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この石には意志がある!  作者: 一狼
第3章 ブロークンハート大陸・海渡編
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040.VSリヴァイアサン事後

 まぁ、予想通りと言うか、ジルがリヴァイアサンを倒した事に、冒険者ギルドは大変な大騒ぎとなった。


 リヴァイアサンを討伐した報告をしても信じてもらえず、ギルドマスターが出てきて半信半疑ながら信じてもらえた。


 と言うか、ギルドマスターは俺達の戦いを見ていたんだな。


 まぁ、町の事を考えればリヴァイアサンの動向を監視するのは当然と言えば当然か。


 でもって、倒した証拠として町の外でリヴァイアサンの死骸を見せて周囲に納得させたわけだが、当然のように港町フォルスは歓喜の大混乱に陥っている訳だ。


 中にはジルのかめちゃんの能力であるアイテムボックスに目を付けた輩も居たみたいだが。


 俺達はその後の対応について協議と言う事で、ギルドマスターの部屋に居る。


「それで、本当にいいのか? リヴァイアサンのほぼ全部を我々冒険者ギルドへ納めるというのか?」


「うんー。その代わり、なる早で西大陸へ行く手続をお願いするのー」


 ジルにとってはリヴァイアサンから取れる素材よりも、西大陸――早くアルベルトの元へ向かう方が大事だからなぁ。


 ジルは最初は全部冒険者ギルドへ納めると言っていたが、俺が全部ではなく牙や爪、角、肉などの一部をこちらの取り分としておくよう助言したので、こちらとしてはまるっきり損をしているわけではない。


「分かった。こちらでマリンポートに申請をして早急に西大陸に行けるように手続きをしておこう」


「お願いしますー」


「それでだが、リヴァイアサンを討伐した報酬なのだが……」


「あれー? リヴァイアサンの討伐依頼は無いから報酬は無いんじゃー?」


 こちらとしても勝手に倒しに行ったわけだから報酬は期待していたわけじゃないんだが。


 冒険者ギルドも自己責任だと言ってたよな。しかもギルドマスター自ら。


「うむ、確かにそうなんだが、流石にS級モンスターを倒しておいて報酬の1つも無いのは些か冒険者ギルドとしても体面が悪いからな」


「くれるんなら貰うけどー、いいのー?」


「ああ、報酬と言うより、町の治安を守ってくれた褒賞だと思ってくれればいい」


 ギルドマスターが提示した金額は白金貨5枚=1,000,000G。つまり日本円に換算すれば100,000,000円にもなる。


 一気に大金持ちになったよ!


 褒賞にしちゃぁ大金過ぎる気がしないでもないがな!


 まぁ、それだけS級モンスターの討伐は難しいのだろう。


「俺はいらないぜ。ジルちゃんにくっ付いていただけで、ほぼ何もしていないからな」


 マックスはそんな褒賞はいらないとばかりに、全部ジルへ渡そうとしていた。


 いや、何もしていないわけじゃないだろう。


 マックスの直接的な戦いは無かったが、下準備やらサポートやらで色々協力はしてもらっている。


 流石にこれだけ褒賞を貰っておいて、マックスにだけ何も無いと言う訳にはいかないだろう。


 ジルがその事を指摘しながらマックスと褒賞を分け合おうと説得する。


 ギルドマスターも二つ名持ちのB級冒険者が無報酬と言うのは冒険者ギルドとしても対面が悪いと援護射撃をしてもらい、マックスは渋々ながらも褒賞の2割を貰う事で納得してくれた。


「さて、ここからが本題だが……ジルベール、お主の冒険者ランクはS級へと昇格となる」


「ほぇー? S級ー……?」


「ギルドマスター、いいんですか? 流石にE級からS級までの飛び昇格なんて聞いたことないですよ」


 突然のS級の昇格にジルは呆然とし、マックスは聞いたことの無い飛び昇格に疑問をぶつける。


「寧ろS級モンスターを倒せる者をE級にしておく方が問題だ。他の町のギルドマスターからも何をしていると文句を言われるからな。それにこれは冒険者ギルドの規定に乗っ取っての昇格だ」


 ギルドマスターの話によれば、S級への昇格は普通のランク昇格とは違い、12人の冒険者ギルドのギルドマスターからの推薦か、S級モンスターを倒すかの2つしかないそうだ。


 つまり、ジルはS級モンスターであるリヴァイアサンを倒した事により、一気にS級冒険者へと昇格したのだ。


「んー、でもー、私経験が圧倒的に足りないよー? こういう場合って見かけだけのS級にならないのかなー?」


 あー、確かに高ランクに求められるのは強さだけじゃないからな。


「その点は心配しなくていい。お主はまだ子供だ。経験なんぞこれから積んでいけばいい」


 いいのか、それで?


 まぁ、いきなりS級というのは荷が重いかもしれないが、リヴァイアサンを倒した事で注目を浴びることを考えれば権力(?)を持っておくに越したことはないだろう。


『ジル、受けておけ。と言うか断る事が出来ないんだからな』


「(分かったー)」


 ジルとしてもS級になって悪い気はしないみたいで、素直に受けることにした。


「じゃあ、私は今日からS級冒険者ー」


「そう言うところは歳相応に見えるな」


 ジルの無邪気な喜びを見てギルドマスターはそう言う。


 その後の手続きでジルのギルドカードはE級のブロンズ色からS級の虹色掛かったプラチナ色のカードへと変わった。


 ジル達は一通りの話し合いを終え、今日は冒険者ギルドが用意した高級宿へ泊まり、西大陸へ向かう船が出るのを待つことになった。











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