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平凡王子は今日も密かに悪役令嬢の『ざまぁ』を志す……けど、愛がヘビー級の悪役令嬢に溺愛されている平凡王子はもう、まな板の上の鯉状態ですが、なにか?  作者: 綜奈 勝馬


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第二百二十五話 突然の暴露


 ディアの突然の理系ディスり発言に言葉もないアインツ。そんなアインツに、ディアは尚も言い募る。


「エルマーに謝る? なんでエルマーに謝る必要があるんですか!! そもそも、彼、デリカシーに欠けているんですよ!? こないだ学園で会った時なんか『久しぶりだな、クラウディア嬢。最近、話題になっているようだな? エディに婚約破棄されたんだろう? 災難……と言って良いのか? むしろ君なら喜びそうだが?』とか言って来たんですけど!! 確かに喜びましたけど、普通言いますか? 婚約破棄された令嬢にそんな事!?」


「……エルマー殿……」


 これはエルマーが悪い。エルマーが悪いが、別に理系が悪い訳ではない。三度目だが、エルマーが悪いだけだ。


「しかも『だが、エディに対しての君の態度も問題だろう? もう少しエディに優しくした方が円滑な関係を築けると思っていたのだが? そこまでエディの事が嫌いな訳ではないのなら、もう少し関係性の構築に努めた方がお互いに良かったのではないか?』みたいな上からもの行ってくるし!! 円滑な人間関係なんか、エルマーにだけは言われたく無いんですけど!! ユリア様に告白されたからってちょっと調子に乗っていると思いませんか、アインツ!!」


 ディアの仰る通りである。


「……それに関してはエルマー殿が全面的に悪いと思う。思うが……ほら、知っているだろ? エルマー殿は少しばかり……コミュニケーション能力に難があるから……」


「は? なに言ってるんですか!! エルマーなんかマシな方でしょう!? 先日父の仕事の都合で技術院行った時なんかもっと酷かったですよ!?」


「……あそこは本丸だしな」


 勿論、コミュ障のである。コミュ障の総本山、それが技術院だ。


「と、ともかく! あまり理系に悪印象を持つな。今のこの国を支えているのは、エルマ殿とルディの発明品の数々だぞ?」


「それは分かっていますけど! でもあの人たち、なんかこう『理論が』とか『論理的に考えて』とか……なんか感じ悪いと思わないですか!?」


「……いや、お前の性格に比べれば随分マシだが? エディに行った悪行の数々、思い出して見ろ」


「うぐぅ!」


 アインツの言葉、ディアにクリティカルヒットである。


「と、ともかく!」


流石に分が悪いと思ったのか、ディアが唐突にそう声を上げる。変わらずジト目を向けていたアインツは、大袈裟にため息を一つ。


「誤魔化そうとするな」


「誤魔化そうとなんかしていません! ま、まあ? 私の性格がアインツに刺さっていないのは分かっていましたし!」


 しぶしぶ――本当にしぶしぶ、ディアは認める。確かに、自分の性格がルディ特効になっているのは幾らディアの面の皮が厚くても認めざる得ない。そんなディアに、アインツは盛大にため息を吐いて見せた。


「な、なんですか、そのため息!! ば、バカにしているのですか?」


 アインツのその態度に『カチン』と来たディアがそう言い募るも、相変わらずの呆れ顔でジト目を向けるアインツ。


「おい、何を良い方に解釈している」


「……は? はい? 良い方に解釈? 何処がです?」


 自分の性格が相手に刺さってない。これの何処が良い方なのか分からないディアが首を捻る。そんなディアに。




「お前の性格は俺にだけ刺さっていない訳じゃない。クラウスにも、当然エディにも刺さっていない。というか……普通に考えて、お前の本性知ったら誰にも刺さらないぞ?」




「本当にぶっ飛ばしますよ、貴方!?」


 失礼な話である、マジで。流石にこれにはディアも抗議の声を上げる。


「貴方、私にだったら何を言っても良いとかおもってませんか!! 私だって人並みに傷つくんですが!!」


 ディアの当然と言えば当然の主張。ディアだって年頃の女の子なのだ。普通に厳しい言葉を掛けられれば……まあ、今回の話は百ゼロでディアが悪いのだが、それでもそりゃ、傷付くというものだ。そんなディアの言葉に、アインツは胡乱な目を向ける。


「はん。何を殊勝な事を。お前が俺の、俺らの言葉で傷付くわけ無いだろう」


「な、なんでですか! 分からないじゃないですか、それぇ! 私だって普通の女子学園生ですよ!? 酷い言葉を言われたら傷付きます!!」


「はい、ダウト。お前が傷付くことなんて……そうだな? 精々、ルディに何か言われた時くらいのものだろう?」


 そう言って鼻で笑うアインツ。酷い言い草である。そんなアインツに、ディアは少しだけ潤んだ瞳を向けて。



「……いいえ」



 ディアは首を左右にふるふると振ってみせる。そんなディアに、『え?』と驚いた表情を浮かべてアインツは慌てて口を開く。


「そ、その、すまない! ま、まさか本当に傷ついていたのか? そ、それは申し訳な――」




「……最近、ルディに冷たくされるのも……それはそれで『アリ』かな、と……」





「……」


「……」


「……異性の幼馴染のそんな性癖、聞きたくなかったんだが……」


 アインツ、ドン引きである。


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