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味噌の妙味

商品名:飲み干す一杯 味噌バター味ラーメン

種別:即席カップめん

メーカー:エースコック

 日本人の魂というべき味が味噌である。和食の枢要といえば醤油と味噌が揺るがぬものだが、ソースという分野で見ると類似品は多様にある。もちろんそれらは醤油の代わりになるはずもないのだが、味噌はそもそもの代用が存在しないという点で唯一のものである。

 では味噌をどうすればうまく食えるかということになるが、飲み干す一杯 味噌バター味ラーメンがその第一であろう。


 麺類を食うにあたって蕎麦やうどんを第一におき、ラーメンを一段劣るものとして考える者は多い。確かにそれらは、大いなる先人たちの工夫でもって完成された美食として出来上がっている。だが、伝統だからといって昔からの味を盲目的にありがたがっているようでは、とても食での感動は得られない。


 エースコックの料理人がまず考えたであろうことは、味噌の甘さをどうやって引き出すかという点であろう。味噌そのものを味わうなら味噌汁で十分だが、それでは味噌そのままの味でしかなく、料理人による色付けの余地がほとんどない。

 非凡だったのは、あえて麺を主役にしたことだ。麺があることで味付けに余白が生まれ、脇役に据えたはずの味噌の味がより引き立つのである。

 あとのせのバターもしゃれている。風味というのはとかく飛びやすいものであり、カップ一杯のスープにひとかけらのバターでは少なすぎる。食べる直前に入れることで濃厚なバターの風味を味わうことができるし、スープに混じり過ぎて薄くなることもない。

 味噌、バター、そしてコーンと、三種類それぞれ違った甘みが味わえるラーメンは他にない。


 焼酎でもビールでも良いが、風呂のあとにしっかりと酒で冷涼を享受したあとで食う味噌ラーメンは、至高の一杯と言って差し支えない。

 もちろん酒と一緒に味わうのも最高で、ビールの苦みに味噌の甘さが実にあう。飲み干す一杯、とわざわざ名付けるだけの美味さである。

 太麵はしっかりと胃に溜まる。この食べ応えは、蕎麦には決して真似できない部分である。

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