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この石には意志がある!  作者: 一狼
第2部 「猛女」 / 第5章 Alice神教教会・対決編
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108.後始末とその後

 Alice神教教会のクソババァによる一連の騒動が一段落した。


 あの後、クソババァとユーグ、それとクソババァに協力していた勇人部隊が捕縛され、地下牢に収容された。


 クソババァが行っていた悪事は多岐にわたり、とてもじゃないが赦し難いものばかりだ。


 特に、己の利益の為に幾つかの村を壊滅させたことは、Alice神教の教えとして赦されない行為でもある。


 教皇と枢機卿による最上位会議でクソババァに対する裁きが決められた。


 クソババァは枢機卿の座を剥奪した後地方の教会へ左遷され、生涯そこで罪を償う事になる。


 ユーグ、以下十数名の勇人部隊は【隷属魔法】により隷属化され、魔王軍との戦争の最前線でそれこそ命懸けの戦闘を強制される。


 と言うのが表向きの理由で、クソババァとユーグに関しては地下牢で収容されている間に『病気』で死亡する予定になっている。


 流石にあれだけ悪事を生きたまま赦すことは出来ず、死を以って償う事になるそうだ。


 まぁ、表向きとは言ったが、この度のクソババァの騒動は信者や世間にはとても公表などできないので、内々での処理と言う形になるが。


 実は埃を叩けばいろいろ出てくるのは何もクソババァだけじゃないからな。


 だからこそ何人かの枢機卿は表沙汰にしたくないんだろう。


 うーん、腐敗の温床だな。大人って汚い。


 人間だれしも清廉潔白でいられないのは分かるが、ここまで露骨なのはなぁ。


 ま、俺としてはクソババァを絞める事が出来たので、Alice神教教会にはこれ以上首を突っ込むつもりは無いが。


 ジルも同じらしく、内輪揉めはそっちで勝手にやって下さいとのことだ。


 あ、クソババァとユーグは地下牢で死ぬことになるが、勇人部隊の最前線送りは予定通りだ。


 おそらくだが、最前線で戦う兵士たちの肉壁にされる事だろう。


 事実上の死刑だな。


 運が良ければ生き残るだろうよ。


 因みに、クソババァの悪事に関わった勇人部隊以外の関係者にもそれぞれ処分が下されるらしい。


 書類仕事などを行っている事務員とかだな。


 後は、“金”の枢機卿もだな。


 彼女はクソババァに教会資金を流出させていた罪で、枢機卿の座を剥奪され地方の教会に左遷させられると言う事だ。


 クソババァの教え子だったらしく、【指導者】の特殊効果の“大恩”で逆らえなかったとかだが、流石に事が事だけに罪に問わないわけにはいかず、このような裁きが下された。


 ま、教会は枢機卿2名と他数人の神官の空席が出来る事により、この後が色々大変だろうな。


 尤も、“勇”の枢機卿の後任はパトリシアに決まっているので問題は無いが。


 パトリシア本人にとっては問題だらけだがな。


 クソババァを絞めるためとは言え、いきなり枢機卿の座に付くことになったんだからな。


 しかも、この後予定していた勇者の存在の公表、そしてお披露目の式典などはパトリシアが引き継ぐことになるし。


 これも表向きは、クソババァが若手に枢機卿の座を譲ったと言う事になっている。


 特に、パトリシアは【聖女】のスキルを持つ者でもあるから、勇者と共に世間への発表はこれ以上に無い士気を上げる事にもなるからな。


 そんな訳で、新“勇”の枢機卿パトリシア・シーンロッドによる勇者の公表、お披露目式典は無事終わり、勇者と共に戦う者の募集もその時に発表された訳だ。


 所謂、勇者パーティーだな。


 前線で戦闘を担う6名、物資の補給や拠点の管理等を行う後方支援に6名。


 勇者を含めて計13名による精鋭部隊だ。


 戦闘部隊の6名の内訳は、現在連合で最前線で戦っている中から最強の戦士と魔法使いの2名、Alice神教教会から2名、冒険者ギルドから2名となっている。


 Alice神教教会からの2名のうち1人はパトリシアだ。


 枢機卿になったばかりだが、【聖女】のスキルを持つ彼女が勇者と共に戦うのは戦略的にも戦術的にも意味があるからな。


 そんでもって、冒険者ギルドからは最大戦力を派遣するとなれば当然S級が指名されるわけだ。


 でもって、勇者アルベルトの姉にしてS級冒険者であるジルに指名が来るのは至極当然な事でもある。


『良かったな、ジル。アルベルトと一緒に戦う事が出来るぜ』


「今のアル君は頼もしくなったから、一緒に戦うのは別にかまわないんだけどねー」


『なんだ? 何か乗り気じゃなさそうだな』


「うんー、一段落就いたからマックスを本格的に捜そうかと思ってたのー」


『あー、勇者パーティーに加われば捜し辛くなるかぁ~』


 マックス――迷宮大森林でジルに懐いた子フェンリル。


 太陽王国サンフェルズの暗部である“月夜(カグヤ)”との戦闘中に時空波紋に巻き込まれ行方不明となったままだ。


 共に行動していたのはほんの一時だが、マックスは紛れも無くジルの仲間だ。


 あ、言っておくが今までマックスの事忘れた訳じゃないぞ。


 一応、ジルが迷宮大森林を抜けてクローディアと再会した時に、余裕がある時にでもマックスの捜索をお願いしていたりする。


 まぁ、片手間の捜索だし、何処どころか何時に飛ばされたか分からないので簡単には見つからない。


 なので、これを機にジルは本格的の捜索しようとしていたみたいだ。


 魔王軍との戦争に勇者を投入すると言う事は、これまでにない激戦が予想される。


 ジルが勇者パーティーに入ると言う事は、傍でアルベルトを手助けできることでもある。


 アルベルトを取るか、マックスを取るか。悩み所だ。


 そんな風にどうするか悩んでいたが、思わぬところでマックスらしき情報を得る事となった。


 魔王軍との戦闘区域である第3戦域にフェンリルが居り、それを魔王軍幹部の1人が狙っていると。












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