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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
3章 新たなる野望の画を描く編

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50話目 メタゲームの読み合い

 ――さてと、社長の領土の【島】だけど、おっちゃんのオカゲで予習はバッチリよ?


『シャボン。領土はツブせ』

『いえっさー!』


 ええ、基本はどシンプル。消すだけよ。


『あ、でもおっちゃん。社長には【中止呪文】があるんでしょ?』

『そうだな。無策で【魔法霧散】を撃っても、絶対にキャンセルされる。だから、【島】以外なら、攻撃しながらスキを見て消せ』

『【島】だった場合は?』

『その領土は、飛んでるキャラと水のキャラだけが攻撃できるってヤツだからな。飛んで攻撃しろ。その間に消せ』


 ラジャーよ、おっちゃん。


 あたしはアイスを一瞥したのち、まずは【巨大な盾】を唱えた。向こうも初手は【巨大な盾】。あら、意外に慎重ね。

 常動の【魔力視覚】に切り替えて社長を見てみると、緑のオーラがぼんやりと出てきた。――ふむふむ、青に加えて緑で来たワケね。


 あたしは次に【敏速】を唱えた。社長の2手目は【衛星球】の召喚。


 ――え、銀色? 動画撮影かしら、余裕あるわね。


 もういっぺん【敏速】を唱えながら、あたしは社長に襲いかかった。


『おっちゃん、攻撃タイミングはいつがいい?』

『速度が2上回ったら行け』

『OK』


 駆けてく途中で、バサッとテイクオフ!


「へっ」


 社長は【中和】を撃ってきて、速度はリセット。――ンでも、構わずつっこむ!


 ガチィン!


 レーヴァテインの一撃が、ナイフで受けられた。その後の連続攻撃も全て止められる。


「ねえ、社長! 武器の重さが違いすぎると思うんだけど!」

「はっ! クリティカルで止めると衝撃はねえんだよ!」


 やっぱウソ臭いわー。【武器の達人】シリーズで補正も効いてるし、クリティカル防御ならオールOKって仕様とか。


「あとな、こりゃただのナイフじゃねえ。グラディウスってんだ」

「そりゃどーも! あたしの杖はレーヴァテインよ!」


 すぐに【魔法霧散】で【島】を解除した。


「さあ、堀は埋めたわ、社長!」

「おぉー、やるなぁ!」


 不意打ちの投げナイフをギリギリでかわす。


 ――社長の武器がナイフってのも、おっちゃんが教えてくれたわね。


『シャボンの杖と同じで、投げては回収するハズだからな。【魔化】で強化もしてるだろうから、1回食らうと12、3点のダメージだ。絶対に止めろ』

『ええ』


 投げたスキを狙って、レーヴァテインを叩き込む!


 ぼぐぉ!


 社長は勢いよく後退した。


 ――予習の効果が出てるわ。おっちゃん、ありがとう!


「くくく……」


 社長はくしゃりと青髪をかいた。


「一夜漬けのおベンキョーか、天使? 【島】の対策といい、ナイフの回避といい、昨日の骸骨竜を知らなかった奴の動きじゃねえな」

「相手を知って対策するのは、ズルじゃないわよね?」

「おうとも。メタこそ面白いぜ」


 あたしが【加速】を2回使うと、社長はまた【中和】で消してきた。フム、「+2」になると消してくるのね……おっと。


 風切り音がしたので、振り向きざまにナイフを弾く。あたしに刺さることはなく、社長の手に戻る。


「あたしも【忠誠武器】は知ってるわ」

「へっ、サボテンだけあって、時間はタップリあったようだな」

「ええ、そりゃもう」


 本体がそうだしね。


 後ろを向いたスキに、社長はさらに距離をとってた。


 あら。じゃあコレね。


 あたしは【武装解除】を唱えた。社長のナイフを落とさせて、攻撃系の付与も30秒停止。


「このまま押し切らせてもらうわよ?」

「ほぉ」


 【忠誠武器】で回収した社長が、再びナイフを投げてきた。軽く弾いて杖で殴りかかる。


 ――いけるわ!


「へっ」


 その直後。


 社長は、ものナイフを投げてきた。


 ――ヤバッ!


 パリィン! カカカンカンカン! ザクッ! カカカンカンカン!


「うぐっ……」


 初撃は【巨大な盾】が、次からは【武器の達人】の補正で防御ができたけど、1本食らっちゃった。焼けつくような感触に、慌ててステータスを確認する。




 体力:51/64




「ぐぐっ……、13点?」


 え、ただのナイフでしょ?


 刺さったナイフを【魔力視覚】で見てみた。




名前:グラディウス赤銀白

【火炎武器】

【鋭利】

【神聖武器】

【忠誠武器】

【刻印】




 うげっ……てんこもり!?


 つまりコレ、今投げたナイフ全部が【魔化】されてるってこと!?


 お腹のナイフを引き抜いてインベントリに放り込んだ。社長と他のナイフの斜線からも外れる。

 案の定、悪ガキ社長は次々とナイフを【忠誠武器】で回収していった。


「おう。グラディウスが1本だけって、誰が言った?」

「この……金満社長め」


 すぐに【加速】を使って「+1」状態にする。


「ククク、よけろよけろ」


 殺人鬼社長は、1本2万円ぐらいのナイフを雨あられとブン投げてくる。


「社長ー! 金持ち攻撃はヒキョーよー!!」

「ハッハー、サイコーのホメ言葉だぜ」


 真正面に相対して、落ちたナイフの位置も確認。ときおり【闇の精霊】で闇を作ってくるけど、すぐに【光】でかき消して視界を確保。【巨大な盾】に【魔力の盾】も張って万全。


 ――落ち着きさえすれば、ナイフ攻撃は直線よ。全部かわせるし、止められる。


 あたしがニラむと、社長は不敵に笑った。


「へっへっ……いい目だ。生きてやがる」

「社長もね」

「あとは、近寄ればリーチの差で勝てる……そんなトコかな?」

「ええ、そうよ」


 ナイフは全部手で投げてるもんね。


「手を叩き潰せば、あたしの勝ちだわ」

「ほお、この手をか」


 社長は指先に黒い光を集めた。魔法名は【生け贄】。


 ――え、ユニット? 何を出してきても1撃なのに?


 あたしのフシギそうな顔が分かったのか、社長はスッと上に指を伸ばした。


「あのな……予想がつくってことは、当然、対策もしてきたんだぜ?」


 直後、バサリと巨大なユニットが現れる。


「黒魔法レベル3、【生け贄】。こいつはユニット1体を捧げることによって、スロットにある好きなユニットを出せる魔法だ」

「あっ……」

「お前のデッキに【箱庭】がなさそうだから、ちょいと喚んでみたぜ」


 空には、威厳たっぷりのスカーレットちゃんが。


『アンギャーオ!』


 ぐはっ……やられた!

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