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この石には意志がある!  作者: 一狼
第8章 レフトウイング大陸・決戦編
279/357

233.VSジョージョー&エーデリカ

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄っ!!』


『無駄無駄うるさいよ!』


 ラッシュをかける〝世界の覇者″。


 それを素早い動きで躱すマックス。


「逃がすか! オーバードライブインパクト!」


 ジョージョーがマックスの進路を塞ぎ、左腕を突き出す。


 よく見れば、ジョージョーの左腕は生身じゃない、魔道具の義手だ。


 そう言えば、ジョージョーの左腕はマックスに噛み千切られていたっけ。


「させないよー!」


 未知の魔道具だが、明らかに何かをしようとしているのを防ごうとジルはぼーちゃんの伸縮突きをジョージョーへ放つが、魔王の欠片に阻まれてダメージどころか体勢を崩す事すら出来なかった。


 ちぃ、攻撃が防がれるのは分かっていたが、衝撃まで無効にされるとは。


『ギャンッ!』


 マックスはジョージョーの左腕から放った攻撃に吹き飛ばされる。


 今の攻撃を見たところ、ジョージョーの能力の波紋の力を溜めて放つ魔道具か?


 そのままジョージョーと〝世界の覇者″は追撃しようとマックスへ迫る。


『だったら、これならどうだ!

 ――【バインド】!!」


 マックスは張られたロープに足を取られて転ばされて縛られたことがある。


 なら、動きを封じる【バインド】なら効果があるはず!


  〝世界の覇者″の方は問題なく【バインド】で動きを縛ったが、ジョージョーの方は足元から伸びた蔦はあっさりと弾かれてしまう。


 うおぃっ!? 【バインド】も攻撃扱いかよ!?


「へきちゃんー!!」


『ぅん! 任せて……!』


 ジルはジョージョーからの攻撃を防ぐためにへきちゃんを出したわけではない。


 マックスの足元にへきちゃんは出現し、へきちゃんを足場にしてマックスはその勢いのままジョージョーの遥か頭上を跳躍する。


 無論、マックスもやられっぱなしじゃない。


 頭上を越える跳躍のついでに【闇魔法】を放つ。


『【ダークネスランサー】!』


 闇の槍が、予想外のマックスの動きに足を止めたジョージョーへと襲い掛かる。


「ちぃ、太陽の息吹の波紋疾走!」


 ほぼ真上からの【ダークネスランサー】をジョージョーは両腕に宿った太陽の息吹の力でいなす。


 むぅ、互いに魔王の欠片を持っているから攻撃が通じるが、どちらもイマイチ決め手に欠けているな。


 しかもお互いに時空属性を持つ者同士、攻撃手段が似通っている分、相手の攻撃手段を読みやすい。


 ただ、〝世界の覇者″が居る分、ジョージョーの方がやや有利だな。


 その〝世界の覇者″はジルが邪魔をしてマックスに攻撃を行かないようにしているが……


「おい! いつまで見物しているつもりだ? いい加減、エーデリカも戦えよ!」


「あらぁ、か弱い乙女に戦えだなんてぇ、野蛮ねぇ」


「か弱いだって? 笑わせるなよ。例えスキルが戦闘向けじゃなくても、キミは十分強いだろ? おまけに魔王様の欠片持ちだ。ジルベールの相手は十分できるよ」


「仕方ないわねぇ。坊やのお望み通りぃ、わたくしが彼女の相手をしてあげるわよぉ」


 そう、今までエーデリカは戦いには参戦せず見物していただけだったのだ。


 エーデリカ(色欲)のスキルは【娼婦】だったから戦闘には参加しないものと思っていが、どうやらその認識は間違っていたようだ。


 確かにジョージョーの言う通り、スキルはスキルで必ずしも戦いに必須と言う訳じゃない。


 要は使いよう、戦いようだからだ。


「そういう訳でぇ、貴女の相手はわたくしがするわよぉ。負けたりしても恨まないでねぇ」


「寧ろそっちこそ返り討ちにされる覚悟をしておいてねー」


 だが、魔王の欠片を持っているというだけでジルに敵うと思っている時点で笑止だね。


 ジルはぼーちゃんを構えて先端をエーデリカに突き付ける。


 エーデリカは懐から扇――おそらく鉄扇だなあれは――を取り出し閉じたままでジルを挑発するように頬をぷにぷに押しながら首を傾げている。


 俺はその間にも色々魔法を試みていた。


『【スネア】!』


 パンッ


 くそ、これもダメか。


 どうあってもこちらからの魔法は攻撃とみなされるらしいな。


『あれじゃない? マックスが転んだりしたのは自分から引っかかったからじゃない?』


『なるほど。自分で転んだのは攻撃じゃないと』


『Hey! butジョージョーがゴブリンにPressされそうになったのは?』


『……さぁ?』


『ぐあぁ、一体何を基準にした攻撃判定なんだよ!?』


 ふーちゃんが一応、攻撃判定の法則を見出したように見えたが、やーちゃんからジョージョーの時の例を出されて再び首を傾げる。


 はーちゃんががなり声をあげるのは無理もない。


 どちらかと言えば俺も叫びたいぐらいだ。


 だけど、一部とはいえふーちゃんの見出した法則は使える。


『かめちゃん、頼む』


『仕方ありませんね。なるべくなら私の能力は使いたくはなかったのですが』


「(かめちゃんー、ごめんねー。ここはかめちゃんの力が必要なのー)」


 ジルはかめちゃんを石空間から取り出し、かめちゃんは第3の能力を放つ。


『空間断裂!』


 そう、かめちゃんのチート過ぎる能力の空間断裂だ。


 ただしこれも攻撃手段と見なされ、魔王の欠片に弾かれる可能性があるから、空間を裂いた状態でその場に固定している。


 これなら攻撃ではなく、足元にロープを張ったように一種の罠として魔王の欠片には反応しないだろう。


 罠と言っても目に見える罠だが。


 尤も見えたからと言って空間に干渉する力が無ければ、この空間断裂は防ぐことが出来ない罠だ。


「あらぁ? 面白いことをしているわねぇ。だけどぉ、こんなのに引っかかるほど間抜けじゃないわよぉ?」


「そうかなー? 私のかめちゃんを甘く見てると痛い目を見るよー?」


 そう、要は使いよう、戦いようなのだ。












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