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「お前さえいなければ」と言われたので死んだことにしてみたら、なぜか必死で捜索されています  作者: 水谷繭
1.殿下のために死んだことにします

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『ちょっと、セラ! 早まらないでよ!? まさかあんな馬鹿王子のために身投げするとか言い出さないよね!?』


「身投げ……。いいわね。どうして気づかなかったのかしら。私が死ねばエリオット様と結婚しようがないわ。二人の邪魔をしなくて済むじゃない!」


 突如浮かんだ考えに、私はすっかり魅了されてしまった。


 なんでこんな簡単なことを今まで思いつかなかったのだろう。


 私がエリオット様のために出来ることがあったのだ。


 恍惚とする私を、シリウスは私の服の袖に噛みついて引っ張りながら、慌てた声で止める。


『セラ、一度冷静になって! セラがあんな奴らのために死ぬ必要ない!』


「大丈夫よ、シリウス。本当に死ぬつもりはないわ」


『え?』


 シリウスはぽかんとした顔で私を見た。



「私が死んだことにすればいいのよ。遺書を書いて崖か何かに血の付いた服の切れ端を置いておけば、きっと死んだと思ってくれるわ! それで私はどこかへ逃げてしまえばいいのよ!」


『えー……。まぁ、死ぬ気がないのはよかったけどさ……。セラがそこまでする必要ある?』


 シリウスはげんなりした顔で言う。


「あるわ。私はエリオット様に少しでも恩返しをしなければならないの!」


『ふーん。今やってることで十分過ぎるくらいだと思うけど……』


 シリウスは勢い込んで言う私に、納得のいっていなそうな顔を向ける。


 しかし、何かに気づいたように耳をパタパタ動かすと、明るい声で言った。



『いや、やっぱりありかもしれない。どこか遠い場所に行くのもいいかもね』


「シリウス、賛成してくれるの!?」


『うん。よく考えたら、セラはずっとこんな場所に閉じ込められて搾取されているより、自由な場所へ行った方が良い気がしてきた』


「あら、私搾取なんてされてないわ。でも、そうね。エリオット様と離れるのはつらいけれど、自由になるのだと考えたら少し気が楽になるわ」


 出来ることなら、私がそばにいてエリオット様を幸せにしてあげたい。


 けれど、何の力も持たない私では無理だ。


 それはとても悲しいことだけれど、新たな人生を始めるのだと思えば少し元気が湧いてくる。



「早速準備しないと! シリウス、手伝ってくれる?」


『いいよ。協力してあげる』


 シリウスは尻尾をぱたぱた動かしながらそう言った。



 私は別邸に戻ると、早速死の偽装工作の準備を始めた。


 寂しさは消えなかったけれど、エリオット様の幸せと、新たな生活を思うと、今まで感じたことのない晴れやかな気持ちが胸に広がった。

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