第14話 緊張会議
ガイの報告により、セレスティアが無詠唱で魔法が使える事が判ったので、今後の方針を決める緊急会議が開く事になったの。
「セレスティアが無詠唱で魔法を発動させた事で、今後の育成方針等を決める為の緊急会議を開くことになりました。皆よろしく頼みますね」
「「かしこまりました」」
私の言葉で緊急会議が始まる。
ロイから、セレスティアとクエストに同行したガイから聞いた内容を報告する。
「ガイの報告では、セレスティアと採集クエストを行ってる時に単角兎が現れたので、魔法を使っての狩猟を提案しました。すると、セレスティア様は無詠唱で水魔法の水刃を発動されたそうです。単角兎との距離は10m程でしたが、一撃で首を刎ねたそうです」
「それについては、セレスティアがクエストから戻った時に話を聞きました。今の報告と内容は一致してるので間違いないでしょう」
私はロイの報告が間違いないという事を伝えると、その場に居た者達が驚きの声をあげる。
「セレスティア様は無詠唱魔法の使い手にして、卓越した魔力操作まで行えるという事なのか、素晴らしい才能をお持ちですね」
影長は驚きながらも、セレスティアが素晴らしい才能を持ってるいると褒めると、周りの者も一同に頷いた。
「セレスティア様が、魔法を専門とする者からしっかりと学べば【大魔導師】クラスの使い手となるかも知れませんね」
「【影】には一流の使い手は居ないのですか?」
私はセレスティアに魔法を教える事が出来る者が、【影】にいるのかを確認すると、影長は首を横に振ってから返事をする。
「我々【影】の任務は【諜報】【暗殺】【特殊警護】となっております。なので魔法に特化した者はおりません……」
「【影】の者に良い伝手は無いのですか?」
セレスティアの才能を伸ばす為には、一流の者から教わる環境を整えてあげたいので、伝手に頼っても良いと思った。
「元聖帝魔導師だったエルフ族に知り合いが居ますが、非常に気紛れな者なので、必ず引き受けてくれるとは言いきれません。取り敢えず連絡をしてみようかと思います」
「元聖帝魔導師のエルフ族という事はミスティークの事ですか?」
「やはり、ご存知でしたか」
「聖帝魔導師長を知らない訳がありません。彼女が受けてくれるなら心強いですね」
「あまり期待はしないでください。それと、セレスティア様に無詠唱魔法は避けるようにお伝えください。無詠唱魔法ともなれば必ず王都へ報告が上がりますので」
「それについては既に伝えています。セレスティアは私との約束は必ず守るので問題ありません」
「判りました」
「では、ミスティーク件で進展があれば報告をするように、今日のところはこれで解散致しましょう」
「「御意」」
こうして緊急会議は終わり、セレスティアの今後に多大な影響を与える事となる、ミスティークとの出会いはもう少し先の事になる。




