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夢の国は現実ではやばい

 休みというのは人を堕落させる期間であろう。特に長期休暇などはその最たる例だろう。夏休みや冬休み明けのテストで悲惨な結果を見たのは一人や二人ではないと僕は思うわけだ。

 違う、そんなことを言いたいわけではない。僕の言いたいことは休日なんだから休日しろということだ。


 休む日と書いて休日だ。忙しく過ごすなんて本末店頭なわけだろう?


 何が言いたいかというとだね。


「なんで休日なのに人の多いところにいかなきゃいけないんだ」


 ということだ。

 当然、今の僕は家から一歩も出ない姿勢を貫き通している。もはや僕が今日、家から出るとしたら地震が起きたり津波が来たり火事が起きたりた時くらいだろうと自己評価できるほどに僕は休む日たる休日を満喫するのだ。

 そんな、僕の目の前では然と才華がレジャー施設のCMに目を奪われている状態である。


『今ならば大人二人と一緒なら子供一人分が無料に!』

「子供一人分とはいえ無料にするなんてすごく豪勢ね」


 然が感心したような声を上げながらテレビを見ていた。そのあまりの無表情さから本当に感心しているか定かではないが。


「一人がタダなんてすごいてすね! 姉様!」


 反面、わが妹たる才華はというとこちらが見ていてもわかりほどにしきりに感心している。こいつはこいつであっさりと人に騙されそうで兄としては少し、ほんの少しだけ心配である。


「人混み中にいく段階で僕は嫌だね」


 なぜ休みの日に休まないのか? それが一番正しいことだというのに。


「愚民兄には言ってないです!」

「そうね。でも、私も行きたくはないわ」

「えぇ⁉︎」


 才華裏切られたかのような目を然に向けるが相変わらず然は何を考えてるかわからない。


「な、なぜです? 然お姉様? 夢の国ですよ?」

「才華、あなた勘違いしてるわ。あれは夢の国ではないのよ」


 いきなり子供《才華》の夢をぶち壊すような発言をしやがる。


「え、ゆ、夢の国ではないのですか?」


 戸惑ったようにする才華を他所に然はというとテレビ画面に映るマスコットキャラへと指を向ける。


「外国の人は動物好きな人が多いわ」

「凄まじく偏見だな」

「そしてあのキャラクターのモチーフはネズミなわけだけど」

「おい、夢の国の人物に対してキャラクター扱いはやめとけ」

「かなり愛らしく作られてるわ。毎日サンドバッグにしたいくらいに」

「製作者涙目だろうよ」

「でもよく考えなさい。あのデフォルメされたキャラクターたちがいる世界を」

「かなり愛らしいんではないです?」

「才華、あなたにはがっかりよ。あと使郎、うざいわ」

「「ええ!」」


 唐突に失望する声と罵倒する発言をする然に僕と才華二人同時に驚愕の声を上げる。


「あなたが考えているのはあのテーマパークの中の世界でしかないわ。もっと普通に考えてみなさい」

「普通に?」


 はて普通とはどういうことか僕にもよくわからないんだけどね。

 二人揃って首を傾げている様を見て然は無表情ながらにため息をついた。


「そう普通によ。あのキャラクターはネズミをモチーフにしているわけよ」

「そうだな」

普通・ ・考えたならあのキャラクター達がネズミになるわけよ? ちなみに私は怖すぎるわ」


 然が身震いするように震えたため才華を見る。明らかに頭の上に幾つもの疑問符が浮かんでいるのが目に取れる。才華が疑問符を浮かべているのに気づいた然が再びため息をつきながら説明をしはじめた。


「例えば、壁に小さな穴が空いていていてそこからあのキャラクター達が四つん這いで出てきたらどう思うの」

「こわ!」

「……それは、怖いな」


 あの等身大のキャラが穴から出てこれるかどうかは置いておいてもあんな姿で食べ物などを漁る姿を考えると微笑ましさよりも確かに恐怖が先に来るな。


「家に帰って椅子に座ってたりして、あは! とか言われてみなさいトラウマよ」

「むしろあの大きさなら不法侵入で訴えれるんじゃないか?」

「夢の国の存在が訴えられるってなかなか素敵じゃないかしら」


 日頃無表情の癖になにか楽しげなこと考えるとわが妹は口元を歪めるように笑う。断じて女子がするような笑みではないだろう。むしろ悪人だ。


「だからあそこは夢の国ではなく想像力と希望をもたない子供のために娯楽を施設よ」

「凄まじく斬新な解釈だ⁉︎」


 娯楽を与えるというところしかあってないし、下手すればそれすらもdisってるととられかねない発言だ。


「そ、そんな施設だったなんて……」


 そんな明らかに子供ですら騙せないであろう暴論にあっさりと騙されガタガタと震える才華ちゃん。この子マジチョロイン。


「だから私はあんな狂気なレジャー施設にはいきたくないわ」

「そ、そんな場所ならわっちも行きたくないです!」


 手を挙げ本当に怖そうにしている才華。そしてそれを見て然はなんだか満足げである。


「そうね、才華。だから洗脳されないためにも私の言うことをちゃんと聞くのよ?」

「わかったでありんす!」


 今まさに自分がやられているのが極めて悪質な洗脳であることに気付かず才華は元気よく返事をする。


 天白家は今日も平和です(洗脳された妹を除く)

これにて天白家の日常は完結になります。

ネタ不足で書ける気がしないのでw

またネタがあれば短編でも書くかもしれませんが。

お付き合いありがとうございました。

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