62話目 パネル・DE・クイズ ~30にアタック!~
あたしと子供達は、すっかりアフロ先生(6才)のワザに翻弄されていた。
「シュッシュ……よく見ておくっシュ」
あ、今度は園長がパネルを用意したわ。「15」って書いてあるから、耐久力は15点ね。数字パネルは、今までも何度か使ってたから知ってる。
「ゴロリンチョっシュ~!」
先生が3個のダイスを振った。出目は3、4、2で9。
ドゴーン!
衝撃波とともに、子供達の大歓声! うわーお、パネルが半壊してるじゃないの!
「シュシュ~……15が出てたら壊せてたっシュね」
うひゃあ、どのサイコロもダメージあり!? 強くない!?
園長は、もう1枚「15」のパネルを用意した。すかさず鬼六先生もダイス3つを手に出すと、よーく振って、ゴロリンチョ!
吹き出しの出目は8だった。
「おっと、低いっシュ」
鬼六先生ってば、さっきから出目がチョイ悪いわね。
だけど、威力はケタ違いだった。
ズゴゴゴゴーン!!!!
え!? 全壊しちゃったし! なんでさっきより威力がスゴいの!?
「さて、みなしゃ~ん」
興奮冷めやらぬ子供達に、鬼六先生はVサインでダイス3個を挟んでみせた。
「今から先生たちが、『30』って書かれたパネルを並べるっシュ。みなしゃんは、あらかじめ魔色とスロットを変えたっシュね? では、『30』のパネルを壊すにはどうすればいいか? それが、問題っシュ!」
おお~、まさかの「パネル・DE・クイズ」! 「30にアタック!」ってトコね。
カエル園長と赤鬼先生が、子供1人1人のためにパネルを出していった。ってか、柏手を打って地面を叩くと、ボコボコ生えてくるし。学園はマホロバの中でも特区らしいから、色々と自由がきくのね。おっちゃんの酒場と同じだわ(あっちは企業マネーの力っぽいケド)。
「うりゃー!」
早速男の子たちが、【パラメデス】でダイスをコロコロしてた。でも、やっぱり手で転がすのは「1つ」のみ。3や5の出目で、ドゴッと凹んでるだけだわ。しかも……アララ、すぐさまパネルは再生しちゃってるし。
「クソッ!」
「おい、みんなでブツけよーぜ!」
「よーし!」
ふむふむ。男子グループは、同時アタック作戦ね。火力を集めて一斉攻撃! いいわ~、お姉さんそういうの好きよ?
対する女子グループは、まず作戦会議から入ってた。
「サイコロで1番大きな目は6だよね」
「うん。全部6でも、5個いるよ?」
「先生は、3個出してたわね」
「ねえ、最後に3つ振った出目って、『8』だったよね?」
「あれ、あたしも気になった」
はーい、あたしもあたしもー……。いや、便乗じゃないわよ? ほほ笑ましく見守ってたダケよ?
――そう。鬼六先生は、「8」の出目で、「15」のパネルを壊した。
もしかして……ダメージを2倍に出来る?
「あ」
あたしはキョロキョロ見回した。ラビちゃんは今、ハスキーちゃんと一緒のチームでアイデア出し中。あ~、そうよね~。こうやってみんなで試行錯誤する楽しさは、何物にも代え難いものよね~。
だから、あたしが言っちゃあダメ!
でも、言いたいっ! ロバの耳~!!
てなわけで、アフロ少年の元にダッシュした。
「あの、鬼六先生!」
「お、告白っシュか?」
「ないです」
「即答!?」
「はい」
笑顔でバッサリ。先生涙目。
「む、むごいっシュ……」
「それで先生、みんながやってるクイズ、あたしもやってみていいですか?」
「お姉しゃん、切り替えが早すぎるっシュ……」
「あ、子供たちが授業で入れた呪文リスト、いただけますか? 独自にやりますんで」
「はい……OKっシュ……」
快諾してくれた鬼六先生から、子供たちがセットしていた呪文データをもらった。
ふむふむ、魔色だけど、赤だけ3で、黒、緑、紫、銀、白が1ずつ……って、いかにも練習用って感じねー。そのわりに、エゲつないほどお金が掛かってそうなんだけどサ。
「あのー、鬼六さん? 【魔力制御】8枚を子供の数だけとか、よくこんなにお金ありましたね」
「チチチ、ここはマホロバ特区っシュよ? ここでは、外に出せないダケで、データとしてなら何枚でも使えるっシュ」
「へ~、そんなワザが」
そういや、先生に付与されてる魔法もシークレットにされてたわ。特区の中で権限持ってる人に逆らったら一瞬でオシマイね。
「シュ~……。コモンなら鬼六もかき集めたっシュけど、さすがにパラダイスデッキはお金が掛かったから、省エネっシュ」
おっと、サラリとデッキ名が。――ふむふむ、鬼六先生が愛用するぐらいに強いのね。で、このリストは授業用のカスタマイズ、と。【パラメデス】が1枚だけだもんね。本来は、絶対4枚のハズだわ。
「よし!」
名探偵シャボンが、いっちょ解いてやりますか!
ダイス練習用のデッキです。
黒1(+1) 12枚
【闇の衝撃】×4 ・瞬間。攻撃のヒット時、2倍ダメージ。
【悪魔の契約】×4 ・要空き1枚。好きな1枚のクールタイムを解く。
【タナトス】×4 ・瞬間。2マナ回復。黒呪文を使った直後のみ使用可能。
緑1(+1) 12枚
【中和】×4 ・キャラ1体の状態を元に戻す。
【エロス】×4 ・瞬間。2マナ回復。緑呪文を使った直後のみ使用可能。
【無垢の鳥】×4 ・1/1/1《飛行》【魔力の絆】。
赤3(+3) 4枚
【パラメデス】 ・射撃。ダイス1個振って出目分のダメージ。
【連撃】 ・攻撃付与。次の打撃が2回になる。打撃後に消える。
【三連撃】 ・攻撃付与。次の打撃が3回になる。打撃後に消える。
【痛み止め】 ・常動。ノックバックを防げる。
銀1(+1) 3枚
【暗視】 ・付与。暗がりでも視界がきく。
【衛星球】 ・1/1/1《浮揚》《視覚共有》。
【連動】 ・条件と呪文を指定する。条件が成立したとき、指定呪文が発動する。
紫1(+1) 1枚
【魔力視覚】 ・常動。呪文準備中の光を見たら、呪文名が分かる。
白1(+1) 8枚
【魔法霧散】×4 ・付与魔法、もしくは領土魔法を1つ解除する。
【光】 ・光を出す。
【防火】 ・防御付与。炎のダメージを1にする。
【祝福】 ・付与。対象のキャラが用いる、確率系事象の効果が最高になる。
【治癒】 ・回復。X点回復。Xは魔色の2倍まで。
特技 16枚
【呪文の達人:黒】 ・常動。対応する色の魔色が1上がる。枚数上限は、アバター本来の魔色まで。
【呪文の達人:緑】 ・同上。
【呪文の達人:紫】 ・同上。
【呪文の達人:銀】 ・同上。
【呪文の達人:赤】×3 ・同上。
【呪文の達人:白】 ・同上。
【魔力制御:黒】 ・常動。1枚ごとにその色の呪文コストが1安くなる。(最低1マナ使う)
【魔力制御:緑】 ・同上。
【魔力制御:紫】 ・同上。
【魔力制御:銀】 ・同上。
【魔力制御:赤】×3 ・同上。
【魔力制御:白】 ・同上。
計56枚
※鬼六より:
4枚の空きスロットは、【悪魔の契約】用っシュ。
1枚しかない魔法は、これを使うと早くもう1度使えるっシュよ。




