72 つよつよミミックのダンジョン挑戦(エスペランサ視点)
皆さまどんどん先に進んでますー。
わたくしもそれについていく形で歩いてますが、皆さまとてもお強いですわー。
特にボックス様は、一人で舌のような鞭というかハンマーみたいな武器を使い、大量にいたモンスターさんを血祭りに上げましたー。
彼の強さはとても一言では表せませんわ。
ライオンのような巨大な鳥のようなモンスターとか、ものすごく大きな岩で出来たお人形さんとか、骸骨さんもあっという間に倒して、わたくし達は十三階ってとこまで来ましたわ。
ここにいたモンスターはドランクオーガー、何か飲みながら棍棒を振り回すとても危険なモンスターさんでしたわ。
でもボックス様はそんなモンスターさんを舌のような鞭で打ち砕いてしまいましたわ。
あっ。わたくしに何か瓶が飛んできて……当たってしまいましたわ……。
バリィーン!!
「アッ!?」
「うわぁ……」
………何だよ、この匂い。
何というか随分と安っぽい酒だな!
というか、オレの着ている服が汚れてしまったじゃねえかよ!!
「テメェ、ふざけんなよ! オレの服汚しやがって!! ブッ殺してやるぜ!!」
オレは目の前のデカブツに叫んだ。
すると、ソイツもオレに攻撃を仕掛けてきやがったので、棍棒をへし折ってやった!
「ウガッ!?」
「オイ、クソヤロウ、オレの服を汚した弁償代をさっさと払えよ。そうだなぁ、千ユーロってとこかな!」
オレの着ている服はそんじょそこらの安物じゃねぇ!!
この無礼者のクソモンスターにオレの攻撃を見せてやるぜ!!
「ガァアアア!」
酔っ払いの巨大なバケモノがオレに襲いかかってきた!
だがこんな緩慢な動きでオレを捕らえられるわけがない!
「ケッ! こんな動きでオレを倒せるかよ!」
オレはこのデカブツの攻撃を避けながらパンチを腹に叩き込んだ!
「グゲェッ!」
ヘッ! オレのパンチは鉄すらへし折るんだぜ!
こんなデカブツの腹くらいならなんてことない!
だがまだまだオネンネするには早いぜ!!
オレはパンチのラッシュを何発もねじ込んだ!
すると、流石のデカブツもオレのパンチに耐えきれなかったのか、その場にうずくまった!
バカが、そんな無防備なら急所がら空きだぜ!!
オレはデカブツの鼻っ柱目掛けてパンチを打ち込み、目にもパンチを叩き込んだ!
人間の目ならオレのパンチがえぐりこむワケがないが、このデカブツの目はちょうどオレのパンチが入るサイズだった。
オレのパンチはデカブツの両目を奪い、コイツは痛みで苦しんで暴れ出したみたいだ。
暴れたデカブツはオレを倒そうと辺りにやたらめったら攻撃してだがそれは全くオレとは違った場所を攻撃していた。
どうやらその攻撃の一つがあの箱の怪物に当たりそうになったが、箱の怪物は長く伸ばしたムチみたいな武器でソイツの頭を叩き潰した!
「スゲエ、あのデカブツを一撃でやりやがった……!」
頭の無くなったデカブツはその場に倒れ、そして消滅した。
ふう、久々に殴りがいのある敵と戦えたぜ!
オレが安心すると、力が抜けて途端に眠くなってきやがった……。
——クソっ! 今回はこれまでかよ……そして、オレは意識を……失った。
……あら? わたくし、どうしていたのかしら。
何だか服装が汚い血や体液でベトベトですわ。
わたくしはいったいどうしたのかしら。
でも何だか手が痛いですわ……。
「皆さん? いったい何があったでしょうかー?」
でも、誰もこの件には答えてくれず、話をはぐらかすだけでしたわ。
わたくし達は扉を開き、下に向かう階段を降りましたー。
どうやらここは十四階という場所みたいですわね。
ここにいるモンスターさんはとても強そうで、わたくしはこのままでは食べられてしまうかもしれませんわ。
ですが、なぜかわたくしがモンスターさんの投げた石の攻撃を受けても、全然痛くありませんでしたわ。
いったい何があったのでしょうかー?




