75 つよつよミミックの挑発(エスペランサ視点)
わたくし、一体どうしたのでしょうか?
ぬ なんだか頭が痛いですわ……。
昨日、夜に何かアルバイトと言われて車に乗って、人の多いクラブってとこまで行ったのは覚えてるのですが、その後甘いジュースを飲んでからの記憶がまるでありませんの……。
気がついたら家にいたので、多分ハコザキ様、アルカ様達が送ってくれたのでしょう。
そういえばお預かりしていた携帯、先ほどからずっと何か鳴ってますわね。
出てなかったから気がつきませんでしたがよく見たら何十回も連絡入ってますわね。
そこまで焦ることが何かあったのでしょうか?
まあ寝てたから出れなかったのも仕方ありませんわ。
この電話に出れなかった件、明日学校に行ったら謝っておきますわ。
さて、今日は休みなのでもう少し寝させていただきますね。
そう思っていたのですが、家にお客様が来られたので、わたくしも話をすることになりました。
尋ねてこられたのはこの家のオーナーでもあるシャンツー様、彼女はハコザキ様が呼んだようですわね。
「それデ、ハコザキ。コレがどれだけ危険なもノかはわかってるのかしラ?」
「はい、コレには政治家や教育者、警察関係まで全部の名前が載ってます。未成年売春の顧客リストで、その元締めが藤村美沙妃というわけです」
あらあら、何かきな臭い話をしているみたいですわね。
話についてこれないアルカ様は顔を赤くしながら二人をジト目で見つめているようですわね。
まあ先程いきなりシャンツー様がアルカ様に口づけをしてましたし、まだ心の準備が出来ていなかった彼女にはいきなりの事で驚いてしまったようですわね。
「まあいいワ、そうネ……このリスト、一億で買いますワ。こんなハシタ金でニホンの政治家達の尻尾を掴めるなら安いものですワ。ハコザキ、お金は明日には口座に振り込んでおきますわネ」
どうやらシャンツー様が家に来たのはあのリストを手に入れるためだったようですわ。
でもたかだか一つのファイルで一億って……シャンツー様は大胆な方ですのね。
わたくしは特に話すことも無かったのでシャンツー様に笑顔で会釈しただけでした。
ですが、彼女はわたくしを見て、何かを感じたようですわ。
一体何を感じたのでしょうか……?
「エスペランサさン、貴女のお母様の事はよく存じておりますヨ。まア今はあまり目立たないほうがいいかもしれませんネ」
さて、シャンツー様はわたくしに何を伝えたかったのでしょうか。
シャンツー様はリストを手に入れると上機嫌でお帰りになられました。
その日の夕方、わたくしはかかってきた電話に出ることにしました。
「アンタ…昨日の夜からなんで電話出ないのよ! まさかアルバイトサボったんじゃないでしょうね! それなら明日穴あけた分弁償させるからね!」
「はい、ごめんなさいですわ」
どうやら同級生の方はわたくしが電話に出なかった事にかなり怒ってらしたようですわ。
まあ明日会ったら謝ればいいですわね。
次の日、わたくしはクラスメイトの方三人に取り囲まれてしました。
「アンタ、なんて事してくれたのよ! ミサキ様カンカンよ。クラブは警察に摘発されるしぜんぶあんたのせいよ! アンタ、ミサキ様に直接謝りなさい。今日言われた場所に行くのよ!!」
あらあら、仕方ないですわね。
でもコレはハコザキ様に言われた通りの流れになったようですわね。
ハコザキ様はこの売春の元締めがこの学校にはもういないフジムラミサキ様だとわかっていたようですわ。
だからわたくしに先日クラブの顧客リストのデータを見せたのですわね。
わたくし、この日の放課後、ライブハウスと呼ばれる場所に連れて行かれました。
そこにおられたのはいかにもお嬢様といった姿の制服の女性とその取り巻きでしたわ。
この方がフジムラ様なのでしょうか?




