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この石には意志がある!  作者: 一狼
第6章 勇者パーティー・集結編
152/357

137.遭遇戦

「【プロテクション】、【リジェネーションヒール】、【ホーリーエンチャント】」


 パトリシアがジル達にある程度ダメージを軽減する魔法、自動治癒魔法、聖属性付与魔法を掛ける。


『【フィジカルアップエンチャント】、【クイック】』


 俺も全体に身体能力の上昇魔法に、現場に駆け付ける為の移動速度上昇の魔法を掛ける。


「ディーノ達はここで待機だ。向こうの戦闘とは別にこちらにも危険が及ぶかもしれないから周辺の注意を怠らない様にしてくれ」


 アルベルトは後方支援の待機の指示をだし、直ぐに前方で行われている現場に駆けつける。


 戦闘現場では人間の兵士9人が盾を構え、その後方から3人ほどの魔術師と思われる者が魔法を放ってモンスターの攻撃を凌いでいた。


 そして魔術師の攻撃が終わると、入れ替わるように頑丈な鎧に身を包んだ剣士や騎士がモンスターを攻撃する。


 うん、かなり連携が取れているな。


 見たところ兵士1人1人の技量は冒険者で言えばC級とそれほどでもないのだが、組織的に動くことにより技量以上の実力を出していた。


 対するモンスターの方は、カエル5匹にスケルトン2匹、熊2匹、オーガ1匹だ。




 種族:ボルカニックフロッグ

 属性:火

 脅威度:C




 種族:スケルトンジェネラル

 属性:闇

 スキル:騎士Lv55

 脅威度:B




 種族:リッチ

 属性:闇

 スキル:魔導師Lv77

 脅威度:A




 種族:アイスファイアベア

 属性:火・氷

 スキル:氷炎竜Lv33

 脅威度:C




 名前:ブラッディヘルム(ネームド個体)

 種族:クリムゾンベア(ユニーク個体)

 属性:火・地

 脅威度:A




 種族:ユニコーンオーガ

 属性:聖

 スキル:ユニコーンLv21

 脅威度:C




 それぞれモンスターを【鑑定】すると、カエルはボルカニックフロッグと言って、マグマの中でも生息する体長1mもの真っ赤なカエルだ。


 スケルトンはスケルトンジェネラルとリッチのアンデット系の2体だ。


 スケルトンジェネラルだけでも厄介なのだが、リッチが居るのも更に輪をかけて厄介だ。


 何せA級の脅威度な上に魔法に長けたモンスターだからな。


 熊2匹はアイスファイアベアとクリムゾンベアだが、アイスファイアベアは右半分に氷を纏い、左半分に炎を纏った相反する2属性を持つモンスターだ。


 しかもスキルが【氷炎竜】と何故か竜属性のスキルを使うのだ。


 そしてクリムゾンベアだが――おいおい、ネームドモンスターじゃねぇか。


 確かクリムゾンベアは名前に反して脅威度D程度の赤い(たてがみ)を持つモンスターなのだが、こいつは生存競争を生き抜いた経験を持ち特別に名前を冠する事が許されたモンスターだ。


 その証拠に、クリムゾンベアの特徴である赤い鬣は血のようなどす黒い赤に染まっており、片目は刀傷で抉られていたにも拘らず、残った片目だけでも人を射殺すばかりの威圧を放っていた。


 残りのオーガだがこれも風変わりのモンスターで、ユニコーンの治癒能力の特徴を持つオーガだ。


 ボルカニックフロッグが前面に配置し、後方にはスケルトン系と熊系、オーガがそれぞれ魔族の前に展開していた。


 スケルトン系を従えている魔族は何故かボロボロの白衣を着た眼鏡をかけた根暗な猫背な魔族で、杖を持った手でスケルトンたちにそれぞれブツブツと指示を出していた。


 逆に熊系を従えていた魔族は真っ赤な髪をしており、服の上からでも分かるはちきれんばかりの筋肉で身の丈もある巨大な大剣を携えていた。


 そしてユニコーンオーガを従えていた魔族は筋肉魔族と同じく、いやそれ以上に燃える様な真っ赤な髪をツインテールにした女の魔族で、何故か露出度の高いゴスロリ衣装に身を包んでおり、腕を組んで不遜に微笑んでいた。


 だが位置関係やその態度、魔力量を見ればこのモンスター・魔族のリーダーだと言うのが分かる。


「さぁ! 大人しくその荷物を渡しなさい! そうすれば痛くない様に殺してあげるわ!」


 よく見れば、人間の軍の隊長と思しき兵士は何やら長方形の箱のようなものを背負っていた。


 魔族の狙いはこれか?


 ともあれ、今は人間の軍を助けないとな。


「めーちゃんー!」


『あいよ! この場はあたいに任せな!』


 このままモンスターの群れに広範囲魔法を叩き込みたいところだが、今は兵士とカエルが、それに加えスケルトンと熊が乱入し混戦状態だ。


 なので、ここはめーちゃんの透過+飛燕で互いの距離を作る。


 ジルがめーちゃんを放つたびに兵士の体を透過し、カエルだけを斬り裂いていく。


「今の内に下がって体勢を整えろ! 追撃はこちらで行う!」


 突然の俺達の乱入に人間の軍は戸惑ったものの、直ぐに隊長が指示をだし下がって体勢を整える。


 だがそれは向こうも同じで、赤髪の女魔族も直ぐに下がるように指示を出していた。


「下がりなさい、貴方達! デッド、【バリア】を!」


 赤髪の女魔族の指示を受けて白衣の魔族――デッドが直ぐに【バリア】を張り、モンスターと魔族を護る。


 むぅ、そのまま追撃用にとジルのめーちゃんの攻撃とほぼ同時にパトリシアが【ホーリーレイ】と俺が【サンダーボルト】を放ったが阻まれてしまった。


「何者かしら?」


「俺は勇者アルベルトだ! 貴様ら魔族の侵攻も俺が来たからにはここまでだと思え!」


「……っ! へぇ……まさかこんなところで勇者に出会うとはね」


 アルベルトの名乗りに人間の軍は喜びに満ち溢れ、そして赤髪の女魔族も驚きつつも笑みを浮かべていた。


「勇者様、助かりました! 我々は連合第5軍所属のホワイトシールド中隊です。連合軍本部の極秘任務にあたっていたところ、魔族の襲撃を受けていたところです」


「極秘任務ってその荷物に関係しているのか?」


「はっ、その通りであります」


 ブラストールは盾を構えながらモンスター・魔族の方を警戒し、隊長の背負っている荷物に視線を向けて言う。


「うふふ。そうよ、あたしの目的はその荷物――だったけど、たった今目的が変わったわ。貴方達、最優先目標は勇者よ。さぁ! 勇者の骸を魔王様に捧げるのよ!」


 何で荷物を狙っていたのかは分からないが、そりゃあ魔王最大の敵が目の前に現れればそちらを優先するよな。


「悪いがその願いは聞けないな。俺はこれでも世界を救う勇者なんでね」


「うふふ。残念だけどその願いは叶わないわ。何故ならこのあたしが、ルーシー・ルージュが貴方をここで討ち取るのよ。魔王四天王の1人、紅蓮のルールーがね!!」


 って、はぁっ!?


 おいおいおい、何でこんなところに魔王四天王の1人が居るんだよ!




 名前:ルーシー・ルージュ

 種族:魔族

 状態:興奮

 スキル:大魔導師Lv99

 二つ名:紅蓮

 備考:魔王四天王












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