉しそうな顔で駆け寄ってくる、機械の美少年こと、E-MIXクン。うんうん、なんだかこっちも嬉しくなってきちゃうわ~。これだけでも来て良かったわね。


 Eクンが、あたしの手をグッと握ってきた。


「僕、完成しましたよ!」

「へ?」


 目、きょとん。


「えっ、何が?」

「いただいた【死の群れ】を、アレンジしました!」

「――おっ、おおぉー!!」


 え、でもあげたのって昨日よね!? 速くない!?


 奥の作業机で、リスリスさんが苦笑してる。


「Eクン、アイデアが湧き出たそうですよ? 細かい修正も入れると、20体以上作っちゃったみたいです」

「うわー」


 ――天才が、進むべき道を知ったって感じね。


「シャボンさん! 早速、召喚してみてください!」

「わ、分かったわ」


 Eクンの勢いにお姉さんタジタジよ。――えっと、ここも工房だから特区扱いよね。スロットに入れれば、即・召喚可能、と。


 指先が緑に光り、スグに弾ける。正規呪文の【死の群れ】は、30cm大の蜂が4体飛んでたけど。


「おぉっ!」


 現れたのは、緑の髪をなびかせた、凜々しい少女たちだった。

 Eクンが誇らしげにほほ笑む。


「ハチの擬人化です」

「ひゃ~ん、カワイイ~!」


 こないだ社長が見せてた【鈴蘭】ちゃん達みたいね。それを、うまくハチに当てはめてるわ。み~んなおそろいで黒と黄色の帽子を被ってて、4本の手の1つに槍を持ってる。


「Eクン。この子達って、スピアで攻撃するの?」

「はい。《麻痺》もコレで行いますよ」

「大胆に変更したわねえ」

「あー、えっと……」


 ん? Eクンが顔を伏せてる。


「そのぉ……お尻の針で攻撃は、擬人化すると、ちょっと……」

「ああー、そうよね」


 アララ、Eクンってば顔が真っ赤。むふふ、純情ねえ。

 でも、それをデザインに落とし込むときは一心不乱なんだから、アーティスト魂ってスゴいわ。


 ――ん?


 今……何か、スゴク重要な変化があった気がするわね。


 元々は「お尻の針」だった《麻痺》攻撃を、「スピア」にした……?


 あたしは、ブルリと武者震いをした。


 もしかしたら……ううん、コレって絶対そうよ。




 勝ち筋が見えた。

女王陛下のデッキにあるオーメンが見られたので、載せておきます。



〖666/Omen〗

レベル6・黒魔法/脱法呪文

分類:一般

効果:キャラクターを対象としてダイス3個を振り、出た目のダメージを与える。

「神はサイコロを振らない? なら、俺が振るよ」

  ――イカサマ師

666/350

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