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この石には意志がある!  作者: 一狼
第7章 勇者パーティー・激走編
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174.ミスリータル解放作戦会議3

 ミスリータル解放作戦の概要は大体決まった。


「後は配置だな。スコールをやる奴と、鉱山の解放をする奴に分れるぞ」


「ふむ、ならば拙者は鉱山の方に向かうでござる。騎士団の方からも何人か来て欲しいでござるな」


「いいぜ。半分の100人ほど貸してやる」


「わたくしも鉱山の方へ向かわせていただきます。先に潜入して奇襲をした方が、解放しやすくなりますから」


 確かにクローディアが先に潜入して行動を起こせば、その分ヒビキ達の突入がやりやすくなるな。


 ただ、クローディアの潜入はこっちの城側でも有効なんだよな。


 まぁ、城側は全員そろっての奇襲になるから、クローディア1人だけ先行しても意味が無いからいいが。


「あ、それと、ジルベールさん。マックスさんをこちら側に協力させてもらえませんでしょうか?」


 あー、確かにマックスは町中で暴れさせるにはちと危険だな。主に建物の損害的な意味で。


 今は通常犬サイズになっているが、本性は8mサイズの狼だからな。


 スコール暗殺に連れて行ってもその巨体で城の中で自由に動けないだろうし。


 それは鉱山の内部に侵入した場合でも同じだが、鉱山の外の制圧には十分役に立つだろう。


「(きゅーちゃんー、いいかなー?)」


『ああ、マックスには悪いが、今回は鉱山の方へ行ってもらおう』


「分かったー。後でマックスにもお願いしておくねー」


 そんな訳で、ヒビキとクローディアとマックスが鉱山の解放を担当する事になった。


「いいか、スコールをやるのは基本、暗殺だ。あんたらがスコールをやるまで騎士団は都市の詰所周辺に潜み、スコールを暗殺した直後に住民らと協力して魔族を追い払う手はずになっている」


「分かった。スコールに辿り着くまでの侵入ルートは確保しているんだな?」


「当然。侵入ルートは南門から商業区を通って、城へと向かうルートになっている」


 アルベルトの問いに、スコルピオが地図を確認しルートを示す。


「クローディア、この都市で一番高い建物は城以外に何処かの?」


「それでしたら、魔族の住居区にある教会ですね。ここの教会には金を鳴らす塔がありますので」


「ならゴダーダにはこの塔の上で、騎士団の皆さんに狙撃による援護をさせよ。その方があ奴の能力が生かせるじゃろう」


 オブザーバーの癖に、ジジイが作戦についてアドバイスをしてくる。


 ふむ、確かにゴダーダの狙撃は高所からの方が有利に働くな。


 ただ、そこに行くまでが問題だな。


 俺と同じ疑問を持ったブラストールが、その疑問をぶつける。


「だが、魔族の住居区内なんだろ? 危なくないか?」


「そこはファイを一緒に同行させればよかろう。【フライ】の魔法を使えば気が付かれずに塔の天辺にまで行けるじゃろ。それに、ファイも魔法による遠距離攻撃で援護も出来よう」


「スコールの暗殺にファイの魔法の援護が無くなるが、そこは許容範囲内か」


「そうだねー、ファイちゃんの魔法は広範囲魔法がメインだから、室内での攻撃力は下がるからねー」


「寧ろ、外での広範囲魔法で威嚇して魔族を追い払うと言う手も使えるでござるな」


 スコール暗殺にアルベルト、ブラストール、パトリシア、ジル。


 侵入ルートの道案内にスコルピオ。


 魔族を追い払い住民を纏める騎士団の援護に、ゴダーダ、ファイ。


 鉱山側の解放にヒビキとクローディアとマックス。


 ん? そういや、このジジイは何をするんだ?


 何時ものように、オブザーバーだから「見てるだけー」とか言うのか?


『儂か? 儂は作戦が始まったら席を外させてもらうよ』


 俺がその事をジジイに尋ねると、ジジイはシレっと好き勝手させてもらうよと告げた。


『おい』


『わはは、儂はなんたってオブザーバーじゃからのぅ。戦闘には参加しなくても良いとお墨付きをもらっておる』


 このジジイの言い回しにはイラッとするが、これまでの付き合いから(とは言ってもそんなに長い付き合いじゃないが)おそらくこのジジイは、俺らの知らないところで暗躍と言う名のサポートをしていると思われる。


 だから、今回の作戦中に居なくなると言うのも、作戦の穴を塞ぎつつ、突発的な対応をする為と言う事だろう。


『……食えないジジイだ』


『ほ? 何の事かのぅ?』


 ジジイは恍けるが、おそらくジジイも完全に言いくるめられるとは思ってないだろう。


「さて、作戦の決行は5日後だ。それまで各自準備を怠らない様に頼むぜ」


 スコルピオはアンタレスとレサトを伴い、作戦の準備の為、廃村から直ぐに移動を開始する。


 アルベルト達も作戦結構前までにミスリータルまで行かなければならないが、まだ時間がある為、2・3日はこの廃村で準備を行う事にした。


 作戦会議に参加しなかったメンバーにも作戦内容を伝え、各自準備をさせる。


 そうそう、戦闘に参加しない後方支援部隊は、ミスリータルの外で待機だ。


 天蝎騎士団の数人を借り受け、作戦の完了を見守るのだ。


 万が一、作戦が失敗した場合には直ぐに逃走できるように準備をしておく意味合いもある。


 そして作戦決行当日。


 勇者一行と天蝎騎士団の200名は神銀都市ミスリータル周辺に配置していた。












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― 新着の感想 ―
[一言] 色々な嫌なフラグが。(マックス暴走とかしないよな) じいさん、仕事をする。
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