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サボ天使、ガチャVRに人生極振り! ~デッキを組んで強くなる世界で、魔法カード0枚からの成り上がり!~  作者: ラボアジA
3章 新たなる野望の画を描く編

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43話目 機械くん、再び

「シャボンお姉ちゃん。本当にいいんですか……?」

「うん。【骸骨竜】のカードはラビちゃんが受け取って。あいつのカラクリには、ラビちゃんが気付いたんだから」


 あたしは、カードをしっかりと手渡した。


「ラビちゃんは、とっても目がいいのよ。授業でも、後ろ側で補助呪文を使うと、誰よりもうまく【巨大な盾】が張れてたもの」


 ――そう。このVR、ターゲットの指定は自力なの。だから、キッチリと相手を確認して、それから魔法を撃たないといけないワケ。


 大ちゃん戦で、おっちゃんがアッサリと【巨大な盾】を使ってくれたもんだから、誤解してたわ。瓦礫やら岩やら、ジャマなターゲットが山ほどあるなか、動き続けるあたしに100発100中で撃つとか! あれって、とんでもないテクだったのね。


 あたしはラビちゃんの頭をなでなでした。


「他の子たちは、後ろ側のとき、大変そうだったじゃない? 間違えて、相手の前側の子に【巨大な盾】を使っちゃったりとか」

「でも……あたしは前だと、ダメージが与えられなくて……」

「ん~ん。今回はお姉ちゃんが前だったから、前は関係ないわ。後ろのラビちゃんが、たくさん助けてくれたから、竜が倒せたの」


 ギュッと抱きしめてあげた。


「途中で【清掃】してくれて、毒も治してくれた。【毒牙】の使い方も教えてくれたわ。もちろん、【巨大な盾】を何度も張ってくれたしね」

「お姉ちゃん……」

「これは、ラビちゃんが頑張ってくれたおかげ。他のみんなだと、ここまで上手くは出来なかったと思うわ」

「――ありがとう、お姉ちゃん」


 ラビちゃんは、やっぱり照れてた。う~ん、カワイイ。持って帰りたいわ~。




 骸骨竜のダンジョンを徒歩で出てくると、豪華客船海ほたるの上で、数人のアバターが騒いでた。


「おい、何度目だよ! 盾が遅いんだよ!」

「す、すみません……」


 首振り人形みたいに黒髪が揺れてる。――あれ、こんな光景、見たことあるわよ?

 こっそりスキャンすると、こないだの機械クンだった。


「E-MIXクンじゃない、ヤッホー」


 軽く手を振ると、「あ、シャボンさん!」って、パッと顔が明るくなった。うおぅ、紅顔の美少年。エイホウさんといい、最近の機械はスゴいわねえ。


「E-MIXクン。そっちは何かあったの?」

「えっと……。僕が、こちらの人たちに迷惑を掛けちゃって……」


 見ると、3人とも女の子で、猫耳、ネズ耳、犬耳だった。


 ――でも、口調は男だったわね。


 猫ちゃんがE-MIXクンに尋ねてる。


「おい、エミックス。あの天使さんと知り合いかよ?」

「い、一応……」

「マジで? じゃあ、チームに引き入れてくれるんだったら残ってていいぜ」


 ――え? 何言ってんの、コイツ?


「だ、ダメですよ」


 E-MIXクンは、首を横にブンブンと振った。


「そのときも、僕が助けてもらったダケですし……」

「はぁ? なんだそりゃ。じゃあもういいや。パーティから抜けてくれ」


 うわあ。何よ、その言い草。


 猫は、E-MIXクンをシッシッと追い払うジェスチャーをした。


 一方、他の2匹はというと、あたしのそばに寄ってくる。


「天使さん、オレたち【大地の竜】倒すところ見てました!」

「【骸骨竜】も倒してたんですか!? いや~、奇遇ですね~! オレたちも、同じ時間に挑戦してたんですよ~」

「はあ」


 なんか、ヘンテコな感じでホメられ始めたわね。

 さりげなく、ラビちゃんを体に近付けときましょ。


(ラビちゃん。一緒のタイミングで竜退治って、こいつら居なかったわよね?)

(多分、わたしたちが入る少し前に、この人たちも入ってたんだと思います。ダンジョンは、パーティーごとに別のものが用意されるって習いましたから)

(へえ~)


 100パーティで入ったら、100個のダンジョンが作られて、それぞれに骸骨竜がボスとして出てくるわけね。

 ――あら? 最初にスカーレットちゃんを倒したとき、おっちゃんに会えたけど……あれってNPCだったから? だとしたら、なおのこと奇跡の出会いね。


 あ、おべんちゃらが終わったみたい。


「――というわけで、シャボンさん! オレたちのパーティーに入ってください!」

「お断りします」


 笑顔でバッサリ。――あ、猫女もきたわ。


「シャボンさ~ん、オレたち助けてほしいんですよ~。オレたち、その子より役に立ちますから、仲間に入ってくださいよ~」


 ――あ~あ、NGワード言っちゃった。

 ラビちゃんより優れてるって口走っちゃうとか。仮に事実だったとしても、今のタイミングはないわー。


「ごめんなさい」

「はぁ~、ダメか~。――おい、行こうぜ」


 3人はあたしにだけ会釈して、魔法陣から去っていった。――うわー、気分悪っ。ケド、あたしが対応をマズくしてラビちゃんやE-MIXクンに迷惑かけたらツラいもんね。ここはガマンよ。


 E-MIXクンはあたしにペコペコしてた。


「すみません、シャボンさん」

「ううん、気にしてないから大丈夫よ」


 肩にポンと手を置く。


「それより、事情を聞かせて」

「はい」


 E-MIXクンの黒髪が揺れた。

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