サプライズは突然に
自分で言うのもなんだが僕はなかなかにオシャレだと思うわけだ。
十人中八人は僕の服装を見れば振り返ると断言できるね!
え? 残りの二人はって? 多分身内だろう。身内ってのは評価が厳しいものさ。
だからこそ僕は……
「オシャレマイスターとか名乗ってもいいんじゃないだろうか?」
「突然何を言ってるの?」
しまった、心の声が漏れていたようだ。うっかり使郎だな。
「まぁ、頭の悪い使郎の発言は今更ね」
「その認識やめて」
地味に傷つくよ。
「ところでオシャレマイスターエンジェル」
「やめろ! 複合はやめろ!」
痛い称号が更に自分の名前と合わさってひどいことに!
いや、決して僕の名前が間違っているわけではないはずだ。
間違ってるのはそう……時代です!
「今日はなんの日か忘れたかしら?」
「今日?」
特になにかあった記憶はないんだけど。
「なに言ってるの使郎。今日は使郎の誕生日よ?」
「え、僕の誕生日⁉︎」
そうだった! 僕の誕生日だ! ……だったか?
「という設定よ」
「やっぱり嘘かよ!」
人の誕生日まで普通に嘘をつきやがった。
「そんな騙され体質な使郎ちゃんにプレゼントよ」
「うれしくない!」
「サプラーイズ!」
然の奴、話を聞く気がないな。
「才華~」
「はい! 然姉様!」
然の声に才華が元気に返事を返してくる。バカみたいに大きな箱を抱えて。
もう、嫌な予感しかしないんだけど。
そんな僕の表情を見て然がニヤリと笑います。
こいつ何を企んでやがる。
「さあ、始めるわよ」
「はーい」
元気がいいのはいいことだと大人は言うけど今ほど不安になったことはない!
「まずはこの靴を」
才華が箱から取り出し、僕に手渡してくる。
ビクビクしながらもその靴を受け取るととりあえず履いてみる。
「ぴったりだ……」
「この服は……」
着てみる。
「ぴったりだ……」
「このズボンは……」
履いてみた。
「なんでピッタリなんだよ⁉︎」
「この鎧を……」
ピッタリだ!?
「こわいよ! なんでピッタリなんだ! なんでサイズ知ってるんだよ! しかもなんで鎧なんだ!」
「兄妹とはそういうものよ」
兄妹とはいえ空恐ろしさを感じるよ。
「以上がプレゼントになります」
「わっちと然姉様からのプレゼントありがたく頂戴するでありんす」
いや、この恰好って……
「ではこの剣を持って魔王討伐よ!」
「この世界のどこに魔王がいるんだよ! というか剣とか言ってお前が持ってるの鉄パイプだからな⁉︎」
「まずは街の害虫駆除ね。あのやたらとうるさい音を出す暴走族を駆逐するところからよ。私の安眠のために!」
「お前のためにかよ⁉︎」
まさかの自分の安眠のためか。
「最近うるさくて眠れないのよ。さあ、使郎、駆逐開始よ!」
「しねぇよ!」
天白家は今日も平和です。(貰った鉄パイプは驚くほどしっくりと手になじみました)




