表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/173

妙子×白衣

 ウチの病院の看護師の白衣は、ツーピース式パンツタイプの物が主流で、昔ながらのワンピースも用意されているけど、ほとんどの人が着ないレア白衣となっている。数十年前までは主流だったワンピースタイプの白衣は今では影を潜めています。

 妊婦さんの白衣は妊婦用の白衣があるため、このワンピースタイプ白衣は要らないと思う。しかし、何故か病棟に予備白衣としてサイズ違いで数着用意されている。


(いやいや、個人ロッカーに白衣の予備くらい入れてある人がほとんどなのに、病棟の予備白衣の謎と言われるくらい不必要な存在の白衣と私は思っている)


「陽菜、遅くなってごめんね。休憩入って良いよ」


 先に休憩に入っていた瑠璃先輩に声をかけらた。


「はーい。瑠璃先輩、お昼のバイタルチェックとオムツ交換全て終わってます」


「おぉ! 陽菜様ありがとう! 沐浴は悟に任せよう。ふふっ、平穏だなぁ」


 浮かれ気味の瑠璃先輩に挨拶をしてお昼休憩に出る。ものすごいタイミングでスマホが鳴った。


(ん? 誰だぁ)


 スマホを取り出し画面を確認すると整形外科の同期の白川しらかわ祥子しょうこちゃんだった。送られてきたメッセージを開くと。


【陽菜! 休憩時間なら大至急いつものところにおいで!】


 えっ? 何事なの!? 送られてきた時間を確認すると5分前。祥子ちゃんに「今から行く」の短い返信をしていつもの場所に急ぐ。辺りを見渡すと、私に気づき手を振る祥子ちゃんが視界に入った。


「今日も一緒にランチできたね」


 そう言って私を歓迎してくれる同期達。


「あれ? 妙ちゃん。いつの時代の看護師になってるの? 外科で流行ってるの? コスプレみたいじゃん」


 開口一番に外科同期の妙ちゃんの白衣に触れてしまった。私のこの一言で祥子ちゃんが大爆笑になってしまい収拾がつかない。


「やっぱり陽菜も、気付くよね? あはは」


「言い訳させてよ! 好き好んで着てないもん」


「妙子の事だから好き好んで着てるかと思っちゃった。あははは」


「そんなわけないじゃん! 祥子ちゃんも着てみたらいいじゃん!!」


「嫌だよ。そんな看護婦時代のような白衣」


 目の前で繰り広げられる白衣の話題の攻防戦。でも、祥子ちゃん凄っ。看護婦時代の白衣って表現。確かに看護師と呼び方が変わってからは、パンツタイプのツーピース式のものが当たり前になってるし、看護学生の時の実習服も私の通っていた大学はツーピース式の実習服だったなと思い返す。


「陽菜、聞いてよ!」


 妙ちゃんが凄い勢いで私に話しかけてくる。


「なぁに?」


「朝着替えたの新しい白衣だったんだよ。なのにさぁ、担当患者の食事介助してたら、できもしないのに自分でできるって言い張るから自分でさせたら、お椀が私の白衣めがけて飛んできたんだよ。おかげで私が食べこぼししたみたいになってナースステーションで大笑いされて、師長がこれ貸してあげるからわざわざロッカーに行かなくて良いでしょ。そこの空いてる処置室でパパッと着替えてきなさい。ってわたされたのがコレだよ。酷くない?」


「でもさぁ、生足ってのが残念だよね。普通ここはストッキングだよね?」


「陽菜、問題はそこじゃない!」


 こんなやりとりの横で、祥子ちゃんはやっぱり大笑いをしている。


「大笑いしたから午後からも頑張れるね。多少のストレス緩和くらいにはなったよね。陽菜」


「だね」


 そんな私達の言葉に反応したのが妙ちゃんだった。


「あんた達もワンピース白衣着たら大笑いしてやるんだからねぇ!」


 すっかり笑わせてもらったイレギュラーな出来事に癒され、私達はそれぞれの病棟に戻り、笑顔で午後からの業務に取り組んでいる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ