表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/27

鶏肉の味比べ

商品名:ななチキ、スペシャルななチキ(骨付き)、ザクチキ(魅惑のうま辛)

種別:惣菜

メーカー:セブンイレブン

 肉の美味さとは即ち脂の美味さであるが、これをどのように味わわせるかというところで、途端に料理人の苦悩が始まるのである。

 ステーキのような単純な料理なら、やはり牛が一等美味い。だが日々ステーキばかり食うわけにもいかぬし、そもそも食事には釣り合いというものが必要である。

 釣り合いとは味や栄養だけを言うのではなく、金銭的なものも含んでいる。高いものを食えば美味いのは当たり前だし、それではつまらぬ。


 鶏肉は豚や牛に比べると脂が少な目で、単に焼くだけとなるとどうしても一歩劣るが、逆に揚げるには一番良い。

 鶏肉を一番美味く食う方法の一つに唐揚げがある。脂が少ないからこそ、油を使った料理に合うのである。

 だがそれは、油の味に左右されるということであり、安ものの油を使った揚げ物など食う気にもならぬ。

 また、調理されてからの時間も問題だ。油は酸化すると途端に味が落ちるので、すぐに食さねばならない。

 すぐに食すとなると方法は限られてくるが、その一つがセブンイレブンである。


 だが一口にセブンイレブンのチキンといっても、フライヤーの中には複数のチキンが並んでいる。

 やれどれが上だの下だのと生意気を言うためにも、食べ比べてみることにする。


・ななチキ

 歯を立てると皮のパリッとした食感が心地よい。

 中から染み出てくる油も美味いのだが、少々量が多いのが気になる。垂れるほどに多い油は、一口目は良くても、じきに飽きの元となる。

 とはいえ、王道正道のチキンである。初めて食べたにも関わらず王道の味と感じたところからも、これをチキン界の規矩準縄とすることに異論はあるまい。

 値段もこの大きさならばこれくらいのものであろう。味はもちろんのこと、食べやすさへの配慮が感じられる品であった。


・スペシャルななチキ(骨付き)

 油が少なく、肉をしっかりと味わえる。皮の味付けもななチキから比べて若干工夫されており、美味い。

 だが、注意せねばならぬのは、骨付きという部分だ。

 元来骨付きというのはマイナスの要素にはならぬものだが、コンビニで食わせることを考えると、料理人の意図するところがわからぬ。

 細い骨がこぼれ落ちるのに気を回さねばならぬとなると、関節部の軟骨にがぶりと噛みつく快感も半減である。

 一つ気になるところができると味自体にもけちがつき、他と比べて若干も高いのだから、美味くて当たり前という気分にもさせられる。

 食す相手のことを考えぬ料理人の一人よがりとも言えるが、それでも納得してしまう美味さがある。


・ザクチキ(魅惑のうま辛)

 辛い。うま辛と名付けられてはいるが、辛み8割に旨味2割といったところ。

 期待していたザクザク感はないが、意外に油の量もほどよく、辛みのあとに旨味がほのかに残る。

 全体的に味が濃いのでくせになるが、それが良いものと受け取るべきかは、議論があると思う。

 料理は舌の上が上手いだけでは足りぬし、一時のみで評価するわけにもいかぬ。

 濃い味に慣れたのちにもまだ旨味を感じえるかどうか、それを考えると、私はこの味に一番の警戒心を抱くのである。

今回はお友達の古城ろっくさんに「スペシャルななチキ」をおすすめされたので、食べ比べついでに食レポを書いてみました。

実は私、ななチキ初体験です。ありがとね。いい機会になりました。

※なお取材に使用した商品は、この後スタッフ(私)が美味しくいただきました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
楽しそうで何より。
面白かったです。 チキンですが、一般にチキンと言えばケンタッキープライドチキンが君臨してますが、アレとの違いがあると、なおイメージしやすいかな、と思いました。前提を最初に示しているので、比較しなくても…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ