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【40万PV突破!】いつ、この地位から離れよう。〜勇者の末裔を筆頭に、凄い人たちで構成された組織の代表です〜  作者: とい
1章 王立学園入学

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初の完全敗北

 黒髪少年ことアイトは、真顔で扉を開ける。


「レスタ様、いつでも来てくださいね」


「レスタくんじゃあね〜!!」


「お兄ちゃん泊まっていってよ〜」


「また、来て」


 顔がバレてしまったため、もう誤魔化しようがない。エリスは最初からだが‥‥‥カンナ、ミア、リゼッタにまで知られてしまったのだ。


「うん‥‥‥また来るよ。任務がんばってね」


 アイトは力無く笑うと、店舗『マーズメルティ』の裏口から静かに出て行った。


 男子禁制の店から正面から堂々と外に出ると間違いなく目立つ。


(これ以上、俺の私生活が組織に染まるのはマズいっ‥‥‥絶対にマズいッ!!)


 アイトは足早に学生寮へと戻っていく。あまりにもスタスタ突き進んでいくため、すれ違った人からは不思議そうに見られていた。


「あ〜もう寝よ寝よっ‥‥‥俺明日から学生だし」


 明日はいよいよ王立学園の入学式のため、アイトは早いうちに眠った。


「zzz‥‥‥俺は一般人なんだぁ‥‥‥zzz」


 重大な事を忘れたまま。




 4月の初め。ついに入学式が始まる。


「良い天気だなぁ〜」


 アイトは学生寮から出て、すぐに学園内へ入る。そして、掲示板に載っているクラス表を見に行く。


(自分の名前探すの大変過ぎない‥‥‥?)


 1年生のクラスは8クラス。AからHクラスまであり、成績順でクラスが決まる。Aが最高ランクというわけだ。


 アイトは平穏な生活を所望しているので、まず目立ちたくないと考えている。だが悪い成績を取って両親に心配はかけたくない。


 だから真ん中付近の成績を収めようと決めていた。

 だが入学前にあった、クラス分け試験の平均値は当然わからない。


『これくらいかな‥‥‥』


 そのため、アイトは全体の半分くらいの点数になるように調整した。こんな上から目線だが、そもそも分からない問題もたくさんあった。


『なるほど、これくらいか』


 そして魔法実技では、他の人の魔法を見て考慮しながら挑んだ。


「ーーーあった。Dクラスかぁ‥‥‥」


 クラス分けを見るとDクラス。

 アイトはEクラスを狙っていたが仕方ないと感じた。間違えてAやBに入っていないだけ、まだ大丈夫だと。


「ここか」


 アイトはDクラスの教室に入り、指定されていた席へ座る。


(学園生活って異世界でも変わらない感じだな)


 その後Dクラス担当の先生が色々説明し、講堂に移動して入学式があった。

 挨拶を行う新入生代表は‥‥‥銀髪の女の子。


「桜の花が満開に咲き誇る、今日この日にーーー」


(へ〜、王女が挨拶か。ていうか桜ってこの世界にあったんだ)


 こんな感想を抱きながら、アイトはぼんやりと挨拶を耳に入れていた。すぐに突き抜けていったが。


「続いて、生徒会長の挨拶です」


 次に、生徒会長の挨拶。出てきたのは、金髪で黄色の目をした‥‥‥超絶美男子。

 入学生を始め、多くの学生が魅了されている。


「生徒会長のルーク・グロッサです。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます」


(うげっ‥‥‥あの人がこの国の王子)


 アイトは思わず顔をしかめた。グロッサ王国の中で1番関わりたくない人物だったからだ。



 ルーク・グロッサ。


 グロッサ王国の国王ダニエル・グロッサの息子で、第一王子にあたる。


 つまり、王位継承権第一位。国王の男系の子供は、ルーク・グロッサしかいない。


(噂通りのイケメンだな〜。俺が見てもカッコいいって思うし)


 だが、アイトはそれだけで彼に苦手意識を持っているわけではない。その理由は、むしろルーク本人にある。


(あの両眼‥‥‥見ているだけで鳥肌が立つ)


 『聖騎士の魔眼』。


 ルーク・グロッサは‥‥‥聖騎士の末裔なのだ。

 これは、グロッサ王国領内に住んでる国民なら誰もが知っていること。アイトも既に知っている。


(間違いなく強い‥‥‥だってエリスと同等の能力があるんだろ? これは貫禄ある王子だわ〜)


 彼は20歳の身で、既にグロッサ王国内で最強と言われている。体術や武術、魔法など全てにおいて完全無欠。まさに非の打ち所がない超人。


(そんな人が隊長の、選りすぐりの精鋭部隊‥‥‥うへぇ〜絶対に関わりたくね〜‥‥‥)


 今は彼自身が選出した精鋭部隊を率いている。身分は関係なく実力で決めていると話題になっている。


(関わりませんように関わりませんように関わりませんように関わりませんようにーーー)


 ずっと祈り続けていたアイトは、会長の挨拶を全く聞いていなかった。こうして学園の初日が終了。


(やばい、クラスメイトと全然話せてないっ‥‥‥明日は絶対に自分から話しかけるんだっ)


 アイトは新たな決意を胸に、まっすぐ学生寮に帰宅中の時。


「ーーーアイトっ!!!」


 後ろから声が聞こえ、無意識に振り向く。


「‥‥‥? あ、姉さん。久しぶり!」


 そこには、姉であるマリア・ディスローグがいた。


(ずいぶん背が伸びたなぁ〜。18歳と考えたら平均より高いかも?)


 4年ぶりにあった彼女に対し、アイトはそんな感想を抱く。まさに最後に見た時から、順当に成長した姿だと。


「アイトっ」


 姉が一心不乱に走ってきたので、アイトは笑いながら待ち受ける。


「変わらず元気そうでーーーヴォェッッ!?」


 すると突然、頭に鉄拳が振り下ろされた。

 アイトは地面にうつ伏せに倒れており、魂が抜けたように動かない。


「この3年間‥‥‥なんで家に手紙送ってるのに1通も返してこないの!? 普通返すのが礼儀でしょ!?」


 マリアは、勢いよく叫ぶ。アイトは意識を失っている。


「アリサと仲良くやってたんだ!? 鬱陶しいお姉ちゃんがいなくなって、楽しかったんだ!?」


 マリアが大声で叫ぶ。アイトは意識を失っている。


「こっちは忙しくて全然帰れなくて、寂しかったのに‥‥‥!!」


 マリアの言葉は、まだまだ続く。アイトは意識を失っている。


「お姉ちゃんのこと嫌いなの!? 2人ともお姉ちゃんのこと嫌いになったの!? ねえ答えてよっ、答えなさいアイトぉぉっ!!!」


「‥‥‥‥‥‥」


 マリアの絶叫しながらの説教は、アイトの耳に全く届いていなかった。


 マリアの一撃は想像以上に凄まじく、前よりも確実に強くなっていた。アイトは、まさか姉がいきなり攻撃してくると思っていなかった。


「‥‥‥‥‥‥」


 アイトはさっきの一撃で意識を刈り取られ、白目を剥いて昏倒している。


「ねえっ、聞いてるの!? お姉ちゃんの話を聞きなさいッ!!!」


 学生寮付近でこの騒動、もちろん目立ちまくってしまったアイト。しかも姉のマリアが王立学園で有名人であることから、余計に目立った。


「‥‥‥‥‥‥」


 早くも、平穏な生活が脅かされそうになった。いや既に姉という脅威に脅かされている。


「ねえっ、答えなさいよアイトっ!! お姉ちゃんのこと嫌いになっちゃったの!?」


 アイトが忘れていた重要なこと‥‥‥それは気の強い姉をずっと放置していたことだった。


「ねえってばッ!!」


「‥‥‥‥‥‥」


 エルジュ代表『天帝』レスタ、初の完全敗北。

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― 新着の感想 ―
計算高いのに、どこか抜けている感じが、面白いっ
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