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この石には意志がある!  作者: 一狼
第6章 勇者パーティー・集結編
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139.ルールーの実力

「【ファイヤーアロー】!!」


 ルールーの放つ【ファイヤーアロー】は普通であれば十数本の所、数十本ともはや【ファイヤーアロー】ではなく【ファイヤーレイン】と言っても過言ではない炎の矢だった。


 だからと言って、対処できないわけではない。


『【アイシクルランス】!』


 ルールーの放つ【ファイヤーアロー】と同数の【アイシクルランス】を放ち、対消滅で迎撃する。


「なっ!?」


 流石に【ファイヤーアロー】の1本1本を迎撃されるとは思わなかったルールーは驚きの声を上げていた。


 まぁ、これくらいの芸当、【森羅万象】を使えば造作もないからな。


 その隙を突いて、ユニコーンオーガも襲い掛かろうとしているが、ジルがぼーちゃんでユニコーンオーガが動こうとする瞬間を狙って、膝や肩を軽く突いて動きを封じていた。


「あー、アル君危ないー」


 そんなルールーやユニコーンオーガを相手している中、ジルはやーちゃんを石空間から取出し、アルベルトに襲い掛かろうとしていたアイスファイアベアの右肩に向かって放つ。


「グギャァ!」


「ちょっ、姉さん手助けはいらないって言っただろ!」


「だったら私の手助けが要らないくらい頑張りなさいー」


 1人でやるって言った手前、ジルに手を出されたのにアルベルトから文句が出た。


 アルベルトも頑張ってはいるが、流石に1対3じゃ不利だからなぁ。


『過保護だねぇ』


「(そんなことないよー)」


 反対側のスケルトン組では、デッドが新たに召喚したスケルトンウォーリア3体が、ブラストールに向かって攻撃を仕掛けていた。


「【シールドバッシュ】! 【ターンアンデット】!」


 【シールドバッシュ】でスケルトンジェネラルを押し込み、その間に【ターンアンデット】でスケルトンウォーリアを排除しようとする。


 だが、どうやら強化されたスケルトンウォーリアだったらしく、1発の【ターンアンデット】では昇華できなかったみたいだ。


「【ホーリージャッジメント】! 【ホーリーレイ】!」


 だが、パトリシアが裁きの光十字を放ちスケルトンウォーリアを一掃し、聖なる閃光でリッチを牽制する。


 うむむ、2人はスケルトンジェネラルとリッチだけで手一杯みたいだな。


 その背後から【闇魔法】の【ダークネススピア】を放とうとしているデッドには手が回らないみたいだ。


「クケケ、【ダークネススピア】!」


『おっと、【ダークネススピア】』


 俺はデッドが放つ【ダークネススピア】を、ルールーにもしたように狙って【ダークネススピア】をぶつけ相殺する。


「おう、助かったぜ、ジルベール殿!」


「ありがとうございます。ですが、私達に構わずジルベール様はご自分の方に集中してください」


 ブラストールとパトリシアに礼を言われるものの、敵のボス(ルールー)に集中しろと言われてしまった。


「(きゅーちゃんも過保護ー)」


『いやいや、過保護じゃねぇよ、これは。れっきした援護。援護だよ』


 1対3、2対3、1対2の構図になっているように見えるが、ここは戦場だ。


 目の前の敵に対応しながら全体を見るのが正しい戦場の在り方だな。


 だが、それを良しとしない……と言うより、舐められたと思っている人物が居た。


 ジルの相手であるルールーだ。


 そりゃあ、片手間で自分の相手をしながら仲間の援護をさらっとされれば怒りたくもなるわな。


「何処までも……舐めた真似をして……!! 【フラッシュエクスプロージョン】!!」


 一瞬にしてジルの周辺が光りと爆発に包まれる。


 【フラッシュエクスプロージョン】は爆発系の魔法であるが、広範囲に広がる爆炎を集中して限定された狭い範囲に圧縮して放つ魔法だ。


 しかもその分、フラッシュの名が付く様に発動時間もほぼ一瞬で防ぐのも容易ではない。


 と、普通であればそうなんだが、相手がジルなんだよなぁ……


 ジルの周りに広がろうとしていた爆炎は、えんちゃんの放つ光の盾に触れて一瞬にして消え失せる。


「えんちゃんー、ありがとうー」


『我に取って造作もない、この程度』


 えんちゃんの第3の能力、無効(魔法)だ。


 第2の能力、吸収(魔法)でも良かったんだが、吸収ものにありがちな限界量が存在するからな。


 爆発系の魔法は吸収できる限界がありそうだったから、ジルは咄嗟にえんちゃんの無効(魔法)を使ったのだ。


「防いだ……? あたしの【フラッシュエクスプロージョン】を……? あり得ない。どうなっているのよ、貴女。それなら……これは防げるかしら!?

 ――――【ギガフレア】!!!」


 【メガフレア】の上位互換なんだろうけど、ジルには……って、おおっ!?


 広範囲に火炎を放つ【メガフレア】同様、【ギガフレア】も高火力の火炎を放つ魔法のはずだが、ルールーの放とうとしている【ギガフレア】は収縮圧縮されたレーザーのような熱閃だった。


 しかも太さ5mもの極太の。


 一瞬にしてジルの居た場所に熱閃が通り抜けるが、何かに当たるようにして弾き散らされた。


「しっかり魔法を使いこなしているねー。流石は魔王四天王ー」


『あっさり防がれちゃ立つ瀬も無いけどな』


『客観的に見ても、ジルベールさんの言葉は煽っているとしか見れませんね』


 ルールーの【ギガフレア】熱閃を防いだのは、かめちゃんの第2の能力である空間凍結だ。


 かめちゃんを中心に限定的空間を凍結して、一時的に空間内の身動きを封じると言う能力だ。


 但し、ジルだけが凍結された空間を動く事が出来る。


 逆に、凍結された空間は外からの干渉を一切受け付けないと言う事でもある。


 この特性を利用して、ジルはルールーの【ギガフレア】熱閃を防いだのだ。


 こうして見れば、かなりのチートだよなぁ、これ。


 取って置きだったのか、【ギガフレア】熱閃を防がれたルールーは唖然としていた。












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