表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/173

悟×岩崎先生

「悟、午後からカンファあったよね? 先にご飯行っておいで」


「真智先輩、良いんですか? ありがとうございます。それじゃあ、みなさん、お先にご飯いただいてきます」


「いってらっしゃい」


 みんなに送り出されて、社員食堂へ向かう途中で声がかかった。


「さと君、今からお昼?」


「あっ、岩崎先生お疲れ様です。そうなんですよ。先輩たちが先にご飯行っておいでって言ってくれたので、いちばんにご飯入りました」


「僕も今からご飯だから一緒に食べない?」


──岩崎先生にご飯誘われた! 男同士ここは親睦を深めよう。


「もちろんです! 社員食堂ですか?」


「時間もないし、安くて美味しいよね」


「はいぃ!」


 岩崎先生と並んで社員食堂へ行き、食券を買いに券売機の前で食べたいものを選ぶ。


「岩崎先生、今日の日替わりランチ定食、プリン付きですよ」


「ほんとだ。日替わりランチは……唐揚げかぁ。僕は青椒肉絲定食にしようかな」


 それぞれ食券を買い列に並ぶと、おばちゃんに券を渡し準備してもらう。


「おばちゃん、ご飯大盛りね! 午後から大変なの。だからもりもり食べておかなくちゃ」


 そう言うとおばちゃんは。


「そうかい、ならポテサラおまけにつけてあげようね。しっかり食べて頑張るんだよ」


「おばちゃんありがとう! 大好きだよ」


 おばちゃんは笑顔で僕のトレイに、おまけのポテサラを乗せてくれた。そしてなんとプリンを2個乗せてくれた。


「仲良しのお医者さんとふたりでお食べ」


 そう言って僕達にウインクをして、手際よくご飯の準備を整えるおばちゃん。


 岩崎先生と窓際の空いている席を陣取り、お昼ご飯をいただく。


「先生、プリンどうぞ。おばちゃんからの愛ですよ」


「この前、シュークリーム食べ損ねたからプリン嬉しいありがとう。さと君」


「えぇ? 先生シュークリームを食べ損ねたんですか? それは一大事じゃないですか!」


──もしかして、チラッと小耳に挟んだ事があるシュークリームの神隠しだろうか?


「岩崎先生、それって医局で噂されている『シュークリームの神隠し』ですか?」


「さと君、そうなんだよ。僕のシュークリームが忽然と消えたんだよ! 冷蔵庫からね」


「それは怖いですね!」


「そうだろう。誰も食べてないって言うんだ。それに食べたゴミも無かったしね」


「岩崎先生、まさかオバケとか言わないですよね?」


「さと君……だよね? やっぱり、そう思う? 僕も最近そう思う様になったんだよ。先生達は知らないって言うから、もうコレはさと君の考えが合ってるとしか思えないよ」


 僕は岩崎先生と手を取り合い。


「怖いですよね。病院だけにあり得る話ですよね! 絶対にいらっしゃいますよね」


 ふたりで抱きしめ合い、ブルブル震える。


 その様子を、偶然社食の前を通りかかった弥生先輩が見ていた。


「ん? 悟は何をブルブルしてるのよ。テーブルのプリンより震えてるじゃないの。あっ、そうだ。面白いから、ナースステーションで話してやろう」


 足取り軽く、弥生先輩は病棟へと戻って行った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ