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第6話 帝国軍派兵

 ティアード帝国で国政会議が開かれた。


 帝国内はレオーネ王国からの侵攻を退けた事で、戦勝ムードで盛り上がり皇帝の人気は絶大だった。王国を破った帝国軍も入隊希望者が多く、王国侵攻前の倍近い兵士数となる勢いであった。


 大臣達は今の状況は帝国の領土拡大の好機と捉えていた。国政会議では領土拡大を議論し、侵攻に失敗し国内情勢が悪化してるであろうレオーネ王国へ、侵攻を行うつもりだった。


 宰相が国政会議の開始と最初の議題を掲げて会議が始まる。帝国軍将軍が最初に口を開く。


「諜報部によると、レオーネ王国の敗走後は国内の情勢が悪化してる。地方の王国への不満で王政を支持しない地方都市が増えてる状況で、今の状況なら取り崩しも可能だと思う。」

「レオーネ王国の地方地域には、豊かな土地が多いので得る事が出来れば、帝国の食料事情は豊かになるでしょうな。」


 農政大臣は豊かな土地を得る為ならば、王国への侵攻を支持するのだろう。余りにも侵攻ありきの会議だったので、スレインは異を唱えた。


「確かにレオーネ王国を退けたが、最大の功労者はティアード帝国を去っている。我々の戦力だけで本当に王国軍に勝てると思うのか?」

「皇太子様、セレスティアのみで強大な王国は倒せませんよ。流れを変える起点には成りましたが、帝国軍の力は王国に負けてません。」


 将軍は自信満々に答えると、他の臣下達も頷いて将軍に賛同した。


「もし、劣勢になるような事があれば、その時は我々に加勢するでしょう。帝国の危機になれば味方となるのは、前回の侵攻で判った事ですからな。」

「それに、セレスティアの元にはセイレーンが居るのだ。帝国の皇女として育ったセイレーンなら、王国へ侵攻すれば必ず力となる筈だ。」


 皇帝もセイレーンなら帝国の為に、必ず動くと安易な考えでいたのだった…


 その後は会議では、侵攻は確定しどの地域から侵攻するかの話し合いとなり、農業地帯から侵攻を開始して鉱山地帯までを帝国の領土にする事と決定したのだった。


「侵攻開始は準備が整う1ヶ月後で、先ずは農業地帯から行うものとする。異論はないな?」

「「ございません!」」


 こうして、ティアード帝国によるレオーネ王国侵攻が行われる事となった。


 スレインは侵攻を止める事が出来なかった事で、帝国は自分の居る場所ではないと悟った。盟友カンテラとストラトスも同じ思いだったので、帝国を去りセレスティアの元へと向かう事を決めた。

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