表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この石には意志がある!  作者: 一狼
第6章 勇者パーティー・集結編
178/357

Side-17 ヒビキ2

 初めて勇者様にあった時は生意気な子供のように見えました。


 ふてぶてしい態度、言葉使い、とても勇者様とは思えないものでした。


 まぁ、実際は虚勢を張って頑張っている子供だと言うのは後でわかる事ですが。


 勇者様が連合軍本部に到着した直後、折角押し上げた戦線が魔王軍に押し戻されたと報告があり、慌てて勇者様たちと戦場へと向かいました。


 勇者様の実力は思った以上でした。


 モンスターを前に怯むことなく果敢に攻め、剣も魔法もかなりの腕前で、とても8歳の子供に見えません。


 あたしは魔王四天王の覇道のユーユーの策に嵌まり、折角の戦線が乱されたことに焦りを感じ、集中を欠いてました。


 その隙を突かれ、モンスターが襲い掛かって来た時、勇者様が助けてくれたのです。


 手には聖剣があり、早速使いこなし能力のアクセルでモンスターを屠ります。


「大丈夫か?」


「すまない、助かったでござる」


「なぁに、仲間を助けるのは当然だろ」


 そう不敵に微笑む勇者様。


 この時ばかりはちょっとキュンとしました。


 うむむ、あたしは少年嗜好(ショタコン)じゃない。うん、少年至高(ショタコン)じゃない。


 大事な事だから2回言いました!


 折角押し上げた前線は壊滅状態で、何とか生き残った兵をまとめ上げ、撤退します。


 そう一息ついた事で、先ほどの気持ちの高ぶりがあった事で、ふと気が付いたのです。


 そう言えば、あたしは生まれ変わって今まで恋バナが一度も無いと言う事に。


 小さい時は剣と魔法の冒険ファンタジーに憧れチャンバラの真似事をし、【侍】スキルを授かってからはひたすら刀を振る。


 10歳になって国に仕え兵士となり騎士まで登り詰め、ひたすら戦場で敵やモンスターを屠る人生を送ってきました。


 はっ!? このままではいけない、暢気にラブロマンスがあるかもとか言ってる場合じゃない!?


 前世では20歳はこれからというところですが、今世では20歳と言えば女性として頂点であり、ここから下り坂と言ったところです。


 とは言え、あたしはこれから勇者パーティーの一員として魔王軍および魔王討伐の旅に出る事になってます。


 この旅先で運命の人が見つかると言われれば、否と言わざるをえません。


 全く皆無ではないでしょうが、かなり確立が低いでしょう。


 では、勇者パーティー内で恋人を見つける?


 ……これもまた難しいでしょう。


 ブラストールさんは、神殿騎士と言う事で生活面では保障されるでしょう。


 ですが30歳のおじさんはあり得ません。


 前世で言えばまだ働き盛りの歳ですが、この世界では30歳はおじさんです。


 おまけにブラストールさんはかなりの呑兵衛です。


 やはりあり得ません。


 フレイドさんは髭が無いけどドワーフなので問題外。


 クーガーさんは商人としては普通だし魔具師としては凄腕なのでしょうが、いかせん性格がかなり奥手で、特に女性との会話はかなり難儀します。


 なのでクーガーさんも除外。今後の成長に期待ですね。


 ディーノさんは勇者パーティーの中ではまだマシな方ですが、何処かチャラそうに感じるんですよねー。


 前世の記憶もあるからその影響で拒絶してしまうのでしょうか……?


 あとは後に加入したゴダーダさんですが、彼もまたあたしの年上なんですよねー。


 ブラストールさんよりも更に10歳上の40歳。


 冒険者としてはかなりのベテランで、生存率もかなり高く実は複数の祝福を受けし者(マルチホルダー)で物凄い弓の腕前の持ち主ですが、流石に40歳のおじさんはあり得ません。


 最後に勇者パーティーに加入してきたのは、謎のジジイと言う物凄いお爺さんでした。


 鍛え抜かれた肉体は流石S級冒険者と言われても納得できますが、流石にお爺さんは論外です。


 あと残ったのは、我らが勇者様。


 でもまだ8歳なんですよねー。


 うん、将来性を見越せばありと言えばありなんですが、流石に少年嗜好(ショタコン)は無い、少年至高(ショタコン)は無いんですよ。


 大事な事だから2回言いました。


 おまけに、勇者様はどうやら聖女であるパトリシアさんを好きみたいなんですよね。


 本人に自覚があるかどうかわかりませんが(まだ8歳ですから)、勇者様の視線は度々パトリシアさんを追っているんですよ。


 見てれば分かります。


 連合軍本部に来るまで一緒に旅をしてきたから、そこでラブロマンスが生まれたんでしょうか?


 ……羨ましいです。


 パトリシアさんはまだ勇者様の視線には気が付いてません。


 聖女としての使命があるからなのか、それとも勇者様がまだ8歳だから対象に見ていないのか分かりませんが、実にもったいない事です。


 出来れば変わって欲しいものです。


 って、あたしは少年嗜好(ショタコン)じゃない、少年至高(ショタコン)じゃないんですってば。


 大事な事だから2回言いました!


 うむむ、こうなったら一刻も早く魔王を倒し、素敵な旦那様を見つけなければ!












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ショタコンじゃないで始まりショタコンじゃないで終わった(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ