[回想]藤堂先生×鴻上先生への相談
110話で藤堂先生が鴻上先生へ相談した内容をこの回で綴ります。
ホワイトデーに渡すプレゼントも準備したけど、どこで渡すのかを考える。こういう時こそ鴻上先生の出番ではないかと思いつく。
医局の中を見渡す。岩崎先生が居ないのを確認したが、医局の中は俺と鴻上先生のふたりきりだった。これは今しかない!鴻上先生の横に椅子を滑らせ話しかけた。
「鴻上先生、お時間が許せば少しご相談があるのですが」
「藤堂先生、そんな改まって怖いですねぇ」
いやいや、俺の方が怖いですよ。この後どうやって冷やかされるのかと思うと……。
「先生、どこか落ち着く個室になってるようなレストランとかご存知ないですか?」
「えっ? いよいよですか!」
この人は何を思っているのだろうか?この時期を考えたらホワイトデーしかないんじゃないだろうか?
「鴻上先生?」
「いやいや、そうですねぇ。俺の友人がオーナーをしてるお店なんだけど、最近テレビで紹介されたみたいで予約が取りにくくなってるみたいなんだけど、良かったら聞いてあげようか?」
「えっ、そのテレビ観たかも知れないです。坂倉さん達が盛り上がってたあのレストランですよね」
「あー、そうそう。そこだよ」
「鴻上先生のお友達がオーナーさんなんですか! もし予約できるなら3月14日のディナーで予約したいです」
「陽菜ちゃんの日勤終わって……だね。うんうんわかったよ。余裕を持って19:00くらいでどう?」
「良いんですか! よろしくお願いします」
「ダメ元だよ。俺でも本当に最近予約取れないんだから」
「わかりました。助かります。よろしくお願いします」
とりあえず鴻上先生からの返事を待とう。それから次の事を考えよう。そう思っていた。その日の午後、ナースステーションに居ると鴻上先生から呼ばれ医局に戻る。
「藤堂先生、3月14日19時に予約取れましたよ。藤堂で2名で予約しておいたから。頑張って!」
「ありがとうございます。助かりました」
「ふぅ〜ん、いやぁ、そうかぁ、藤堂先生」
「はい?」
鴻上先生、何か勘違いしてないか?そんな事を思っていると入り口から
「鴻上先生、ナースさんたちから差し入れだそうです」
賑やかな岩崎先生の声が響き、鴻上先生へ聞きたかった言葉を飲み込んだ。
当日の陽菜の喜ぶ顔を思い浮かべて、栄養補給をしてからカルテ整理に取り掛かった。




