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第3話 団長出陣

 1つの街を王国から離反させた事で自信を得たセイレーンは、その後も精力的に支援活動を行ってる。


 人を惹きつける天性のカリスマ性は、困窮する民衆を前にして演説をすれば、直ぐに賛同者が出てくる程のものだった。

 セイレーンなら素晴らしい為政者になるんだと思った。

 もし、私が倒した後レオーネ王国をセイレーンが統治してくれたら、王国民は他国からの侵攻に恐れずに済むのではと考えた。そんな事はまだ先の話になるんだけどね。何かのタイミングでセイレーンにお願いしてみようと思うの。


 セイレーンの支援活動の噂は、既に王都まで届くようになっていた。国政会議の議題にもあがり議論が繰り広げられた。そして議論の結果、こんな感じで対処する事になったようなの。


・偽善者セイレーンが反王政を呼び掛けてる。 

・王国は何もしないが聖女セレスティアは支援を惜しまず困窮する者を救うと吹聴している。 

・偽善者セイレーンと聖女セレスティアは同一人物で別々顔を使い分けている。

・このまま放置すると地方は完全に王国から離れてしまうので、直ぐに暗殺して支援活動を終わらせる。


 そして偽善者又は聖女を暗殺する為に派遣されるのが、親王騎士団 団長のヴィクトールだった。レオーネ王国最強騎士が、全てを終わらせようと動くことになったのだった。


「エスティグマ様、行ってくるぜ!」

「ヴィクトール任せたぞ。」

「俺が負ければ四魔将が出るしかないな!」

「馬鹿者!お前で全てを終わらせろ。」

「へいへい、やってみるよ、じゃあな!」


 ヴィクトールは偽善者が現れたと言う場所へ向かって飛んで行った。


 国王ことエスティグマは悩んだ。

 念の為ファティマ.カラミティ.デマイズへ報告をしておくべきなのかと…


➖➖➖国王視点➖➖➖

 ヴィクトールを向かわせた。

 四魔将に次ぐ強さを誇る魔族だから、今度こそ天子を仕留めてくれるだろう。


 もし、ヴィクトールが敗れたら…奴等に頼るのは癪だが仕方ない。

 先ずは戦闘馬鹿のデマイズに連絡するか、もしヴィクトールが敗れたと知れば、歓喜の雄叫びあげながら戦いに行くだろうからな(笑)

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