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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
4章 悪魔との戯れ編

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58話目 ほんとにスゴい人は、スゴさをアピールしない

 おっちゃんの先導で大門へとワープしたら、グレーのスーツに身を固めた銀狐ぎんこが出迎えてくれた。


「やあ、シャボン。アイスから話は聞いたよ」

「――今も撮影してるんでしょ、銀ちゃん」

「もちろん」


 スッと上に向けた指の先には、“銀色のセパタクロー”こと、【衛星球タクロー】が。


「専属カメラマンとして、バッチリ勇姿を収めるからね」

「うわー、光栄だわー」


 こんな余裕のあるやりとりも、冒険者さんたちがラビちゃんを救ってくれたからこそよね。感謝しきりだわ。


「天使しゃ~ん」


 おっと、ちっちゃな男の子3人組がいるし。ファン? ――ンなワケないか、危険な現場だもんね。


 と、すると。


「冒険者さん……ですか?」

「シュシュ~、そうっシュよ~」


 6才ぐらいの黒人少年が、サッと握手してくれた。


「大半のざまぁ団員は、鬼六たちで片付けたっシュ。お姉しゃんには、メインディッシュを残してるっシュよ~」

「ありがとうございます」

「おぉっと、お礼はいいっシュ。代わりに、このあと夜の街でどうっシュか?」


 あはは、やっぱ中の人は年上だわ。――あ、両脇からペチッて叩かれてる。ネズミ少年(4才)と、猫少年(10才)にね。


 でも……やっぱ強そうには見えないわ。杖でポカポカ出来ちゃいそうなんだけど。


(ねえ、銀ちゃん。この子たち、どれぐらい強いの?)

(マホロバ・リアルで5本の指に入るよ)

(え? 全員が?)

(私の知る限りだとね)


 ひょえー、人は見かけによらないわ。――あ、そっか。アバターだもんね。外見でアピールする必要がないのよ。


 最初のおふざけ以外は、極めて紳士的だった彼らの誘導もあって、すんなりと目的地に辿り着けた。


「んじゃ、鬼六たちは戻るっシュ。シャボンさん、幸運を祈るっシュ」

「お疲れ様です」


 3人はすぐに【終了】していった。なんでも、リアルでも案件があったのに、急遽来てくれたとか。本当、ありがたいわ。

 ――あと、それをスグさま彼らに伝えられるおっちゃん達もね。何者よ、マジで?


 すでに敵はアジトから追い出し済みで、あとはボス1人。今は、他の冒険者さんたち(推定30人)が、芝公園へと誘導してた。


「お前ら、俺らが何したっつーんだよ!」


 あ、全身青い悪魔がワメいてるわ。


「ウサギ少女と仲良く遊んでたダケだろ!? くそっ、何か証拠はあんのかよ!」


 はいはい、キャンキャン吠えてる悪魔をスキャンね。――ん、名前はストレーション。コイツで確定だわ。


 時たま、長いツメの先が光るんだけど、そのたびにシュルシュルっと立ち消えてる。冒険者さんたち、ありがとう。社長がやったみたいに、【中止呪文】で消してるのね。


 天使のあたしは、堂々と悪魔に歩いていった。


「ストレーションって言うの? あんたが誘拐したのね」

「うるせえ、サボテン! 勝手についてきたダケだ!」

「彼女と連絡が取れなかったわ。フレンド登録してたのに」

「知らねえよ! ガキの都合なんざなぁ!」


 うわー、これだけやっといて責任逃れとか。見苦しいったらありゃしないわ。


(シャボン)


 おっちゃんが念話してくれた。


(構成員から十分ウラは取れてる。好きに料理しろ)

(ありがと、おっちゃん)


 ンじゃまあ、こうしましょっか。


 あたしはレーヴァテインを悪魔に向けた。


「アンタ、〖強制終了〗で敵を追い返すのが好きみたいね」

「はぁ? それがどうした」

「編集映像の中だけで勝利宣言するとか、虚しくならない? それこそ、ガキでしょ」

「くっ……テメェ!」


 悪魔が呪文を唱えようとするけど、やっぱりかき消されてる。


「あらあら……おしゃべり中に行儀が悪いわね」


 あたしは、呆れたように肩をすくめてみせた。


「いいわ。終わり方って大事じゃない? だから、チャンスをあげる」

「なんだと?」

「もしアンタが、あたしをガチの勝負で倒せたら、強かったって事実が残るわ。どう、勝負する?」

「――ケッ。どうせ、周りの奴らがよってたかって妨害するんだろ」

「しないわ」


 てか、最初っからその気なら、とっくに始末つけてるだろうしね。


「さあ、どうする?」

「――確認だが、俺かお前、どっちかがマホロバを離れたら、残った方の勝ちなんだな?」

「ええ、そうね」


 悪魔は口角を大きく上げた。


「いいぜ、やってやるよ」

「OK」


 すぐに悪魔は【闇】を張ってきた。けど、こっちも【光】で応戦。すかさず消しておく。


「ちぃっ!」


 相手の指に銀色の光が集まる。【敏速】ね、はいはい。こっちもやっとくわ。――あ、次もおんなじ? はいはい。

 んでもって、悪魔は黒い翼をバサッと広げた。


「ハハハハ、空中戦ならちょっとは知られてんだ!」


 ふーん。


「オラッ、サボテン! かかってこい! 何回でも後ろをとってやるぜ!」 


 ――【中和】で速度リセットしてやろうかと思ってたけど、予定変更ね。


 あたしもファサッと純白の羽を出した。


「今から飛ぶわよ」

「おう、来やがれ!」


 あ、フォークみたいな武器構えてるわ。飛び上がった所を刺す気まんまんね。


 ――かすりもしないわよ、バーカ。


 《天使の翼》で急上昇! そこから、ひねり込んでバックを取る!


「なっ!」


 悪魔は慌てて振り向いた。


「す……少しは、やるじゃねえか」

「予告したわよ」


 杖を自分の手にペチペチと当てる。


「そんだけ目をひんむいてたのに見失っちゃった? あらあら、危ないわねえ。お空を飛ぶ免許、返納する?」

「お、俺は空中で強えんだぞ!?」

「あ~、うんうん。誰も『強い』って言ってくれないから、自分でアピールするしかないのよね」

「んな!?」

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