秋だからこそたくさん生えているススキで遊ぼう
さて、食べ物をたっぷり取れば、毎日せかせか働かなくてもいいのが、この時代のいいところだ。
俺達は家族でそこらにたくさん生えてるススキをナイフで切って集めていた。
関東は火山灰が多いのでそういった土壌でも生えるススキがとても多い。
俺は子どもたちに注意をする。
「よしじゃあ今日はすすきで色々作るぞ。
手を切ったりしないように気をつけろよ」
イアンパヌも続ける。
「そうね、特に葉っぱに気をつけないと駄目よ、あなた達」
双子は元気よく返事をする。
「おー」
「おー」
上の二人はちゃんと頷いた
「はい、お父さん、お母さん」
「うんわかってるよ、お父さん、お母さん」
うむなんだかんだで子どもたちはワクワクしてるな。
まずはみんなでススキなどを使って秘密基地のようなテントのような隠れ家を作ることにした。
諏訪の御射山祭でもススキで小屋を作るが、こういう使い方もできるのだな。
まあ、秋だから出来るというのはあるが。
主に上の二人と俺で太い倒木などを拾ってきて、まずは穴をほって柱を作り、そこに木を円錐状になるように斜めに立てかけていって、上で蔦を使って縛り、テント場に枠組みを作る。
そこにススキをかけられるように横にも木をくくりつけていく。
「えーと、うーんと、これはここがいいかな?」
「姉さんそっちのほうがいいんじゃない?」
「そうね、そっちがいいのじゃないかしら?」
そして下の双子にも仕事を頼む。
「お前さん達は母さんと一緒に落ち葉を拾ってきてくれ」
小さなカゴを持たせて落ち葉を拾ってきてもらう。
「イアンパヌよろしく頼むな」
「はいはい、任せてちょうだい」
「あーい」
「あーい」
やることが出来て嬉しそうな双子。
一方大きな枠組みが出来たら、長いススキをその上に載せて覆っていく。
「お、いい感じになってきたんじゃないか?」
「そうですね」
そこへ落ち葉を拾ってきたイアンパヌと双子が戻ってくる。
「戻りましたよ」
「もどったー」
「もどったー」
俺は双子の頭をワシワシなでてやり言う。
「よーし偉いぞ、じゃあ、この中に拾ってきた葉っぱをしいてくれ」
「あーい」
「あーい」
双子が頷いた後、イアンパヌとともに拾ってきた葉っぱを秘密基地の床にしいて、落ち葉の絨毯にするが、さすがに双子とイアンパヌの取ってきた落ち葉だけだと足りないので、俺達も一緒に落ち葉を拾いに行く。
みんなで落ち葉を拾い集めて秘密基地に中に敷き詰めると、フカフカで意外と温かい。
「ふかふかー」
「ふかふかー」
すすきの青臭い匂いや木の匂いもなんだかんだで悪くない。
「よーしみんな、休憩だー」
「ふう、そうしましょう、結構疲れたし」
「あーい」
「あーい」
「そうしましょう」
「僕達結構頑張ったもんね」
なんだかんだで作り上げるのに4時間位はかかったからな。
秘密基地の枯れ草の上に家族みんなで寝っ転がる。
「んー気持ちいいなー」
「きみちいー」
「きみちいー」
そう言って俺の上によじ登ってくる双子。
「はあ、たまにはこういうのもいいですね、お父さん」
上の娘もなんだかんだで楽しんでいるようだ。
「いざという時に約立つかもしれないね」
息子はなんだかんだで真面目だな。
まあ、狩りに出て野営しないといけない時に、シェルターを作れたほうがいいには確かだと思うがね。
「まあ、いざという時というのがないに越したことはないわね」
まあそういうイアンパヌの気持ちもわかる。
みんなで寝転がってしばらく休んだら、それなりに日もくれてきたので帰ることにした。
「今日は楽しかったな」
俺は双子の両手を繋いで家に戻る。
家に戻ったら、すすきの茎を織り込んで、皿を作っていく。
「ここをこうやってな」
双子は悪戦苦闘してるな。
「むずいー」
「むずいー」
俺はその様子に苦笑い。
「うむむ、まだちょっと早かったか」
でも、双子は頑張って続けている。
「やるー」
「やるー」
三角形や五芒星型、六芒星型などに織り込んで作るとなかなか楽しい。
完成すればどんぐりなどを皿に載せてままごともできるしな。
ススキの茎だけでなく、イグサや藁でも出来るのだがススキは固くて丈夫なので、見た目も綺麗に出来上がるのが良いのだ。
ちなみにフクロウやヒヨドリのような鳥も作れるぜ。




