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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
4章 悪魔との戯れ編

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55話目 迷子の兎ちゃん

 カエル園長との念話が終わった直後、あたしもラビちゃんに念話をとばしてみた。


(ラビちゃん。シャボンだけど、今どこにいるの? 園長さんが心配してるわ。連絡して)


 正直、念話の繋がってる感じがない。


 ――ヤバいわね。心配してる園長さんを無視するような子じゃないもの、ラビちゃんは。

 まだ、マホロバにいるんでしょ? 絶対、何らかのトラブルに巻き込まれてるわ。


 何かきたらすぐ分かるように、頻繁にメールもチェックしてた。


「あのお、シャボンさん」


 そのとき、工房の入り口から、作業員の猫さんが手紙を持ってきた。


「さっき、ファンって方が、渡してほしいってコレを」

「え?」


 慌てて開くと、こんな内容だった。




『シャボン様へ


 投稿動画を見て、とても感激しました。

 大地の竜を《力場》の中で回避する様子は、まさに芸術的でした。

 骸骨竜も、小さな女の子1人をつれたまま倒すなど、スゴいと思います。


 けれども、対人戦はどうでしょうか。


 社長を倒されておりましたが、やはり彼の場合、マホロバ・リアルのほうを倒してこそでしょう。

 本日22時、千葉の御宿海岸にて、対人戦の極意を伝授したいと思います。どうぞお1人で来られてください。

 女の子も、観戦を熱望しているみたいです。


 熱烈なファンより


 P.S 〖迷宮2・倒れた冒険者〗という呪文が、脱出を許さないみたいです。お気を付け下さい。』




 渡してきた猫さんに詰め寄った。


「あの! この手紙を渡したヤツって、どんな感じでしたか!?」

「え? いや、可愛いネズミの少年でしたけど……」

「どっちに行きました!?」

「す、すぐ【終了】してました」


 くそっ、アバターなんて作り放題だものね! 多分、そのキャラは2度と使わないわ。


 もういっぺん、手紙を見た。


 ――最後のほう、「女の子も観戦を熱望」? これって、ラビちゃんのこと? 行かざるを得ないわね。〖迷宮2〗とかいう、心配に見せかけた脅しも入れてきてるし。


 あたしはまず、リスリスさんに近寄った。


「あの、Eクンのことをお願いします。決して怪しい人についてかないように。『あたしの知り合い』とか名乗って近付いてくる場合も、まずはあたしに念話してください」

「分かりました」


 表情を見て察してくれたらしい。


「シャボンさん。何か、大変なことが起きたみたいですね。――Eクンは、『メルティングポット』が責任を持って守ります」

「お願いします」


 あたしが出会ったフレンドの中で、ラビちゃんとEクンは、直接攻撃力の低い方から1位2位だもんね。他にスゴい所はいっぱいあっても、敵の悪意をしのげないのは致命的。

 深く頭を下げたあたしは、すぐに念話した。


(おっちゃん。ラビちゃんが、〖迷宮2〗とかいう脱法呪文に捕まったわ。知恵を貸して)

(――分かった)




 まずは【終了】して、魔色を青7黒1に染めて、【瞬間移動】を突っ込んだ。そして30分経過。【開始】して新宿西口に出る。


(よし、指示通り本社前に来たな)

(ええ)

(――うむ、OK。今から〈水玉アクア〉がお前を襲う)

(社長の本体の姿ね)

(ああ。適当にいなしつつ、【闇】を張れ。そうしたら、そのタイミングから数秒だけ、喫茶店のガードを緩める。ワープで入ってこい)

(ラジャー)


 すぐに上空から、ふよふよとスライムのアバターが落ちてきた。義肢を伸ばして攻撃を仕掛けてくる!


「おっと!」


 なかなかの猛攻をレーヴァテインで受けつつ、黒魔法を展開。【闇】に紛れて、今度は40枚ほどスロットからカードを抜いて【瞬間移動】。無事に喫茶「サラマンダーの夜」へとダイナミック入店を果たした。


「よく来た、シャボン」

「ありがとう、おっちゃん」

「マークされてるだろうからな、お前は」


 【瞬間移動】……出来れば、こんな使い方で役立たせたくはなかったわね。


「にしても、おっちゃん、入念なチェックねえ。単に尾行を振り切るだけなら、田舎に行って【瞬間移動】でもOKだったと思うけど」

「逆尾行を仕掛けた」


 うぉう。

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