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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
3章 新たなる野望の画を描く編

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47話目 大人買い40箱

 多分だけど、あたしの動画がメチャクチャ再生されてるってことは、注目度が高いハズ。つまり、今のあたしの価値は、勢いも込みでいったら相当ある。

 それに、社長からしたら、手塩にかけたペットをやられた憎い相手だもんね。


 けっこー失礼な文章だったかもしれないケド……あたしは目的を達成したい。


 しばらくして、返事がきた。丁寧な感謝文とともに、なんかのアドレスが書いてある。――なになに、ここで詳細をお話ししましょうって?


 エイホウさん、このアドレスって何?


『専用チャットです』


 ほおほお、なら行きましょう。ポチッと。


 その途端、VRを開始したとき耳にした声が聞こえてきた。


『おお、来たか』

「あなたが……カルイザワ社長ですか?」

『そうだ。初めましてだな、シャボン』

「ええ」


 あなたにとってはね。


「早速ですけど、文面は見てくれましたか?」

『ああ。だがアレは、どっちで戦うんだ。リアルか、それともそっちか』


 はぁ? 現実でファイトするワケないでしょ。――ってか、あたしサボテンだし。


「当然コッチです。コッチで1対1のバトルをやれば盛り上がりますよ」


 社長の「はっ」という笑い声が聞こえた。


『面白い奴だな。――いいだろ、明日の正午は空いてるか?』

「大丈夫です」

『じゃあ、新宿の本社前でゲリラバトルだ』

「ありがとうございます! 必ず倒します!」


 社長は大笑いした。


『このクビ狙ってる奴は山ほどいるからな。そうカンタンには死なねえぜ?』

「じゃあ、あたしがもらいます」

『おう、楽しみだ』


 通話は終わった。


 ふーっ……。


 あたしはイスに座ったまま、指を組んで前に伸ばした。


 さすが社長、すぐに決めたわね。


 今、午後6時。残り18時間。


「Eクン、あたし、ちょっと用事ができたから帰るわ」

「え? ――あっ、すみません、シャボンさん」

「いーのいーの。Eクンの世界が見つかってよかったわよ」


 あたしは工房のみんなにも挨拶したのち【終了】した。

 プライベートルームで、販売できたものを確認すると、半分ほどのカードが売れてる。


「ポイントは、6万弱ね」


 ふふふ、ユニットの価値が大・復・活! 嬉しいわ~。


 次にあたしは、【開始】して、喫茶「サラマンダーの夜」に行った。


「こんばんは、シャボン」

「銀ちゃん、ずっといるのね」

「君もね」


 ほほお、返されたわ。そう言われると、確かにそうなんだケドさ。


「シャボン」


 テーブルにはおっちゃんもいた。


「社長との対決は、どうなった」

「ええ、バッチリよ。明日の正午、本社ビルの前で勝負の約束」

「まったく……。お前の周りの時間は速いな」


 おっちゃんは苦笑してた。


「で、ここに来たってことは、社長対策か」

「その通り!」


 ズビシッと、人魚ちゃんを指差した。


「社長相手には万全を期したいの。あたし、今から『箱』でカードを買うから、おっちゃん達には、足りないカードをトレードしてほしいんだけど」

「なるほど。ついでにデッキ構築もやるってコトか」

「ええ」


 千載一遇のチャンスだものね、必ずモノにするわ。


 銀ちゃんがパチンと指を鳴らして、テーブルをもう1セット出してくれた。

 あたしはそこに座り、購入画面で「箱」を39箱買う!


「おーっ」


 おっちゃんたちの驚きの声。ふっふっふ……もう貧弱な少女とは呼ばせないわよ?


 あたしは、ドン、ドン、ドンと、3カートンをインベントリから机に出した。そこに、残り9箱と、そしてカエル園長からもらった1箱を追加!


「しめて……40箱!」


 うは~~~! 大人買い、超気持ちいいっ!!


 本当は、もうちょっと地道にやろうかと思ってたんだケドね。社長との戦いが決まったのに、出し惜しみして負けるとかサイテーよ。一生後悔するわ。


 あたしはカードの確認作業を行っていった。――あ、インクの匂い、ちょっと気持ちいい。園長の言うことが分かっちゃったわ。


「シャボン」


 おっちゃんが口火を切った。


「魔色だが、何色にする」

「ん~……社長がいつも、何色を使ってるか分かる?」

「まず間違いなく『青』だな」


 腕組みするおっちゃんの言葉に、銀ちゃんもうなずいた。


「青で染めるか、あるいは『2×4』かはムズカシイ判断だけどね」

「ああ、カメラの前で戦ってるのが驚くほど少ないせいだな。おそらく、応用の効く『2×4』だと思うが」


 ああ、『Two-by-four』ね。ラビちゃんがネイティブ発音してくれたデッキだわ。


「おっちゃん。それって、魔色2を4色そろえて、使える魔法を突っ込んだヤツよね?」

「そうだな」

「なんで青は確実だと思うの?」

「そりゃあ、呪文を拒否するカード、【中止呪文】があるからだぜ」


 え?


「それ、強すぎない!? 脱法カードなみのヒドさよ!?」

「弱点はある」


 おっちゃんは人差し指を立てた。


「キャンセル系魔法は、相手に触れているか、もしくは呪文の光が見えていることが必要だ。さらに、相手が唱え終わるまでに【中止呪文】を唱えることもせにゃならん」

「ねえ。【中止呪文】を【中止呪文】で消すことはできるの?」

「できるぞ。【中止呪文】の発動自体は一瞬だが、キャンセル系魔法には残滓が設定されてるからな。たいてい1秒だが、そのタイミングで使えばいい」


 ほおほお。


「あたしも、その【中止呪文】を唱えられる?」

「まずムリだ」


 ぐはぁ。

青の呪文を載せておきます。



【中止呪文/Cancel Spell】

レベル2・青魔法/アンコモン

分類:瞬間

残滓時間:1秒

効果:準備中か、もしくは残滓状態の呪文ひとつを不発にする。

「あたしの前で、魔法が使えると思わないことね!」

    ――スラヴェナ、イェーディル国第三王女

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