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素潜りができるようになると色々いいな真珠も取れるし

 さて、俺たち家族がシャオとシャン夫婦から素潜りを教わってから、何日か訓練を続けることで、海での潜水にも大分なれてきた


 その結果5m位の深さであれば、俺たちも潜って海底のアワビやサザエやウニなどを取れるようになってきたぜ。


 もちろん俺達の家族だけでなく、集落の他の家族も一緒に教わりながら素潜り漁をしている。


 その結果は食べられる貝の種類が増えたり、取れる海藻の種類も増えたりといいことが多い。


 もちろん素潜り漁だけをしてるわけではないけどな。


 夏は鮎なども取れるし。


 そっともシャンやシャオはそういった場所で、ヒラメやカレイなどの魚も銛でついたりして取っているし、二人で協力すれば20メートル近くまで潜れるから、そもそもの潜水に対してのレベルが違うけどな。


 俺は自力で潜ってとったウニを手にして海面でシャンと話をしていた。


 イアンパヌや上の娘や息子達も潜ってはアワビやサザエ、海藻などを取ってきている。


「いや、こうしてやってみるると、素潜り漁もいいな」


 俺の言葉にニコニコと頷くシャン


「そうだよ、海の上から船で糸を吊るすだけだと、なかなか取れないものもいっぱいあるね」


 俺はうなずきながらも反論した。


「まあ、釣りは釣りでいい面はあるけどな。

 やっぱ寒いときも素潜りだときつくないか?」


 それを満面の笑顔で否定するシャン。


「ハハハ、慣れればどうということはないよ」


 うーむ、寒いときは泳がないものという、俺の常識がもしかしたら間違ってるのか?


 いや、やっぱり寒いときはきついと思うんだが。


 アワビを採るようになって手に入られられるようになった副産物に真珠がある。


 真珠はアコヤ貝が有名だがアワビにもできるのだ。


 すでにイアンパヌや上の娘にはそれなりにでかい真珠をプレゼントしてある。


 俺は乳母役の女性と戯れていた、下の双子にそれぞれ1つずつ真珠を持っていってやる。


「ほれ、お前たち、真珠だぞ」


 陽の光を浴びてキラキラと輝く真珠を手渡されて双子は叫んだ。


「あーきえー」

「あーきえー」


 双子は真珠を握りしめて喜んでいる。


「絶対口にいれるなよ、危ないからな」


 双子は首を傾げた。


「あぶあい?」

「あぶあい?」


「おう、飲み込んだら苦しくなるからな」


「あぶあいー!」

「あぶあいー!」


 俺は乳母役の女性に言う。


「こいつらが口に入れそうだったら、取り上げちゃってください」


 女性は頷く。


「分かりました、そのときは泣いても取り上げますね」


「ああ、そうしてくれ。

 命あっての物種だ」


 小さい子供は変なものを口に入れたりするからな。


 ある程度貝や魚、エビ・カニなどが取れれば浜辺でそれらを焼いてみんなで食べる。


 浜辺の魚介バーベキューってところだな、味付けは塩だけだが。


「んー、やっぱとれたてはうまいわ。

 砂抜きをしなくてもいいのもいいよな」


「そうよね、砂がちゃんと抜けてないと

 結構食べづらいものね」


「そうですよね、それに身が大きいから、いっぱい食べなくてもお腹いっぱいになりますし」


「そうだよね、蜆とかだと小さいし」


「まあ、蜆は蜆でうまいし体にもいいんだけどな」


 浅蜊などの砂の中にいる貝は砂抜きに失敗すると、口に中が砂が混じってジャリジャリするのだ。


 そういう点アワビやサザエなどは岩にくっついてるから、基本砂抜きはいらないので楽だな。


 集落の人間がお互いを見張り合って皆で素潜りをすれば、大きな事故も起こりにくい。


 なんだかんだで潜水は事故が起きやすいから、そのあたりも重要だよな。


 そんなに毎日採ってたらアワビなんかが絶滅するんじゃないかと思うかもしれないが、人数的にも大したことないし、小さなやつは取らないから心配はいらないぜ。


 そのあたりはちゃんと考えてるんだ。

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