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ナースステーション×神隠し

「悟、なんか機嫌いいね」


 何やら機嫌よく、満面の笑みでナースステーション内の業務を行っている。


「陽菜先輩、冷蔵庫にシュークリームちゃんがいらっしゃるんですよ! 早速僕、付箋に名前書いてシュークリームちゃんにペッタンってしてきたんですよ」


「休憩が楽しみだね」


「さぁ、ベビちゃん'ズのオムツ交換いってきます」


 オムツをナーシングカートに大量に乗せて準備をしている。


──悟。そんなにオムツ要らなくない? オムツの数と新生児の数合わないでしょ!? 張り切りすぎだよと内心思う。


「陽菜ちゃん、奏多君の採血頼める?」


「了解です。今からですか?」


「できたら午前の部の検査に回したい」


 そう言われて時計を見ると、後15分程で検査部の人が取りに来る時間だった。


「すぐ行います」


「助かる」


 真智先輩はそう言うと、ナースステーションを出て行った。採血の準備をして奏多君の保育器まで行く。


「奏多君、おはよう。ちょっとだけチックンさせてね」


 そう声をかけて、右の足の裏から数滴採血をする。そして検査へ出す書類を添えて検体とセットで回収ボックスへ入れた。


──真智先輩、急いでたけど何があるんだろう?


 役割担当者ネームボードを確認すると係長以上のナースの会議の日だった。


──そっか。今日会議だったの忘れてた。って、私は参加しないから別に忘れてても問題ないけど……。



 数時間して真智先輩達が戻ってきた。


「陽菜ちゃん、午後からカンファレンス入ってるよね? 先に休憩入っていいよ」


「はーい。ありがとうございます。お先に休憩いただきます」


「いってらっしゃい」


「ごゆっくり」


 先輩たちに見送られて、藤堂先生から頂いたお勧めのシュークリームを取りに休憩室へ入った。冷蔵庫を開けると『陽菜』と書いてあるシュークリームがど真ん中に鎮座している。私はシュークリームを取り出すと、ひらひらと何やら紙が落ちた……のだが、それに気づかず休憩室を出て中庭へ向かった。



 その頃、ナースステーションでは……。


「悟。落ち着いてるから、お昼ご飯してきていいよ」


「真智先輩、ありがとうございます。お昼ご飯いってきます。僕のぉ〜、シュークリームちゃん、お待たせぇ。今、迎えに行くよぉ〜」


 悟のこの言葉を聞いて真智先輩は。


──ん? 陽菜の名前は書いてあったけど、悟のはなかったような。それに依元師長が、今日の会議のお供にしちゃいましょうって言って全部持っていっちゃったはずだけど。うわっ、騒ぎ出すぞ。知らん顔しよう。


「シュークリームちゃん、お待たせぇぇ!」


 冷蔵庫の扉を開けると。


「あれ? いない。僕のシュークリームちゃん。どこにいったの?」


 周りを見渡すが無い。冷蔵庫の中をくまなく探す。


「こ……ここもシュークリームの神隠しだぁぁぁ!」


 足元の小さな紙に気づく。自分が貼ったはずの「さとる」と書かれた付箋だけが手元に残った。


「神隠しなのに……紙はある。って、ダジャレみたいなこと起きてるってぇぇぇ!」


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