永遠×友情
憂鬱だなぁ。絶対に先輩には会いたくないなぁ。ってか同じ課に居るのに会わない方がおかしいか。毅然とした態度で行くぞ。頑張れ俺!
「永遠、おはよ」
「おぉ! 蓮おはよう」
同期の蓮が、俺に声をかけてきた。
「なぁ、妹ちゃんから俺にチョコとか預かってないの?」
「なんで陽菜がお前にチョコを渡すんだよ。俺だってもらってないのに」
──そうだよ、俺、陽菜にチョコもらってねーじゃん。夜勤だったのか? 仕方ねぇなぁ陽菜のやつ。今度会ったらくれるんだろう。
「永遠。渡辺先輩さっき後藤先輩と話し込んでたんで気をつけた方が良いぞ」
「まだ懲りてねーのか。散々、陽菜に文句言われてこっちは萎えてんだよ。先輩達と会話するだけでもだりぃって」
「まさか妹ちゃんに自己中なお願いしに行くと思わないもんな。可哀想だったな妹ちゃん」
──ほんとだよ。まったく。陽菜を助けた医者ってのも気になるし……ってか、そいつにチョコ渡してんのか!?
「あのぉ、永遠君」
──来たよ。後ろに渡辺先輩いんじゃん。絶対に焚き付けただろう。こうやって言い寄られて付き合うの無理って言ったよなぁ俺。なんでわかってくれないんだ!?
「おはようございます」
──無難に逃げよう。おい、蓮! 逃げんなよ。最悪だよ。
「これ、もらってくれないかな? 要らなかったら捨ててくれても構わないから」
──はっ? 意味がわからない。要らなかったら捨てても良い? もらって目の前で捨てたら、それはそれで文句言うんだろ? めんどくさい。
「前も言ったと思いますが、俺、人に言われて『はい、付き合います』ってのないから。苦手なんです。そういうの。だから個人的な思いの込もってそうなものは受け取れないです」
「じゃあ、義理チョコだからもらって」
「じゃあって言ってる時点で違いますよね。申し訳ないけど先輩の気持ちは受け取れませんから、チョコも勘弁してください。すみません」
後ろで渡辺先輩が何やら言っているようだけど、俺は構わず正直に誠意を持って対応したつもりでいる。
「永遠、おはよう。妹ちゃんから俺に何か預かりものしてない?」
「亮平、お前もか。蓮みたいなこと言ってんじゃねーよ」
「永遠も妹ちゃんからもらってないから苛立ったんだよ」
「蓮、バラしてんじゃねーよ」
いい加減このやり取りなんとかならないのか? と思うが、親友ながら気を遣ってくれているんだろうと改めてありがたく思った。




