公園ではマナーを守ろう
花火。
それは夏の風物詩。
そして恋人とみるには絶好のバケーション!
それこそおが青春というものだろう。
それがなぜ……
「俺の球を打てるものなら打って見やがれ!」
「秘儀! 送りバンあつぅぅぅぅぅぅぅ!」
バットを構えた永遠恋愛が突如として後ろに飛び上がり顔を抑えながら悲鳴を上げる。
「ヘイヘイ! バッターびびってるぅ!」
転がり回る永遠恋愛を楽しそうに見ながら神が笑いながら告げる。あいつ鬼だ。
「デッドボールよ」
相変わらずの無表情で退屈そうにしながら然が言う。まさしく死球だ。
「運が良かったな! 永遠恋愛」
「うう、次は負けないっす」
顔を抑えながらバッターボックスから出た永遠恋愛は恨めしげな眼で神を見ながら僕にバットを渡してきた。
「しろりん! 仇を頼むっす!」
「いやまて、何でこんなことをしなくちゃいけないんだ!?」
「「「はぁ?」」」
なぜか三人の頭の上には疑問符が浮かんでいるようだ。いや、違う。僕にも浮かんでいるから四人か。
「なんでこんな危険なことをしなくちゃならない!」
真夜中の公園でなぜか僕達四人はロケット花火で野球をするというわけのわからない神、永遠恋愛の企画に付き合わされていた。
「使郎、バカだな?」
「バカっすよね」
「待て、今の会話の流れのどこに僕を馬鹿にできる要素があった?」
「使郎来たわよ」
然の声に反応した僕はすぐさま頭を下げる。そんな僕の頭の上をヒュゥゥゥゥゥゥゥ!という音を立てながら細長いものが通過する。
「ちっ! 惜しい!」
「神神! もう一回、もう一回よく狙うっす」
喜々とした表情で話す神と永遠恋愛。あいつら・・・
「お前ら! それは人に対してむけちゃいけません!ってならわなかったのか!? と言うか永遠恋愛! 仇をとって欲しいんじゃなかったのか!」
そんな僕の叫び声を聞いた奴ら二人はにやりと意地の悪い笑みを浮かべる。さらに神はわざとらしくため息をつくと
「使郎、今は夏休みだ」
「そうだな」
「休みは遊ぶものだろ?」
「まぁ、そうだけど……」
「だから俺(私は)はロケット花火野球をするのさ!」
「お願いします! 話を聞いてください!」
こいつら人の話を本当に聞かねぇ。いや、常識がない。
「人にロケット花火を向けるな!」
「ああ、確かに習ったな永遠恋愛」
「ええ、確かに習ったっす。人に向けてはいけないと」
「だったら!」
そこで二人はより一層笑みを深め、
「「でも俺(私)が狙ってるの天使だし!!」」
「絶対いう思ったよ!」
楽しげに笑う神の右手にはライター、左手にはロケット花火があった。
ロケット花火、危ない、よい子はの諸君らは向けてはいけない。
「ヘイヘイ! バッターびびってるぅ!」
「バカか! バッターじゃなくてもビビるに決まってるだろが!」
「しろりん! 私を甲子園に連れてってーっす!」
「うるさい!」
永遠恋愛の無責任な応援を受けつつも仕方なしにバッターボックスに立つ僕だが、やられっぱなしは気に入らない。絶対打ち返してやる。
「ふ、やる気だな、使郎。ならば俺も本気を出すぜ」
「ふん、夢の中でイチローにすら勝った僕に勝てるかな?」
「暑いわ」
「そうすっね! 熱い展開ッす! あ、しかリン。アイス食べるっすか?」
「私はイチゴ味しか食べないわよ」
僕と神が睨み合う中、緊張感がなくなるような会話が繰り広げられる。
「食らえ! 必殺! 燃える突き刺さる炎の魔球!」
「あぶねぇぇぇぇぇぇ!」
流れるような自然な動作でロケット花火に火を着けた神が躊躇いなく僕に向かいロケット花火を投擲した瞬間、僕は地面に向かい飛び込んだ。
ヒュルゥゥゥゥゥゥゥ! パン!
僕が地面に飛んだ次の瞬間にはロケット花火は先程まで僕がバットを構えていたところを寸分たがわずに通過し小さく弾けた。
「てめぇ! 神! 僕を殺す気か⁉︎」
「ふぅ~ 我が永遠のライバルたる使郎はなってない、いや、全く判ってないな」
やれやれといった様子で神首を振る。いつから僕はお前の永遠のライバルになったんだ。
「必ず殺すと書いて必殺なんだぜ?」
「遊びで殺すとか理不尽すぎる!?」
十代の闇を垣間見た気がした。
「とりあえず避けたからワンストライクな」
「まだ続けるのかよ!」
「次は分裂する炎の魔球な」
「それただ数増やしただけだろ!」
神の手にはバカみたいな量のロケット花火が握りしめられてるし、あいつ、マジだ!
「待って、神、私が必殺…… じゃ殺しちゃうから遊殺を見してあげるわ」
「「「愉快犯ぽくなった⁉︎」」」
「遊殺、なんだか大量のロケット攻撃」
然はそう言うと地面に座りライターを近づけ、地面に散らばってるロケット花火に全て《• •》に火を放った。
ヒュルゥゥゥゥゥゥゥヒュルゥゥゥゥゥゥゥヒュルゥゥゥゥゥゥゥヒュルゥゥゥゥゥゥゥヒュルゥゥゥゥゥゥゥ!
「これはやばい!」
「シャレになってないっす!」
「お前らネズミ花火まで混ぜてやがったのか!」
真夜中の漆黒をロケット花火が! ネズミ花火が! やっぱりロケット花火が火花を飛び散らし、公園内だけを昼のごとく明るく光らせた。よく見ると然も必死の形相で逃げてるし!
「こら! 君たちこんな夜中になにやってるんだ!」
どうやって逃げようかと考えていると僕達の顔をおそらくは懐中電灯の光が照らす。その懐中電灯を持っていたのは、
「やばい! 察だ! 取引は中止だ使郎!」
「誤解を招くような発言をするな! あとやたらと僕の名前を強調して呼ぶな!」
「各自解散!」
「「異議なし! 使郎の兄貴!」」
「僕がいってるんじゃねぇぇぇぇぇぇ!」
一目散に僕を置いて且つ僕の名前を騙り逃げ出した神、然、永遠恋愛を僕は追いかける。
「こら! 待ちなさい!」
大声を上げながら僕らを追いかけてくる警察官。
「待つバカがいるかぁぁぁぁぁ!」
僕らは絶叫しながら公園から逃げ出すのだった。
天白家は今日も外でも平和です。(次の日真夜中の鬼ごっこというタイトルで新聞に乗りました)
花火っていいよね!
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また、こういうネタでやってほしいみたいなものがあれば教えてくれれば幸いです




